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【読書感想】『週プロ』黄金期 熱狂とその正体 活字プロレスとは何だったのか?

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 この本では、ターザン山本編集長時代の『週プロ』だけでなく、その前後の時代、とくに、「ターザン後」の『週プロ』についても、丁寧に取材して書かれていました。
 曹操も孔明もいなくなった『三国志』みたいなイメージだったのですが、活字の雑誌全般がインターネットに押され、部数も低迷していくなかで、どのように誌面を変え、生き残りを図ってきたかというのは、興味深い内容だったのです。
 
 「その後」の『週プロ』を長年支えてきた鈴木健さんは、こう語っておられます。

鈴木健:結局、手柄は山本さんの時代になっちゃうんですよね。あの頃の『週プロ』はよかったってよく言われるんですけど、ずっといた人間としては心外で。そんなものは時代も違うし、団体との関係性も違うのに、それを横一線で並べられても困るんだよっていう話であって。

 今の人たちは今の人たちでベストを尽くしているわけだから、それをいちばん売れている時と比較して「あの頃のほうがよかった」っていうのは、それはないだろうって思いますね。雑誌っていうのは作る人間と時代によって変わっていくのが当たり前。だから僕は今の『週プロ』も読んでほしいですよ。

 「あの頃のほうが面白かった」というひと言で片づけられると、本当に彼らは報われないんで。それこそ現在も『週プロ』が続いているだけでもすごいことなんですから。

 僕はこの本を読むまで、『週プロ』がまだ続いていることすら知らなかったのです。
 にもかかわらず、「あの頃の『週プロ』は面白かった」って、ずっと思っていました。
 『ドラえもん』で、「やっぱりドラえもんの声は大山のぶ代じゃなきゃ!」って言いながら、『ドラえもん』を10年以上みていない大人と同じですよね。
 今の状況を確認しようともせずに「あの頃」ばかりを美化する人は多いのです。
 
 僕も久々に『週プロ』を読んでみよう、と思いました。
 僕自身のプロレスに対する情熱が昔ほどではない、というのは、否定しようのない事実ではあるのですが。

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