記事

Q 離婚後の親権は、連れ去った側に有利な運用になっていませんか。

Q 離婚後の親権は、連れ去った側に有利な運用になっていませんか。

 離婚にあたって、競技の段階であっても当事者が別居に至ることは普通ですが、その際、特に母側が子を連れて別居することが多くあります。

 母側が子を連れて家を出ることをもって「連れ去り」であると言い、その連れ去った側が親権者に指定される運用を家庭裁判所は行っているという主張です。「連れ去ったもん勝ち」ではないかというのです。

 特に妻側の別居の実行は、夫が会社に行っている間になされることも多く、夫側にしてみると家に帰ったら誰もいない、妻が子を連れ去ったと主張するわけですが、それまで離婚の話など全くないなかった場合には寝耳に水という具合です。

 家裁では、「監護の継続性」を前提にしていることから、連れて行った方が既成事実を作り、その「監護の継続性」により妻が親権者に指定されるというのですが、現実の離婚訴訟で妻側に親権が指定されるため、離婚後の共同親権を主張する人たちは裁判所は既成事実を追認するだけだとしてこれをもって、「連れ去ったもん勝ち」だとか犯罪だと主張しているのです。

 しかし、家庭裁判所は、妻が子を夫の承諾を得ないで連れて出たというだけをもって親権者を指定するような判断(運用)はしていません。

 一番、重要なのは、別居時までにどちら主に監護をしてきたかです。それが監護の継続性です。別居に至った事情や子の年齢などが加味され、判断されます。

 別居にあたって子を連れ出した、その後、監護を継続したという既成事実だけで親権者の指定をするような単純な判断はしておらず、「連れ去ったもん勝ち」というのは明らかに誤解なのです。弁護士の中にも一緒になってそうした誤解を振りまくのは大いに問題です。

 別居前からの監護の継続という説明するのですが、多くの「連れ去ったもん勝ち」の論者には全く理解されません。連れて行った方が勝ちなんでしょ、というように聞く耳が持たれないのは困ったものです。

 監護の継続性とは、赤の矢印のことで青の矢印ではありません。

監護継続
 この点が一番重要で別居時に「連れ去ったもん勝ち」という主張に対し、第三者が単純に首肯してしまっている現状は極めて危険です。裁判所の運用を正確に理解しなければ、誤った立法(離婚後の共同親権)がなされかねません。

 ところで、「連れ去り」の主張の背景には、別居時まで自分も監護してきたんだとい思いがあるようです。

 しかし、そうした認識には夫婦間で「ずれ」があることが多く、実際にどの程度の監護をしてきたのかも問われるところであり、夫が外に働きに行っているのであれば現実には妻が育児を見てきたということになりますし、乳飲み子であればなおさら妻が監護している場合がほとんどでしょう。

 そうした実態を踏まえれば監護の継続という観点からいえば母親が別居にあたっても監護を継続するのが当然といえます。

 父親が普段、監護もしていないのに別居にあたって連れ出したとしても親権者に指定されることはありません。

 監護してきた妻が子を連れて別居したとしても、それをもって警察が犯罪として捜査・立件するはずもなく、「連れ去ったもん勝ち」の論者が故意に監護の継続の意味をすり替えているのか、本気で思い込んでいるのかはともかく、監護の継続性の意味を正確に理解することが重要です。

あわせて読みたい

「親権」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    玉木氏 森議員の情報漏えい謝罪

    玉木雄一郎

  2. 2

    安倍首相 GSOMIA破棄凍結で会見

    AbemaTIMES

  3. 3

    ケンタッキー「安い」で劇的回復

    PRESIDENT Online

  4. 4

    夜景撮影 一眼レフよりiPhone11?

    かさこ

  5. 5

    不振のいきステに今行くべき理由

    内藤忍

  6. 6

    「表現の自由」異論否定の根拠に

    島村優

  7. 7

    経産省 韓国のWTO提訴中断を評価

    AbemaTIMES

  8. 8

    支持せぬ人は敵 安倍首相の発想

    PRESIDENT Online

  9. 9

    壇蜜結婚に「ロス」連呼はやめよ

    常見陽平

  10. 10

    河野防相 GSOMIA破棄凍結で会見

    AbemaTIMES

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。