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日本でも「代表制民主主義を機能させる改革」 に取り組む必要性で一致

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 言論NPOは10月3日、日本の民主主義の改革に向けた提案に取り組むことを決め、第1弾となる公開フォーラムを、東京大学大学院の内山融教授や北海道大学の吉田徹教授ら4人の政治学者の参加で実施しました。議論では、現在、市民の信頼を失い始めている代表制民主主義の仕組みを強く機能させるため、国会や選挙、政党のあり方を中心とした民主主義のシステム改革に取り組む必要性で一致しました。

 フォーラムは二部構成で行われ、第一部では、言論NPOが今年7月に実施した「日本の民主主義に対する世論調査」の結果を踏まえ、日本の民主主義の診断を多方面から行いました。議論には内山氏に加え、北海道大学の吉田徹教授、津田塾大学の網谷龍介教授、立正大学の早川誠教授が参加しました。

 それを受けた第二部では、日本の民主主義の状況や将来をどう見ているのか、自民党の山下氏に加え、国民民主党政調会長の泉健太氏、そして立憲民主党参院議員の牧山弘恵氏と意見交換しました。





 まず、司会を務めた言論NPO代表の工藤泰志は、「言論NPOは創立以来『市民が強くならなければ民主主義は機能しない』という思いから様々な議論を展開し、近年では世界のシンクタンクとも連携して各国の民主主義の状況を調査してきた。その結果、『代表制民主主義が市民の信頼を失っている』という問題意識にたどり着いた」と説明。

 そして、言論NPOの世論調査では「政党」や「国会」を支持する国民が2割にとどまっていることや、政治家を自分たちの代表と思っていない国民が多いこと、さらに、急速に進む少子高齢化や人口減少、地方の将来に国民の不安が高まる中、こうした日本が直面する課題解決を政党に期待できないと答える人が6割に上っていることを説明。さらに、政治不信の傾向は特に若い層で顕著だとし、「政治は固定された支持層の既得権益をベースに行われ、課題解決からますます遠ざかるという悪循環になっている。これは、国民が国会における代表者を通じて行動するという、憲法で定められた統治構造の原則が揺らいでいることを意味する」と語り、この状況をどう見ればいいのかと問題提起しました。

代表制民主主義への不信は世界的な現象



 これに対して、東京大学の内山融教授は、現在の日本の政治自体が、日本が直面する課題に取り組む点で、期待を失っているだけではなく、自分たちの代表としても期待できないという二つの次元が言論NPOの調査結果に表れているとし、「民主主義は選択肢を選ぶものだが、選択肢が選べないことが政治への不信を高めている」と強調しました。


 北海道大学の吉田徹教授は、日本の政党が議員政党であることを指摘し、有権者の政治家へ不信が、政治不信に繋がっていること、さらに政治家と有権者をつなぐ労働組合や農協、経済団体などの中間団体の衰退や、これまで代表制民主主義が機能していたのは経済成長などの限られた時期であり、「こうした恵まれた条件がなくなってきた中で政治家がその存在感を出せなくなっている」ことを指摘しました。


 津田塾大学の網谷龍介教授は、現在の政治不信が日本の固有の問題なのか、世界的に代表制民主主義が信頼を失っていることとどう関係があるのか、それを丁寧に考えないと間違った答えを出しかねない、とした上で、政党が世界で成功したというのは限られた時期の話であること、さらに日本の若者にはパブリックマインドはあるが、それが政治の期待に結びついていない、これらを単純に政治不信と片付けるわけにはいかない、と提起しました。


 立正大学の早川誠教授は、代表制民主主義自体の機能不全に対する指摘は、90年代から既に存在していたと指摘。「グローバル化や民意の多様化で争点構造が複雑化し、パッケージ化されたいくつかの政党、という枠組みでは意見集約が難しくなってきていた」と当時の議論を振り返り、「それは特定の政党や政治家の努力では解決できない問題だが、にもかかわらず、90年代の日本の政治改革の議論が『政治家不信』のような議論に収斂してしまったこと自体が不幸だとし、「30年間、十分な議論を尽くさないまま過ごしてしまったことが今の大きな問題を招いている」と話しました。

 これらの発言を受けて、工藤は、日本の民主主義を分析する前に、世界の民主主義が壊れ始めていることに目を向けたいとし、世界の民主主義はどのような方向に向かっているのか、問いました。

 吉田氏は、欧州に広がる既成政党の凋落、という現実に目を向け、90年代の冷戦後に、社会民主党が経済的な自由主義の傾向を強め、保守政党も社会的なリベラルになることで、大きな隙間が生まれ、ポピュリズムが侵食する構造となり、長期的な規制政党の凋落を招いている、と解説。網谷氏は、欧米は個人の国ではなく集団間のバランスを取ることで政治や制度の仕組みができていた、との議論を展開し、その集団の代表としての政党が機能していたのはそのためだが、集団的なものがその後、解体する中で、政党の機能が弱くなり、今では不人気なことを行うと支持がどこまで落ちるか、分からない状況にまでになった、と話しました。
 
 また、内山氏は政党政治が機能していたのは戦後の数十年という例外性に言及し、「右肩上がりの経済のもとでは、自由貿易と福祉国家の両立が可能だったが、70年代のオイルショック後の経済成長の停滞、さらにその後のグローバル化の中で、各国とも取りうる政策の選択肢が絞られてきた。既成政党はどこも似たような政策となり、そこに自分たちの民意が反映されないと感じた有権者の閉塞感が2010年代以降、エスタブリッシュメントへの反発として爆発している」と分析しました。


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