- 2019年10月11日 08:05
【人権よりカネか、批判受けるNBA】
NBAアメリカプロバスケットボールのHouston RocketsのGM(ゼネラルマネージャー)のダリル・モレーがツイッターに香港の抗議活動を支持する投稿。上海で10日、プレシーズンマッチは予定通り行われたものの、放映はされず。
中国を代表するバスケットボール選手のYao Mingが2002年から2009年まで所属したチームだったことがよりニュースを大きくしているようです。
香港をめぐってはアップルやゲームソフトメーカーのActivism Blizzardもトラブルに巻き込まれ、中国から批判されると同時にアメリカ国内からも人権よりもカネを重視していると批判されています。
Washington Postは、10日のLos Angeles LakersとBrooklyn Netsのプレシーズンマッチに先立って、コーチや選手がメディアと接触することを認めず、Houston RocketsのGMによる香港の抗議活動を支持するツイート以降に高まっているNBAと中国の緊張に拍車をかけていると報じています。
プレシーズンマッチは予定通り行われましたが、中国のCCTVが8日に放映をしないことを発表し中国国内のテレビでは見られなかったということです。
また、NBAのアダム・シルバー コミッショナーの記者会見も行われず、先週木曜日のツイートで始まった混乱が続いているとしています。シルバー氏は、8日に東京で行われた記者会見で「表現の自由を行使したモレーGMに代わって謝罪することはない」と述べGMを擁護したということです。
WSJは、モレーGMのツイートが中国政府の怒りを買い、NBAにとってもっともドル箱の中国で予定されていたファンイベントが急遽中止となり、NBAの広告も撤去されたと伝えています。
NBAコミッショナーのみならず、世界的なスーパースターのLeBron James選手の取材を受ける機会を得られなかったとしています。これは、NBA側が謝罪を拒否したためだということです。
本来であれば▼中国でも人気のLeBron
JamaesのLos Angles Lakersと▼アリババの共同創業者で億万長者のJoseph Tsaiが取得したNew York Metsによる純粋なエンタメのはずだったそうです。
CNBCは、Chinese anger over Hong Kong ensnared 3 big US businesses this week – and critics say they bent to Beijing(香港をめぐる中国の怒りは、今週アメリカの大手3社を惑わせる~中国に屈したと批判も)の中で、NBAのほか、アップルとゲームソフトメーカーのActivism Blizzardが香港の抗議活動をめぐり対応を迫られたと伝えています。
NBAのHouston RocketsのGMが6日、香港の抗議活動を支持する投稿をし、直ちに削除されたものの時すでに遅く、NBAはまず「中国の友人やファンの気分を害するもので遺憾だ」という声明を英語で出しましたが、中国語による声明では「(GMの発信が)不適切で失望した」とGMに対してより強硬ないいぶりだったということです。
これにはアメリカ議会の上院議員がカネのために人権をないがしろにしたと反発。
NBAは今度は「表現の自由を行使するという意味では支持している」と主張したことから中国からの批判が高まり、中国国営のCCTVは「国家の主権と社会の安定を脅かす発言は言論の自由の範囲を逸脱する」としてNBAのプレ試合の放送をしないと発表。試合をストリーミングするTencentも追随しました。
ゲームソフトメーカーのActivism Blizzardは、マスクとゴーグルをして「香港に自由を」などと叫んだゲーマーの試合後インタビューを関連会社がストリーミングしたあと、このゲーマーを出場停止にしたということです。やはりアメリカの上院議員が反発。
そして、アップルは香港の抗議活動に参加している人たちが警察の動きをトラッキングできるアプリが中国の国営メディアに批判されたことで9日アプリを削除したということです。
これについてNew York Timesは「アップルほど中国でのビジネスが影響を受けるグローバル企業はない。ほぼすべての製品を中国で生産し、アメリカとヨーロッパに次ぐ市場だ」としています。
さらに、クックCEOについては、「アメリカでは銃規制、移民など政治的な争点について話すものの、香港での衝突を含めて中国政治についてはおおむね沈黙を保っている」とちくりと指摘しています。
こちらのアニメSouth Parkの中国検閲版も話題です。