- 2019年10月14日 09:47
Q 妻が夫のDVをでっち上げて面会させないし、裁判所や警察も無批判にそれに従い、結果として面会交流ができていないという現実をどのように考えますか。
Q 妻が夫のDVをでっち上げて面会させないし、裁判所や警察も無批判にそれに従い、結果として面会交流ができていないという現実をどのように考えますか。
A 妻であろうと夫であろうとDVの主張がでっち上げであればもちろん問題ですし、そういった事件があることも承知しています。
その場合、面会交流が実施されないし、裁判所も面会交流を命じることには消極になります。住民票の閲覧制限も掛かります。
もっとも、家庭裁判所では、DVは夫婦間の問題であって子には関係がないとして面会交流を監護親側に要求する場合がありますが、これは非常に問題だと思っています。
それはともかく、離婚後の共同親権の導入を主張する側は、こうした妻側のDVでっち上げなども離婚後の共同親権導入の根拠にあげることがあります。
この主張は正しいのでしょうか。
問題になるのは2つパターンです。
1つのパターンは、本当にでっち上げなのかどうかです。DV事件では客観証拠がない限り、暴力を振るった側はその暴力行為を否定することが多くあります。そうなるとDVを主張する側は、種々の根拠を示す必要性が出てきますが、DV事件は暴力が伴うものであっても客観証拠がない場合もあります。自ら病院で受診していない場合などがその典型で暴力の事実を客観証拠によって「立証」できない場合です。
両者の主張が食い違う場合と言えますが、夫側はこの場合もでっち上げと主張しますが、これはでっち上げでも何でもなく、裁判所がどのように判断するのかは裁判所の調査に基づく心証によって決せられます。

もう1つパターンは、妻側によるDVでっち上げられている場合です。客観証拠となるものも偽造(診断書そのものの偽造は困難ですが、無関係に負った傷をDVによるものという申告は可能です)している場合が多いと思われます。あるいはわざと夫を挑発してそのやり取りの中で有利な部分のみを録音するなどです。
しかし、このような証拠の捏造などはどのような事案処理でもあり得るものです。離婚後の共同親権を認めたからといって解決する問題ではありません。少なくとも離婚後の共同親権を認めることを要求している人たちでも真実、DVだったら例外的に単独親権とすると考えているわけですから、それがでっち上げであっても裁判所がそのでっち上げを見抜けず、そのDVを前提に考えるのであれば離婚後の共同親権制度を導入しようともその例外として処理されることにならざるを得ません。
例外としての単独親権を絶対に認めない、離婚後の共同親権に例外を認めないという見解もあるのかもしれませんが、それはさらに危うい考え方です。
なお、近時、DVがでっち上げであるとして、警察が応じたのは違法であるとして損害賠償請求を行った国賠訴訟で最高裁は訴えを退けています(2019年9月19日)。
DV被害を訴える被害には生命への安全が掛かっていますから、有罪立証のような厳密な根拠を求めていたら守れる生命も守れなくなってしまいます。妥当な判決です。
いずれにせよ離婚後の共同親権制度の導入によって解決できる問題ではありません。



