記事

米8月貿易赤字は予想超えも、中国の大豆輸入を増加中

1/2

Trade Deficit Edges Up, Bu China Continues Buying Soybeans.

米8月貿易収支は548.96億ドルの赤字となり、市場予想の545億ドルを小幅に上回った。前月の540.35億ドル(539.9億ドルから修正)から1.6%増加しつつ、足元のレンジ内にとどまる。原油関連を除く貿易赤字も548.96億ドルと、前月の540.35億ドル(修正値)を上回った。

5月に米中通商協議が物別れに終わり、トランプ政権は約2,000億ドル相当の中国製品に対する追加関税の税率を10%から25%へ引き上げ、同13日には第4弾の追加関税として残り約3,000億ドル相当の中国製品に対し25%の追加関税を発動する方針を表明。さらに同20日にはファーウェイなど安全保障上の脅威となる企業に対し禁輸措置を講じた。6月末の米中首脳会談では、第4弾の追加関税措置の無期延期で合意するなど、雪解けの様相を呈したが、7月30日に上海で開催された米中通商協議を経て、トランプ大統領は8月1日に第4弾を9月1日に実施すると発言。

8月23日には、中国が約700億ドルの米国製品に5~10%の追加関税を9月1日から発動すると表明した。同日、トランプ政権は約2,500億ドル相当(第1~3弾)の税率を25%→30%、第4弾の税率を10%→15%へ引き上げる方針を発表し、米中貿易摩擦が苛烈さを増す状況だ。ただし、9月4日に米中通商協議が10月初旬に開催されると中国政府が発表、足元で決裂への懸念は後退しつつある。

内訳をみると、輸出が0.2%増の2,078.66億ドルと2ヵ月連続で増加した。輸入は0.5%増の2,627.63億ドルと、3ヵ月ぶりに増加に転じた。

国内総生産(GDP)の算出に使用されるインフレを除いた実質ベースのモノの貿易赤字は856.61億ドルと、前月の853.56億ドル(修正値)を上回った

輸入の伸びが輸出を上回り、実質ベースのモノの貿易赤字は拡大。

(作成:My Big Apple NY)

当該単月の輸出の内訳をみると、モノは前月比0.3%増と前月の0.9%増を含め2ヵ月連続で増加した。サービスを含めた6大項目別では、6~7月の3項目から4項目に増加した。資本財と自動車が2ヵ月連続で増加したほか、食品・飲料と産業財が増加に転じた。逆に、資本財と産業財は減少した。モノの輸出項目別動向は、以下の通り。

(増加項目)

・食品/飲料 4.1%増>前月は1.8%減、5ヵ月ぶりに減少
→金額ベースでの増加が最大だったのは中国の大規模購入に支えられ大豆で前月比9.7%増、そのほか小麦が17.4%増、魚・甲殻類が13.4%増だった。

・産業財 3.4%増、増加に反転>前月は3.9%減
→燃料が33.5%増、非貨幣用金が26.6%増、石油製品が7.2%増となった。

・自動車 2.7%増、2ヵ月連続で増加>前月は4.6%増
→トラック・バスが19.8%増、エンジン・エンジン部品が2.0%増となった。

・サービス 0.1%増、3ヵ月ぶりに増加>前月は0.2%減
→旅行が0.2%増だったほか、その他ビジネス・サービスが0.4%増となった。

(減少項目)

・消費財 4.8%減、減少に反転<前月は9.6%増
→医薬品が13.9%減、芸術・骨董品・切手が24.1%減、ダイヤモンド宝飾品が8.1%減となった。

・資本財 3.1%減、減少に反転<前月は1.9%増
→民間航空機が32.9%減、掘削・油田向け機器が74.4%減、鉄道・輸送機器が18.2%減となった。

輸入の内訳をみると、モノは0.6%増と3ヵ月ぶりに増加に転じた。原油価格が50ドル台を中心に推移するなか、量ベースでのエネルギー関連輸入が7.4%減と減少に反転している。前年比では16.1%減と、少なくとも5ヵ月連続で減少した。金額ベースでは、下落に転じた。エネルギー製品を除いたモノの輸入は前月比で1.2%増と、3ヵ月ぶりに増加した。5大項目別では2項目で増加し、前月の4項目から減少。今回は消費財が2ヵ月連続で増加したほか、資本財が3ヵ月ぶりに増加した。その半面、自動車と産業財、食品・飲料がそろって減少に転じた。項目別動向は、以下の通り。

(増加項目)

・消費財 1.1%増、前月から増加に反転>1.6%減
→金額ベースで増加幅が最大だったのは携帯電話・家庭用品で13.3%増となり、9月販売の新型iPhoneに絡んで増加した可能性がある。その他、医薬品が2.5%増、芸術・骨董品・切手が24.4%増となった。

・資本財 2.6%減、2ヵ月連続で減少<前月は0.6%減、減少に反転
→半導体が19.0%増、産業機器が7.0%増、通信機器が4.0%増となった。

(減少項目)

・産業材 2.0%増、前月から増加に反転>前月は6.9%減
→石油製品が19.5%減、原油が5.2%減、鉄鋼・製鋼が21.2%減となった。

・食品/飲料 0.6%増、前月から増加に反転>0.7%減
→果物・冷凍ジュースが8.6%減、ワイン・ビール・関連品が5.7%減、食用油・油種が11.4%減となった。

・自動車 0.3%増、前月から増加に反転>1.8%減
→乗用車が5.1%減、トラック・バスが0.6%減となった。

国別でのモノの貿易収支動向を前月比でみると、中国への赤字は前月比3.1%減の317.57億ドルと6ヵ月ぶりの高水準だった前月から減少に転じた。日本への赤字は1.4%減の62.45億ドルと、日米貿易交渉が8月末のG7首脳会談で合意に結び付くなかで縮小。欧州全体への赤字額は、WTOがエアバスの補助金に対する報復関税を承認する2ヵ月前、過去最高を更新した前月から20.9%減の189.80億ドルとなった。ジョンソン英首相就任で関係強化が目される英国への貿易収支は7.0億ドルの黒字となり、3ヵ月ぶりに赤字に転じた。前月から黒字へ戻した。

あわせて読みたい

「アメリカ経済」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    グレタさんを中年男性が嫌うワケ

    木村正人

  2. 2

    矢沢永吉に苦情 不謹慎探す社会

    常見陽平

  3. 3

    張本氏の放言を許さぬ風潮に疑問

    中川 淳一郎

  4. 4

    萌えキャラで献血PRは問題あるか

    中村ゆきつぐ

  5. 5

    荒れた日韓関係と無縁のラグビー

    新潮社フォーサイト

  6. 6

    河野氏 荒川氾濫なら500万人影響

    河野太郎

  7. 7

    元SMAP干されるテレビ業界の実態

    笹川陽平

  8. 8

    体に悪い? 意外なファストフード

    諌山裕

  9. 9

    高尾山の台風被害 迷惑登山客も

    清水駿貴

  10. 10

    イジメ教師 後輩に性行為強要か

    文春オンライン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。