- 2019年10月08日 18:05
【衆院本会議】枝野代表、安倍総理の所信表明に対し代表質問
3/3安全保障
【辺野古新基地建設問題】 辺野古新基地問題について、一連の選挙を通じて、県民の民意は明らかすぎるほど明らかになっています。政府は、それを無視し、新基地建設を強行し続けています。
今からでも工事を一旦停止し、沖縄県側と真摯に話し合う気はまったくないのですか。総理のご自身の口から、沖縄県民に対してお答えいただきたいと思います。
イージス・アショアに関する調査では、グーグルアースを用いていたことだけでも信じられないのに、縦横方向の縮尺の違いに気づかず、山との仰角9ヶ所すべてでデータを過大表記するなど、あまりに杜撰で、唖然とするばかりです。
正確な地形の把握は、軍事における基本中の基本。どんなに正面装備を強化しても、地形の把握すらできないのでは、国を守ることなどできません。旧日本軍が兵站を軽視した過ちに通じるものです。
防衛省の杜撰な対応をどう受け止め、どう改善するのか、総理の説明を求めます。
また、このような杜撰な調査もあって、秋田をはじめ地元の反発、反対が強まっています。それでも配備を強行するのでしょうか。総理の見解をお尋ねします。
教員の長時間労働と教育再生
教員の長時間労働がようやく問題視されるようになり、今年1月、中央教育審議会は、変形労働時間制の導入を答申しました。夏休みのような長期休業中などに休日の「まとめ取り」を促し、年単位でつじつまを合わせようとするものです。
しかし、子どもたちには休暇となる期間には、教職員を対象とした研修などが集中しており、時間的余裕はありません。この実態で、中教審の答申レベルにとどまれば、根本的な改善につながらないどころか、逆に長時間労働固定化、拡大しかねません。大幅な業務縮減と定数改善を進め、教員の長時間労働を容認してきた給特法を抜本的に見直すべきです。
教員が、子どもたちと向き合う時間的、精神的ゆとりを持てなければ、多様化する子どもたちを取り巻く環境に対応した、実のある指導が困難です。日本の未来を担う子どもたちの成長に寄り添う教員の多くが、過労死ラインに達してしまっている現状を、早急に解決すべきです。総理の認識をお伺いします。
そもそも、教育予算や人員配置を比較すると、日本の子どもたちの学ぶ環境は、OECD諸国の中で最低水準です。子ども一人当たりの教育予算と教職員配置について、OECD諸国の中で日本が何か国中何位であるか、総理に確認します。
英語民間検定試験
2020年度に始まる大学入試の英語民間検定試験について、混乱が続き、批判が高まっています。
全国高校長協会は、「受験生の不安が解消できていない」として、現状のままなら実施見送りを求める方針を示しました。当事者である高校生へのアンケートなどでも、大方が不安を感じ延期などを求めています。
離島など地方の受験生や、経済状況が厳しい家庭の受験生が不利になるなど、問題は明白です。運用実態を見ながら改善していく旨の発言に対して、高校生からは、「実験材料」にするのかという批判も出ています。
一旦延期して、公平な機会を提供できる制度が整うまでは、現在のセンター試験を継続するべきです。総理の見解を求めます。
憲法と表現の自由
【『あいちトリエンナーレ』補助金取消問題】 文化庁は、いわゆる『あいちトリエンナーレ』を国の補助事業として採択していましたが、今になって、約7,800万円の補助金を全額交付しないと発表しました。
補助金事業への採択後に企画内容を変更した場合でも、せいぜい減額程度が一般的です。全額返還は、水増し請求など不正行為が認められたものに限られています。
しかも、不交付は、議事録等の記録もなく、補助事業としての採択を決めた審査委員会の意見を聞くこともなく、密室の中で突然決められ発表されました。内容、手続き両面で、違法、不当です。文部科学大臣の説明を求めます。
