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サンコンにチャック・ウィルソン…外タレ4人が憂う日韓対立

オスマン・サンコン

 GSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄に、「ホワイト国除外」という韓国の “報復措置”。日本国内に目を向けても、ワイドショーでは「韓国問題」を連日取り上げ、“断韓” を煽る週刊誌が問題になり、混迷を極める日本と韓国の対立――。

 近くて遠い、この2国間の問題だが、国際的な視点からはどう見られているのか。日本をよく知る在日外国人タレントたちに、「日本と韓国どう思う?」と直撃した!

「 “断韓” なんていって、煽るような報道はよくないですよ。韓国にだって、いい人はいっぱいいる。いちばん大事なのは人。誰だって同じ人間で、お母さんがおなかを痛めて産んだ子なんだから、要らないなんて言っていいわけがない」

 そう語るのは、ギニア出身のタレントで、「日本が好きだし、韓国の料理も大好き」というオスマン・サンコン(70)。ヘイトスピーチだ、と物議を醸した『週刊ポスト』の特集記事「韓国なんて要らない」をはじめとする、日本のメディアの報道姿勢についての意見だ。

「敵意を煽れば、最後はアフリカのルワンダの大虐殺みたいになってしまう。あそこでは50万~100万人が殺されて、ルワンダはいまだに後悔している。だから、『韓国は要らない』なんて言ってはダメ」

 一方で、サンコンは、慰安婦問題など、過去にこだわりつづける韓国に苦言を呈する。

「昔のことをいくら言っても、キリがない。もし僕たちアフリカ人が、昔の黒人奴隷のことなんかをほじくり返したらどうなる? 僕たち、フランスにもイギリスにも永遠に行けなくなっちゃうよ。過去のことは、もう水に流さなきゃ」

 中国出身の段文凝はこう語る。

「怖いですよね。数年前、日中関係が悪化していたころは、中国が同じように言われていました。私は今回 “断韓” という言葉にびっくりしました。国でも人間同士でも、誤解があったら話し合うことが大事。それがなく、『はい絶縁!』というのはよくない」

 来日して10年になる段は、この国のメディアの不思議さをこう指摘する。

「どのテレビ局も、同じニュースばかりですね。韓国の件もそうだし、“あおり運転” の事件も。いまはメディアも煽るような報道ばかりで、『誰のメリットになっているのかな』って」

 スポーツインストラクターでもあるチャック・ウィルソン(72)も、「民間のレベルで煽るような雰囲気を作るのはやめて」という意見だ。そのうえで、こう語る。

「個人的には日本はもう十分に謝っていると思うけど、日韓それぞれに言い分がある。以前ならアメリカが間に入っていたけど、トランプが大統領になってから、その役割が薄くなった。

 政治の問題は政治家が解決してほしいよね。暴力とかヘイトスピーチとか、誰かが銃弾を韓国大使館に送りつけたりとか、幼稚な振舞いはやめて。なんの解決にもならない」

 しかし国と国との対立は、国家のリーダーによっても大きく左右される問題だ。

「『戦争しなければ解決できない』なんて極端なことを言う政治家もいるよね。そんな政治家には『バカヤロー』って言いたい。お互いに、何十年前の昔話をいつまでも言わないで、前向きに問題を解決してほしいよ」

段文凝

 山形弁をしゃべる外国人として有名なダニエル・カール(59)も、日韓関係の泥沼化を深く憂慮しているひとりだ。

「いまの大統領の文さんも、もともとは人権の活動家でね。頭はよさそうだけど、前任者の功績をことごとく取り消そうとしているところは、トランプとそっくりだよね」

 何度も謝っているのに、なぜ許してくれないのか――。ドイツ系アメリカ人であるカールは、日本側の「謝罪」について、こう指摘する。

「1970年、ドイツの首相だったヴィリー・ブラントは、戦後初めてポーランドに挨拶に行ったとき、ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺を認めて、ワルシャワの追悼碑の前にひざまずいて謝罪しました。最近も、2009年にメルケル首相がポーランドで謝罪しています」

 韓国への謝罪について、「日本はそこまでできていない」とカールは言う。

「日本も、もっと前の段階で誰かがこういう対応をしておけばよかったのかもしれません。ただ、東アジアはキリスト教じゃありませんからね。儒教の教えでは、上下関係が厳しい。『一度頭を下げたら、もう頭が上がらなくなる』という考えが強いんですよ」

「徴用工訴訟問題」に端を発する報復合戦のなかで、GSOMIAの破棄などを経て、ついには日本を貿易管理上の「ホワイト国」から除外するに至った韓国。対する日本も、一歩も引かない構えだ。悪化の一途をたどるこの2国間関係に、融和がもたらされる望みはあるのだろうか。

「国連とかを間に入れて話すしかないんじゃない? 2国間で話すよりいいと思うよ」

 サンコンは、こう意見を述べるが、カールもそれと似た見解を示しつつ、さらに踏み込んだ案を語ってくれた。

「(徴用工訴訟で提訴された)三菱重工なんて大企業なんだから、元徴用工の人たちに月々いくらかでも年金みたいな形でサポートすればいいんですよ。韓国国民へのPRやイメージアップの一環と考えれば、悪い話じゃない。政治家が駄目出ししそうだけど……。彼らが絡むと、全否定か全肯定にしかならない」

 ウィルソンの意見はこうだ。

「お互いさまのところがあるけど、どっちかというと韓国が、もうちょっと考えるべきじゃないかな。文大統領は選挙が近いから、支持者へのアピールで、ああ振る舞っているんだろうけど、それじゃトランプと変わらない。

 トランプは仲裁のことを何も考えてないし、中国がアジアでの勢力拡大の好機と見て、日韓の問題に割り込んでくるかもね」

 さらに、今の日韓のような「 “内向き” 姿勢では絶対に駄目」と手厳しい。

「他国の人に対しても、人間の中身を見ないと。差別意識のような妙な考えは、親から子に伝わっちゃうからね。そういうのは、我々の世代では解決しないかもしれない」(ウィルソン)

 日本も韓国も、民間レベルでは、お互いの国を好きだと感じているケースが多い。だが最近は、「どこか『韓国を好き』と言いたくても言えない空気が充満している」と、段は嘆いてこう漏らす。

「相手国を好きだと自由に言える国がいいです。互いの国の美味しいものを食べて、アジア全体が友好的になってほしいですね」

おすまんさんこん

1949年3月11日生まれ ギニア出身 1972年に外交官として来日。アメリカ勤務を経て、1984年に再来日し、タレントとして大ブレイク。2013年、日本とギニアの友好の功績で外務大臣表彰。2017年旭日双光章受章

だんぶんぎょう

5月4日生まれ 中国出身 早稲田大学非常勤講師 2009年5月に来日し、2011年4月から2017年3月まで『テレビで中国語』(NHK)にレギュラー出演。現在は『華語視界』『Selfie Japan!』(ともにNHKワールドJAPAN)に出演中

ちゃっくうぃるそん

1946年10月26日生まれ アメリカ出身 1970年に柔道留学のため来日。『世界まるごとHOWマッチ』(TBS系)の回答者などで活躍。現在は「チャックウィルソンエンタープライズ」を経営

だにえるかーる

1960年3月30日生まれ アメリカ出身 大学卒業後、文部省イングリッシュフェローとして、山形県に赴任。3年で山形弁をマスター。その後、上京し「山形弁研究家」として活動

(週刊FLASH 2019年10月8日号)

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