記事

消費税アップで家賃も上昇…詐欺まがいの「賃上げ」手口が横行中

 10月から始まった消費税の増税。飲食店やコンビニ店での混乱はようやく落ち着きを見せてきたが、今度は不動産業界で、増税に便乗した詐欺まがいの「賃上げ」手口が登場しているという。

 9月末、NPO法人「賃貸トラブルたすけ隊」担当者のもとに、ある相談が舞い込んできた。賃貸で暮らしていた家に、管理業者から「消費税増税に伴う賃料等の改定について」というタイトルの通知文が届いたという。

《令和元年10月1日からの消費税の税率が変更し、現行の8%から10%に引き上げられることとなりましたので、弊社の対応は下記の通りとさせて頂きます。つきましては、誠に恐縮ではございますが、下記の通り賃料等費用を改定させて頂きたいと存じます。(中略)

 原則、令和元年9月30日までの賃料等については旧税率(8%)、令和元年10月1日以降の賃料等については新税率(10%)が適用されます》

 一見すると、特に問題がない文面のように思えるが、この担当者は「いや、騙されないでください」と語る。

「そもそも、家賃・共益費・管理費は、生活の基盤となる費用のため、『非課税』なんです。これは国税庁のサイトにも書いてあることです。そのため『増税だから消費税分を賃上げします』というのは間違いなんですよ」(担当者)

 業者からの通知文には、他にも法律的に3つの問題点があるという。

◯業者は賃上げを請求できるが、強制はできない
(借地借家法第32条)
◯賃上げのためには、業者と借主の間で協議をしないといけない。協議がうまくいかなくても、強制はできない
(国土交通省・賃貸住宅標準契約書第4条3)
◯消費者の利益を一方的に害するものは無効
(消費者契約法第10条)

 つまり、この通知文は、根拠のない賃上げだけでなく、一方的に賃上げを通知しているという二重の問題があるのだ。

「賃上げには、必ず双方の同意が必要です。そのため、相手側が『増税で経費が増えたから、家賃増額に応じてもらえませんか?』とお願いするのが正しいやり方。

 協議の上でまとまらない場合は、裁判所に判断してもらわなければなりません。相手側が勝手に判断することではないんです」(同)

 知らなければ、しぶしぶ家賃を払ってしまいそうな巧妙な手口だ。

 では、業者から不当な賃上げを要求された場合、どのように対応をすればいいのか。

「適当なことを言われたり、脅されたりしないよう、電話ではなくメールで問い合わせしてください。メールなら文面が残りますから。

 一度支払いをしてしまうと、『同意したから払ったんでしょ?』と言われてしまうケースが多い。最初に同意していないことをはっきり示すことが大事です」(同)

あわせて読みたい

「消費増税」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    【読書感想】ロシアを決して信じるな

    fujipon

    02月25日 10:14

  2. 2

    迷走続ける菅政権 首相を苦しめる「成り上がり」のジレンマ

    御田寺圭

    02月25日 10:59

  3. 3

    10万円給付金問題 立憲民主党も非課税世帯中心に限定給付案をまとめる これでは政権奪取は無理だ

    藤田孝典

    02月25日 13:53

  4. 4

    ワクチン確保に慌てる必要なし 政府批判は動きを非効率化させる危険も

    中村ゆきつぐ

    02月25日 07:19

  5. 5

    犬や猫の店頭販売やペットのネット販売禁止へ 動物愛好国フランスの"一歩"

    BLOGOS編集部

    02月25日 07:06

  6. 6

    「日本資本主義の父」渋沢栄一が現代の首相たちを見たらどう思うのか

    毒蝮三太夫

    02月25日 06:33

  7. 7

    Go Toトラベル、再開是か非か

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

    02月25日 10:18

  8. 8

    【119カ月目の新地町はいま】災害ごみ仮置き場に響く「五輪どころじゃない!」の叫び 10年目の大地震で聖火リレーコースも損傷

    鈴木博喜 (「民の声新聞」発行人)

    02月24日 09:28

  9. 9

    2020年代の産業革命

    ヒロ

    02月25日 10:48

  10. 10

    ビートたけしが若者に「スマホを手放す勇気を持て」と語る理由

    NEWSポストセブン

    02月24日 17:00

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。