一部の展示中止にまつわる手続きが補助取り消しの理由であるなら、本末転倒です。脅迫という犯罪行為に対して、不本意ながら展示を中止したのですから、責められるべきは専ら脅迫者です。文化庁は、必要な情報が事前に申告されなかったことを問題視しているようですが、表現に対する抗議を事前に予想することは困難です。文化庁は、脅迫者に結果的に加担したと言われても仕方ありません。
多くの人は、結局、展示の中身が気に食わないから金を出さないのだと受け止めています。これが前例とされるなら、今後は、議論を起こすような展示は公的補助を受けることが難しいとの委縮効果が働いて、お上に迎合した当たり障りのない表現だけに徹しようという、事実上の事前検閲につながります。
不交付の決定を違法不当として撤回し、当初の決定どおり補助金を交付すべきです。総理の見解を伺います。
かんぽ生命保険の不正販売を報じたNHK「クローズアップ現代+」に関し、経営委員会は、郵政グループ幹部からの抗議を受け、ガバナンス強化の名目で上田会長を厳重注意しました。
放送法32条2項は、経営委員が個別番組の編集に干渉、規律することをわざわざ明文で禁止しています。番組内容に介入しても「ガバナンス強化」という名目さえ付ければ良いなら、放送法32条2項は空文化します。こんなことが許されないのは当然で、経営委員会の対応は明白な放送法違反です。
また、厳重注意が行われたとされる昨年10月23日の議事録には、何の記載もありません。経営委員会に議事録の作成・公表を義務付けた放送法第41条に反する上、隠蔽の意図が疑われます。国民の受信料の上に成り立つNHKとして、適切な情報公開を怠るのであれば、存在意義すら失われます。
内容面、手続き面、両面での放送法違反について、総理の見解を伺います。
郵政グループは、総務事務次官経験者である鈴木副社長が、直接、NHKに圧力をかけました。
事務次官を退官して8年以上経過しているとはいえ、11月7日付の鈴木副社長名の文書では、みずからについて、「かつて放送行政に携わり、NHKのガバナンス強化を目的とする放送法改正案の作成責任者であった立場」と記しています。これで圧力を感じなかったら、逆に鈍感すぎで組織人としての資質が疑われます。
忘れてならないのは、一連の問題が、ガバナンスの問題でもあるかんぽ生命の不正販売をめぐって発生していることです。不正販売問題では、現時点でも郵政グループ幹部の危機意識が希薄であると指摘されています。この流れの中で、報道機関に圧力をかけた鈴木副社長の責任は大きいと言わざるを得ません。総理の認識を伺います。
なお、鈴木副社長についても、国会に参考人としてお招きし、説明を求めたいと考えています。
これらの問題が、ほぼ同時に明らかになった状況は深刻です。
昭和初期の言論・表現の自由に対する侵害状況も、ある日突然、明確な形で生じたのではありません。圧力や忖度、そして委縮等がじわじわと拡大し、多くの良識ある国民が気づいたときには、跳ね除けることが困難な状況に追い込まれていました。
報道・表現の自由が機能しない社会は、もはや民主社会とは言えません。最大与党の皆さんも、党名に掲げる「自由」と「民主」を真に大切であると思うならば、この危機感を共有していただけるはずですが、総理の認識をお尋ねします。
同性婚に関する下村議員の発言
最後に、自由民主党で憲法に関する責任者を務めてこられた下村議員が、同性婚を認める議論を、進めても良いと受け取られる発言をしました。
自由民主党が、同性婚を認めることに賛同いただき、議論を進めていただけるなら大歓迎です。
なお、現行憲法でも、同性婚を認める法律を禁じていないというのが圧倒的多数説ですから、議論の場は、憲法審査会でなく、法務委員会です。すでに同性婚を認める民法改正案を提出しています。与党は常々、反対なら対案を出せと言っておられますので、まさか対案も出さずにたなざらしにすることはないと信じます。
ぜひ、この臨時国会で法務委員会における法案審査を進め、自民党を含む皆さんのご賛同を得て成立させていただくことをお願いし、質問を終わります。
【衆院本会議】総理所信に対する代表質問原稿案 枝野幸男代表.pdf





