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執拗に"秋篠宮家叩き"を続ける新潮社の行く末

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■「百田尚樹の最新小説」をめぐる販促企画が大失敗

老舗出版社・新潮社がおかしいという声を最近よく耳にする。

最近もこんなことがあった。10月4日、新潮社のTwitterアカウントで、「百田尚樹の最新小説『夏の騎士』をほめちぎる読書感想文をツイートすると、図書カードが当たるビッグチャンス」と告知したのである。

ハッシュタグ「#夏の騎士ヨイショ感想文」をつけて感想文をツイートすると、「百田先生を気持ちよくさせた20名の方に、ネットで使える1万円分の図書カードを贈呈!」と謳(うた)った。

もう百田の本は売れないと考えた担当編集者が、話題作りのために捻(ひね)り出したのかもしれないが、読者と著者をバカにした企画である。当然のことだが、すぐに「新潮社はお気を確かに」「歴史ある出版社として恥ずかしくないのか」などの批判が上がった。

第74回文化庁芸術祭のオープニング・オペラ公演鑑賞のため着席される秋篠宮ご夫妻=2019年10月1日、東京都渋谷区の新国立劇場 - 写真=時事通信フォト

“全身小説家”の異名を持つ井上光晴の長女・井上荒野はこう言っている。


私が知ってる新潮社じゃない。

あわてた新潮社は、


「夏の騎士ヨイショ感想文キャンペーン」について
お騒がせをし、申し訳ございません。
多くのご意見を受け、中止とさせていただきます。
尚、既にご参加済みの方に対しては、追ってアナウンスさせていただきます。
今回皆様からいただいたご意見を真摯に受け止め、今後の宣伝活動に活かして参ります。

と、早々に中止してしまったのである。

■ヨイショがうまくなくては編集者は務まらない

すると今度は、「作家やその作品に敬意を持っていたら誰であれ失礼過ぎて提案できないと思う。企画した出版社が一番、この作家や作品を軽視していたということじゃないかな」、「廃刊(原文ママ)した月刊誌のときといい、今回といい、この会社には保身という言葉はあっても矜持(きょうじ)という言葉はないのでしょう」という批判が殺到したのである。

昔、作家の山口瞳から、「作家というのは女々しいものです。だから、何でもいい、原稿をもらったらまず褒めなさい」といわれた。

ヨイショするのがうまくなくては編集者は務まらない。どんな駄作でも、「先生、これはすごいですね。売れますよ」と文字通り歯の浮くようなお世辞で、著者をいい気持ちにさせなくてはいけない。

帯に書くことがなければ、「傑作です!」としておけばいい。某大文豪は、どこの社の原稿でも、まず、褒めるのが上手な懇意の編集者に最初の原稿を見せたそうである。褒めて褒めて褒め倒してもらった後、頼まれた社の編集者に見せたという。

そのヨイショを読者にやってもらおうなどと考えるのは、編集者としての資質を疑う。

■「新聞にできないことをやる」と週刊誌を創刊し63年

私の若い頃、新潮社の人間は知的で孤高の人が多く、三文編集者には近寄りがたかったが、最近は様変わりしたのだろうか。

新潮社は1896年(明治29年)創業だから120年を超える堂々たる老舗である。文芸雑誌の雄『新潮』は1904年に創刊されている。

文藝春秋の『文学界』や講談社の『群像』はずっと後である。新潮文庫は1914年(大正3年)に創刊されている(講談社文庫は1971年)。文藝出版社として名声を轟かせてきただけではなく、新しい時代を切り開く雑誌の創刊にも積極的であった。

新聞社系週刊誌の全盛時代に、出版社として初の週刊誌、『週刊新潮』を創刊したのは1956年だった。

情報も取材力もない出版社が週刊誌など出せるわけはないと、新聞社は嘲笑(あざわら)ったという。だが、「新聞にできないことをやる」をコンセプトに、新聞批判とスキャンダルを武器に部数を伸ばし、後に続いた『週刊現代』『週刊文春』とともに、新聞社系週刊誌を蹴散らし出版社系週刊誌の黄金時代を築くのである。

