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神戸の教師間いじめ問題を子どもたちの"反面教師"に ~ビジネスパーソンの言語学65

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最近、説明や謝罪時の、違和感のある言葉遣いが話題になりがちだ。当コラムでは、実際の発言を例にとり、公私の場で失敗しない言葉の用い方を考える。ビジネスパーソンのための実践言語学講座65、いざ開講!

「いじめるつもりはなかった。エスカレートした」―――神戸市の小学校での教師間のいじめ問題について、加害者教師が弁明

まさか教師からその言葉を聞くことになるとは思わなかった。「いじめるつもりはなかった」「ふざけているだけだった」「(いじめ被害者も)楽しんでいると思っていた」。過去、いじめ問題が持ち上がるたび、被害者側から発せられてきた言葉だ。

神戸市の東須磨小学校で明らかになった教師間のいじめ問題。30代の男性3人、40代の女性1人の教師グループが20代の同僚男性教師に行っていたいじめの内容は、激辛カレーを無理やり食べさせ動画を撮る、被害者のクルマの上に乗って飛び跳ねる、女性教師にセクハラメールを送らせる、『ハゲ』『ボケ』『カス』、さらにはポンコツを意味する『ポンちゃん』と呼ぶなど、数え上げればキリがない。

「前代未聞の行為で、心からおわびしたい」(長田淳神戸市教育長)

「いじめをしてはいけないと教える側が起こした事案で、委員として無力感を覚える」(神戸市の教育委員)

言うまでもなく、これらは暴行や強要など、社会一般のルールから見れば立派な犯罪だ。そんな加害者教師が「東須磨(小学校)では中心となる人物、リーダーとなるような教員だった」(長田淳神戸市教育長)というから驚く。

リーダー的存在にいじめられる「ポンちゃん」。まさに子どものいじめと同じだ。学校は、社会から隔絶され閉鎖された空間。子どものいじめ問題が深刻化するのは、被害者に逃げ場がなく外部の目がないというのが大きな理由だが、その構図がそのまま“職場”にもちこまれたのだ。「いじめるつもりはなかった」からといって許される問題ではない。

一般企業では、この数年、セクハラやパワハラなどのハラスメント行為に対して厳しく対処するようになってきた。いくら加害者側が「親愛の情を伝えたかった」、「激励のつもりだった」と言っても、被害者がそう感じなければハラスメントと認定される。こういったコンプライアンスの変化は、この神戸市の学校に届いていなかったのだろうか。

今回の件は、学校内の問題とうやむやにせず、きちんと刑事事件として取り扱うべきだろう。加害者教師たちにその罪をつぐなわせ“反面教師”とするのが最良の選択ではないだろうか。そうすることで「ふざけただけのつもり」のいじめがどんな結果につながるかという、メッセージを子どもたちに送ることができるはずだ。

Text=星野三千雄 Photograph=Getty Images

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