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- 2019年10月08日 21:06
銀行口座や信用情報がなくても大丈夫!?小規模農家を救う「金融包摂」。ブロックチェーンを活かして実績を証明
2/2世界で20億人が銀行口座を持っていない。急がれる途上国の金融包摂
世界銀行は、金融サービスの利用に関する2018年度報告書の中で、スマートフォンやインターネットのおかげで「金融包摂*」がすすんでいるものの、世界的にはいまだ20億人近い人々が銀行口座を持っていない。だが、そういった人々の3分の2は携帯電話は所有しているため、それらを活用して金融サービスへのアクセスを促進していけるだろうと述べている。その一方で、依然女性より男性の方が銀行口座を持っている率が高いことも指摘されている。*基本的金融サービスへのアクセスへの問題を解消し、これらのサービスを受けられるようにすること。
農業食品に関するスペインの研究機関「Institute of Agrifood Research and Technology (IRTA) 」の研究者らも、ブロックチェーン技術によって、信用情報を持たない人々が(銀行などの仲介を通さず)金融取引に加われるようになると主張している。

写真:Busani Bafana/IPS
ジンバブエのNyamandlovu地区のトウモロコシ農家。
金融包摂を目指したサービスでアフリカの小規模農家の生産性向上をはかる。
ジンバブエのNyamandlovu地区のトウモロコシ農家。
金融包摂を目指したサービスでアフリカの小規模農家の生産性向上をはかる。
ブロックチェーン技術はとりわけ発展途上国に有効だ。途上国の食料供給の8割方は小規模農家が担っているというのに、彼らは保険や銀行、基本的な金融サービスにほぼアクセスできないでいるのだから。例えば、年金や社会保障給付金、公務員の給与をそれぞれ対象者の口座に直接支払うことで、世界全体で1億人の成人(うち9500万人は発展途上国の人々)が一般的な金融サービスを利用できるようになると世界銀行は試算している。
ブロックチェーンによる農業分野の変革事例と今後の可能性
農業農村技術協力センター(CTA)が発表した2018年度報告書でも、現行プロジェクトからもブロックチェーン技術が農業にもたらす効果が確認されていること、将来的にブロックチェーンが大きな可能性を秘めているという研究者らの見解を紹介している。例えば、オーストラリアの企業「AgriDigital」では、2016年12月より、世界初となるブロックチェーンを活用した穀物販売サービスの提供を開始。今ではユーザー数3,600人を超え、その取引穀物量は853万トン以上、取引額は1,677万豪ドル(約1200億円)と急成長を見せている。
ブロックチェーンのさらなる活用には、さまざまな障害や困難があると懸念する研究者らの声もある。いわく、小規模農家には自分たちでブロックチェーンに投資するほどの専門知識がない、ブロックチェーン自体の認知度が低いためトレーニングを受けられる機会が少ない、また今後は規制の壁ものしかかってくるだろうと。とはいえ、この技術が農家に多くのチャンスをもたらす力を秘めていることも事実だ。
By Busani Bafana
Courtesy of Inter Press Service / INSP.ngo
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