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韓国チョ・グク法相電撃辞任”2つの理由”「支持率急降下」「10・15以降の国監」 ノンフィクションライター・崔碩栄氏が語る「文政権の今後」「タマネギ男の末路」 - 「週刊文春デジタル」編集部

 強気の姿勢から一変、10月14日に韓国・文在寅大統領の最側近、曺国(チョ・グク)法相が電撃辞任を発表した。就任前から家族を巡る疑惑など数多くのスキャンダルが報じられ、剥いても剥いても次々に疑惑が出てくるために「タマネギ男」などと揶揄されていたが、国会の公聴会などを経て、法相就任を強行。しかし、1カ月という短命での辞任となった。

「チョ・グクを罷免しろ!」と集まった10月3日の大学生による集会

 今回の電撃辞任をどうみるのか。そして、今後の日韓関係の影響は――。「週刊文春デジタル」編集部は、現地で取材を続けるノンフィクションライターの崔碩栄氏に話を聞いた。

◆◆◆

急落した支持率に危機感

 曺国の突然の辞任については、驚いたというより、今までこれだけ疑惑が報じられていたのに、よく図太く辞任せずにいたなというのが率直な感想です。通常の神経では到底耐えられないことです。


辞任を表明した曹国(チョ・グク)氏 ©共同通信社

 今日になって辞任を発表した背景には、大きく2つの理由があると思います。

 1つ目は、文在寅政権側の姿勢の変化です。曺国の疑惑は次々と現れて、消えていくどころか膨らむばかりでした。それでも法相の立場にこだわり続けたのは、曺国の個人的な権力欲というよりも、政権側の意向が強かったのだと思います。
 
 その文政権の姿勢が変わったのは、世論調査の結果によるところが大きい。このところ、文政権の支持率はいよいよ30%台を記録するようになりました。さらに衝撃だったのは10月14日に発表された「リアルメーター」という調査会社の数字です。他の世論調査よりも10%近く良い数字がでるため、明らかに政権寄りだと見られているこのリアルメーターですが、この日に出した支持率が41.4%まで低下していたのです。

 この41.4%という数字は、文在寅が大統領選で獲得した得票率である41.1%という数字に肉薄するものです。これまでどれだけ支持率が低下しても、自分を大統領に押し上げてくれた支持層の割合は割り込まなかった。その支持層がついに崩壊し始めたという調査結果に、文大統領は衝撃を受けたのでしょう。

 加えて、「反・文在寅」デモも大きく影響しています。保守派のデモとして「過去最大」と言われる数十万人を集めた10月3日のデモをはじめ、あの勢いは尋常でない勢いです。これから曺国の妻の裁判も始まりますし、捜査も続いていく状況下では、保守派の勢いは増すばかりだと考えたのでしょう。

国会からの監査から逃げた?

 もう一つは、曺国自身に差し迫った国政監査です。多数の現地メディアが指摘していますが、私もこれが最大の原因だと思います。

 明日10月15日、法務部に対して「国監」と呼ばれる、国会議員が政府機関に対して行う監査があります。ここでの発言は国会の長官任命の聴聞会と同様、嘘を言うと偽証罪に問われます。

 前回の聴聞会での曺国の発言は、「私は関与していません」など、あいまいなものが多く、一部は完全に嘘だったことがわかってきています。この時点でも厳密にいえば偽証罪が成立するのですが、明日以降の国監で、「前回こう発言しているが、これを説明してくれ」と言われた瞬間に、何も言い返せず、すべてが詰んでしまう。この事態を避けたかったのだと思います。

来年4月の総選挙に出馬?

 今後の曺国については、現地テレビの司会者が生放送中に指摘していましたが、曺国本人が来年4月の総選挙に立候補する可能性もあります。

 もともと今年の4月頃から与党内部で「釜山地域で出馬すべきだ」という声が上がっていました。釜山は彼の出身地で、市長は与党の人が務めているものの再選は厳しいといわれるほど、与党の人気が落ちている地域です。前回の選挙では与党が躍進したのですが、昔から保守が強い地域だけに、最近の文政権の支持率下落から考えると、来年の総選挙では与党の「苦戦」が予想されます。そこに大衆的な人気が高い彼を出馬させるべきだという動きがあったのです。

 とはいえ、現実的には立候補は難しいと思います。本人を含む一族の不正疑惑、今回の辞任で彼に対する世間の目はもっと厳しくなりそうで、出馬するとしても大苦戦が予想されるからです。

 今回の辞任を受けて、現在、大統領首席補佐官の会議が数時間延期になるなど、現地の状況は流動的です。

 ただ、もともと与党内部からも「曺国の辞任を待つのではなく、大統領が率先して首を切るべきだ」という声もあったのも事実です。右腕を失った文大統領は14日、「結果的に国民の間に対立をもたらした点に対して非常に申し訳なく思う」などとコメントしましたが、今日明日の世論の動向や報道を見て、政権の方針や対応は変わってくるはずです。日本への姿勢が変わる可能性もゼロではないと思います。

(「週刊文春デジタル」編集部/週刊文春デジタル)

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