- 2019年10月15日 14:47
避難所に路上生活者が入る事については、そんなに簡単な人道問題ではないと思う
2/2路上生活の人たちに精神疾患が多いのは差別か
「路上生活者は精神疾患だ」というのは差別だ。しかし「路上生活者に精神疾患が多い」というのは単なるエビデンスであり、データです。実は以前、福祉に興味があって専門書を読みあさったことがあるが、この問題については某大学の福祉学科の試験問題にもなっていたと思う。何度もマスコミでも取り上げられていて社会常識だと思います。
路上生活者114人に精神保健調査 “6割に障害”明らかに― 精神医療は貧困とどう向き合うか

この前の調査が日本ではじめてはじめてだったらしいが、
路上生活者に多数の精神疾患 日本で初の調査 森川すいめい医師(精神医療交流集会の講演から) IQ70未満の人が34%も 生活保護の受給にも壁が

IQ70未満の人が福祉事務所に一人で行って手続きすることは困難。申請書をひらがなで書いたら「こんな字も書けないのか」 とバカにされ、怒って帰った人の例をあげました。生活保護で最初に入れられる施設の環境が劣悪で、他人との共同生活を強いられ、「まだ若いから働けるでしょう」とすぐ就労指導が始まるのも辛いものです。森川医師は「三年ほどで交代する福祉課のワーカーは障害についての知識がない。IQ70未満の人がハローワークで仕事が見つけられない現実を知らない」と言います。
そもそも働けない人たちが多数を占める
という事実があるのです。親が健在なときは面倒を見てもらっていたが、親が亡くなると一人ではなにもできない。生活保護もわからないし団体生活もできないという人たちがそのまま路上生活にはいるという話はたくさん本で読みました。働けるけど怠け者で働かないというのではない。そもそも疾患やIQが低いために就労が無理なのです。つまり「好きで路上生活している」人と「路上生活しかできない」人の二極化しているわけです。
よく話題になる「ゴミ屋敷」も精神疾患の割合が非常に高いことも分かっている。山手線に物凄い悪臭の路上生活者が乗ってきてその車両からほかの乗客が全員降りるシーンはなんどか経験があるが大半が寒い冬です。寒さをしのぐために山手線でぐるぐる回るわけですよ。風呂に何年も入らず自分の匂いも気にならないというのは精神疾患を疑って当たり前でしょう。
差別と区別は違う。「浮浪者を避難所に入れないのはけしからん」と建前で騒ぐ人たちは、仮に700人が避難所に押し寄せてきて占拠したら何も言わないのか。または物凄い悪臭の人(しかも話が通じない)が来たら、あなたの隣であなたの子供と一緒に寝かせるのか。それができる人だけが人権だとガーガー騒いだらいいと思うんです。そのときが来たら自分の人権を主張しだして「こんな人が近くにいたら困る」とか、いいそうな気がするんです。口でいうのは簡単なんです。
ではどうすればいいのか。そもそも墨田区では区内に多くの路上生活者がいることは調査で把握しており、保護センターや自立支援センターの利用も呼びかけているが、ほとんどが応じないのである。それこそ人権があるんだから首に縄を付けて収容するわけにはいかないではないか。さりとて災害の時だけ一般の市民の避難所に押し掛けられてもというのが職員の気持ちだろう。
障がいがあって路上生活しかできない人は、本人には責任がないのだからきちんとした施設で生活させてあげるのは大賛成です。しかし「生活保護は息苦しいから受けたくない。就労支援もいらない」といって税金も納めず不法占拠している人たちの処遇をどうするか。これはもっと深い問題で人道だけでなく議論されないといけないと思うわけです。わたしの正解は分かりません。
漫画家の吾妻ひでお氏が失踪から自殺未遂・路上生活・肉体労働──『アル中病棟』に至るまでの名著です



