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災害への備え・・なぜ『東京防災』を作ったか

 超大型の台風19号が接近している。私も今日、植木鉢などを片付けたが、被害を少なくするために、できるだけの対策を講じておきたい。

 災害はいつ発生するか分からない。それだけに日頃からの備えが必要である。研究者の予測によると、東京で、30年以内にマグニチュード7クラスの地震が起こる確率は70%という。

 私は、若い頃、スイスで勉強していたが、この国では、さすがに危機管理体制が完備している。 

 たとえば、高速道路はなるべく直線にし、中央分離帯を着脱可能なものとする。それは、一朝有事のときに、滑走路として使うためであり、実際に住民が中央分離帯を取り外し、両側の車線をフルに使った臨時滑走路を作る。

 これに対して、日本の高速道路はなるべくカーブを多く作るようにしている。それは、居眠り防止という交通安全上の配慮からであるが、そこには安全保障や防災という危機管理的な発想は全く無い。

 また、スイスのパンは世界一まずいという。それは、とりたての小麦は備蓄に回し、備蓄していた古い小麦を使ってパンにするからだ。

 スイスでは、その備蓄も含めて、戦争や災害に備えるためのマニュアルが、政府によって全世帯に配備されている。『民間防衛』という本であるが、これは邦訳も出ており、コンパクトながら、有事の際の行動規範から、日常生活での危険回避方法まで、具体的に細かく記されている。

 このスイスの例を参考にして、都知事のとき、一家に一冊常備するために、完全東京仕様の防災ブック『東京防災』を完成させ、都内の全世帯に配布した。この本には、避難経路の確認や家族の情報を書き込める「東京防災オリジナルMAP」も一緒に付けてある。

 この本を参考に、避難先の確認、防火防災訓練への参加、家具類の転倒防止、非常用持ち出し袋の用意、災害情報サービスへの登録、日常備蓄の開始などが必要だ。日常備蓄について言うと、災害時にライフラインが寸断される事態への備えである。

 ライフラインの機能を95%回復させるのに、電力で7日、通信で14日、上下水道で30日、都市ガスで60日かかる。そのため、商品の流通に支障が出て、生活必需品が入手困難となる。そのような状況の下、自宅が無事だった人は、そのまま自宅に留まって生活することが想定される。そのため、食料品や生活必需品を自宅に備蓄しておく必要がある。

 まさに、「備えあれば憂いなし」である。防災訓練も9月1日のみではなく、春夏秋冬、どの季節でも対応できるように、年に4回行うことにした。知事以下、都庁が防災に熱心すぎるということはない。 

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