多くの文士を育てた名編集者・齋藤十一は、『週刊新潮』でも手腕を発揮し、多くの名企画、名タイトルを生み出し、新潮ジャーナリズムをつくり上げた。齋藤が率いる新潮の取材力とタイトルの切れは群を抜いていた。共産党批判も舌鋒(ぜっぽう)鋭かった。

その新潮に1978年、当時共産党副委員長だった袴田里見が、『「昨日の同志」宮本顕治へ——真実は一つしかない』という宮本委員長批判の手記を寄せるのである。あの時の衝撃を今でも覚えている。

■執念の取材で桶川ストーカー事件の犯人を特定した

それ以前にも新潮は、誘拐事件の際、犯人を刺激する懸念から詳細な報道を控える新聞の「報道協定」があまり長きにわたって結ばれていると批判し、新聞を尻目に誘拐事件を報道するなど、独自路線で気を吐いた。

1981年に日本初の写真週刊誌『FOCUS』を創刊したのも齋藤であった。その時の齋藤の言葉、「殺人犯の顔が見たくないか」は、業界の語り草になっている。

FOCUS記者だった清水潔(現日本テレビ)が執念の取材の末、犯人を特定した桶川ストーカー事件は、ストーカー法ができたばかりではなく、週刊誌史上に輝くスクープである。FOCUSはその前にも、ロッキード事件で逮捕された田中角栄元総理の法廷での隠し撮りに成功して、大きな反響を呼んだ。

純文学出版の老舗でありながら、常に新しいものにチャレンジしていく新潮社魂が、戦後の出版業界をリードしてきたことは間違いない。

1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件は、当時14歳の中学生による犯行だったため、少年法に守られ少年Aとしか公表されなかったが、『FOCUS』(7月9日号)は、少年の実名と顔写真を掲載した。

さすがに賛否が巻き起こり、抗議した作家の灰谷健次郎が、全ての作品の「版権」を新潮社から引き揚げるという騒ぎにもなった。だが、FOCUSが投じた一石は、少年法のあり方を考えるきっかけとなったことは間違いない。

1997年をピークに、出版界全体の売り上げが右肩下がりになる中で、新潮の屋台骨を支えてきた新潮文庫の売れ行きがよくないという噂(うわさ)が、業界に広まっていった。

そんな中で大誤報事件が起こるのである。

■部数稼ぎを認めるも、“ニセ実行犯に騙された”と釈明

『週刊新潮』が2009年2月5日号に掲載した「実名告白手記 私は朝日新聞『阪神支局』を襲撃した」がそれだ。

この事件は87年5月3日に、目出し帽を被り散弾銃を持った男が兵庫県西宮市にある朝日新聞の阪神支局を襲った。小尻智博記者が死亡、犬飼兵衛記者も重傷を負った、憎むべき言論テロ事件である。赤報隊の犯行だといわれているが、いまだに犯人はわかっていない。

網走刑務所に収監されていた人間が、「自分が犯人だ」と告白する手紙を新潮編集部に送ってきた。赤報隊の事件を追っていた朝日新聞の記者も件の人間には会っており、話に真実性はないと断じていたのだが、新潮編集部は裏を取り、信ぴょう性があると確信したとして、強引に掲載した。

その結果、大誤報になり謝罪することになるのだが、この時の編集長の掲載動機も、何とか部数を増やしたいというものだった。

A編集長は自身の筆で「『週刊新潮』はこうして『ニセ実行犯』に騙された」(4月23日号)と題する10頁のトップ記事を掲載して誤報を認める。だが、騙(だま)されたとは被害者だといわんばかりではないか、本当に反省しているのかが疑問という批判が巻き起こった。

新潮社は佐藤隆信社長とA編集長(当時)を20%、他の取締役7人を10%、それぞれ3カ月間減俸処分にしたが、外部委員会などによる誤報の検証は行わないと明言した。

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