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「生徒間のいじめ」も「教師間のいじめ」も同じ扱いの教育現場

■漫画のような「教師いじめ」の発覚

 神戸市の公立小学校で教師による教師いじめが行われていたことが発覚し、巷では「前代未聞の事件」「教師にあるまじき事件」として騒がれている。

 30代の男性3人と40代の女性1人が、20代の男性1人をいじめていたらしく、スマホで撮影していたという動画が拡散されている。
 まるで漫画のような出来事だが、こういった事件の発覚を目の当たりにすると、漫画の世界だけでなく現実社会の人間も「いじめ」という行為そのものを無くすことができない業の深い生き物なのだということがよく分かる。

 「教育者とは思えない卑劣な行為」というような言葉も見かけたが、教師と言っても、ただ教職員試験をパスしただけの普通の人間に過ぎない。教師になるために聖職者としての儀式を通過するわけでもなく、一般の人間よりも倫理的・道徳的に優れている資格条件を有しているわけでもない。

 今回のいじめ動画を観る限りでは、教師と言うよりも精神年齢の低い子どもを観ているような錯覚を覚えた。あれでは性質(たち)の悪い中学生のいじめっこの姿そのものであり、まるで漫画の『怨み屋本舗』の世界そのまんまと言える。

■未成年と同じ扱いの加害者教師

 しかし疑問に思うのは、なぜ、いじめの被害者だけでなく、加害者の顔や名前まで隠されているのか?ということだ。

 普段、生徒間でいじめ行為があった場合、“未成年”という理由で顔も名前も公表しないことが習わしになっているが、今回の場合は、明らかに成人であり、況してや教師という責任ある立場にいる人間である。自らが犯した罪については責任を持って謝罪することが教職者としての常識ではないのだろうか? そんな覚悟も持たない人間になぜ教師が務まるのだろうか?

 警察官が暴力行為や痴漢行為を行えば、普通は実名で報道される。そんな警官を野放しにしては危険だからというのも1つの理由だ。同じように、いじめを諌めるべき教師がいじめ行為を行ったのであれば、実名報道するべきではないのだろうか? 今回の場合、冤罪である可能性も無いので尚更だ。

 それとも、未成年者と同じように「写真や名前を報道すると教師の将来に傷が付く可能性がある」とでも言うのだろうか?

■「いじめ」は有ってはならないという理想論

 戦後の公教育現場は「聖域」として扱われ、教師はその聖域における聖職者(労働者)という立場にあるとされる。そして、その聖域では「いじめ」というような悪の行為は有ってはならないということになり、皮肉にも、いじめは無くすものでなく、隠すものということが常態化してしまった。要するに、「聖域」における「いじめ」はタブーなのである。

 その証拠に、今回の教師によるいじめ行為も校長が教育委員会に報告していたらしいが、「(いじめ問題は)指導して収まった」と嘘を付いていたことが判明した。
 生徒間のいじめだけでなく、教師間のいじめも同じ扱い(隠蔽)なのであれば、年齢等は全く無関係であり、学校や教育委員会にとっては「いじめ」という行為そのものが有ってはならないものだと疑われても仕方がない。

 「学校」という名の聖域内で「いじめ」は有ってはならないというような、お花畑の理想論が根付き、生徒だけでなく教師にまで「いじめ」行為を為さしめる遠因となっているのだとすれば、その業(罪)はあまりにも深いと言わざるを得ない。

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