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政争の具に利用される「台風19号」

■台風19号が生んだ「言葉刈り」

 「史上最強の台風」と予報されていた台風19号が日本列島を通過した。現状、40名の被害者(死亡者)を出したと伝えられている。
 今回の台風19号は、かつて5000人近い死者を出した「伊勢湾台風」の再来と言われ、60年ぶりの大型台風になると予報されていたので、その事前の被害予想からすれば、被害は小さかったとは言える。
 しかし、その言い方を少し間違えたことで、またぞろ「言葉狩り」が発生してしまったようだ。

 自民党の二階幹事長が、今回の台風被害について以下のようにコメントしたことで批判されている。

 「予測に比べると、まずまずで収まったという感じだ。

 今回の二階氏の発言を正当なものだと擁護するつもりはないのだが、かといって、「人命軽視だ!」とする批判に素直に同意するのは、あまりにも短絡的過ぎるような気もする。

 二階氏の発言の是非はともかく、台風の被害規模が想定よりもずっと低かったことは事実である。その伝え方を間違ってしまったというのが二階氏のミスであり、人命を軽視しているかどうかまでは、この台詞だけでは判らない。

■台風19号を政争の具にする愚かさ

 台風が上陸する3日も前からあれだけ大々的に命の危機を訴えていたマスコミ報道を観ていた人なら、誰もが「思っていたより被害が少なかった」と思ったと思う。

 では、二階氏はどう言うべきだったのか?

 「予測に比べると、幸いにも被害は少なかったという感じだ。

 こう言えば良かったのだろうか? 答えはノーだろう。おそらく、こう言っていたとしても、「被害が少なかったとは何事か!」と批判されていたと思う。

 では、どう言えば、批判されずに済んだのか?

 「被害は予測以下でしたが、人命が失われたことには違いがありませんので残念です。

 無難にこう言っていれば、おそらくバッシングは免れたと思う。しかし、毎度毎度、ヘタなコメントをすることで政治家の命を擦り減らす危険性が伴うのであれば、もういっそのこと、ノーコメントにすればよいのではないかと思う。

 それでも、「人が死んでいるのにノーコメントとは何事か!」と批判されるのだろうけれど…。

 冗談は於いておいて、多くの被害者が出ている台風被害を政争の具にするのは止めていただきたい。言葉遣い云々よりも、他人の不幸を政争の具にすることの方が大きな問題であり、被害者に対する冒涜だと言える。

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