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【参院本会議】長浜参院議員会長、安倍総理の所信表明に対し代表質問

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共生社会

 「みんなちがって、みんないい」新しい時代の日本に求められるのは、多様性であります。みんなが横並び、画一的な社会システムの在り方を、根本から見直していく必要があります。多様性を認め合い、全ての人がその個性を活かすことができる。そうした社会を創ることで、少子高齢化という大きな壁も、必ずや克服できるはずです。

 私の言葉ではありません。4日にこの議場で行われた「第200回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説」の中の一節です。感激しました。やっと気づいてくださったのか。しかしいくら吠えても張り子の虎(すなわち中身が何もない)では、演説を聴かれた国民は失望してしまいます。不言実行、有言更なりであります。ここからが私の質問です。

 来年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、ユニバーサルデザインの街づくりや「心のバリアフリー」の取組が行われていますが、価値観やライフスタイルの多様化が進んでいる現状からすれば、まだまだ不十分です。共生社会の実現のため、誰一人取り残さないという強いメッセージを政治の側が発信することが求められています。私どもは、誰もが個人として尊重される多様性ある社会を目指して、手話言語法案・情報コミュニケーション法案、LGBT差別解消法案等の法案を衆議院において共同提案しております。しかし、与党は一切審議に応じておりません。手話は、コミュニケーション手段であると同時に、日本語と同等の第一言語です。ろう者が手話言語を習得する機会を拡大し、手話文化の継承・発展を図る手話言語法案、そして、全ての視聴覚障害者等に対し、情報の取得やコミュニケーション手段についての選択の機会を確保・拡大していく情報コミュニケーション法案の制定が、今こそ求められていると考えます。総理の所見を伺います。

 民間の調査によりますと、日本ではLGBTなどの性的マイノリティに該当する方の割合が8%以上に達すると言われております。特に、いわゆる「SOGI(ソジ)ハラスメント」対策については、先の通常国会において女性活躍推進法等改正案に対する両院の附帯決議にも盛り込まれ、一定の前進が見られましたが、その進捗状況について政府の説明を求めます。

 さらに、性的指向や性自認にかかわらず、誰もが差別されることなく自由に生きる社会を実現するため、行政機関・事業者による不当な差別的取扱いの禁止やハラスメントの防止については、しっかりと法律で定める必要があると考えますが、総理の所見を伺います。

ジェンダー平等

 性別を問わずその個性と能力を十分に発揮することができるジェンダー平等社会を実現するため、野党会派共同で、選択的夫婦別姓法案や性暴力被害者支援法案等の法案を提案しておりますが、これまた与党は一切審議に応じておりません。特に選択的夫婦別姓については、本年7月に日本記者クラブで開かれた7党首討論会で、制度導入に賛成かとの質問に対し、ただ1人、自民党総裁である総理だけが手を挙げず、大きな話題となりました。

 国際社会の共通目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」は、ジェンダー平等の実現を掲げています。総理は、先の通常国会で「SDGsの達成に尽力し、SDGsの力強い担い手たる日本の姿を国際社会に対して示す」旨述べていました。にもかかわらず、選択的夫婦別姓の導入を求める国連の勧告は放置したままです。総理は、先月の国連本部の会合で、SDGsに関する実施指針を年内に改定し、新たな取組を示す方針を表明しましたが、その取組に選択的夫婦別姓を入れるつもりがあるか、また、婚姻後も姓を変えない権利を認めることこそが、SDGsが目指す誰一人取り残さない社会の実現につながるのではないでしょうか、総理の見解を伺います。

安定的な皇位継承をめぐる問題

 天皇陛下が5月1日に即位され、御即位に伴う式典が間近に迫ってまいりました。国民の一人としてお慶びを申し上げますとともに、今年3月の予算委員会でも同様の質疑をさせていただきましたが、いくつかの課題に対して政府の対応は遅きに失すると言わざるを得ません。

 まず、皇族、とりわけ男性皇族の減少に伴う問題です。平成29年の退位特例法の附帯決議では、安定的な皇位継承、女性宮家の創設等が、先延ばしにすることのできない重要な課題と位置付けられ、皇位継承後、政府は速やかに検討を行うこととされています。

 我々野党としても、この問題について党内論議を進めてきました。一方、これまで政府は、一連の式典に全力を尽くした上で対応する、との見解を示すにとどまっています。速やかに、本格的な検討を進めていくべきだと考えますが、今後の検討スケジュールについて答弁を求めます。

 また、象徴天皇の在り方を今後とも堅持し、安定的な皇位継承を確保していくためには、国民のコンセンサスを得ながら進めていくことが重要です。そのためには、国民の総意を探り、現実的な解決策を導き出すべく、国民の代表が集う場である国会において、真摯な議論を行うことこそが求められるのではないでしょうか。総理の見解を伺います。

恩赦

 次に、恩赦についてお伺いします。

 政府は、天皇陛下が即位を宣言される今月22日の「即位礼正殿の儀」に合わせて、恩赦を実施する方向で調整を行っていると報道されています。皇室の慶弔事に伴う恩赦としては、1993年6月の天皇皇后両陛下のご結婚以来、26年ぶりとなるそうですが、国民にはなじみのない制度です。

 そこで、まず、お伺いしますが、国民にはなじみのない「恩赦」という制度についての歴史的意義について、政府の説明を求めます。

 また、恩赦は、更生への励みになるという意見がある一方、三権分立の原則から、行政の権限で司法の判断を変えるのが適切なのか、という疑問も指摘されており、恩赦の実施について、どのように国民の理解を得るおつもりなのでしょうか、政府の答弁を求めます。

 加えて、今回の恩赦は、被害者への配慮や再犯防止推進の観点から、罰金刑を受けた人の資格制限などを回復する復権だけを対象に実施する方向で調整が進められているとも伺っておりますが、その過程では、公平性や透明性を確保し、国民への十分な説明が必要ではありませんか。今後、恩赦が実施される場合、その対象となる罪や刑の種類をどのように定め、どのような手続によって実施されることになるのか、政府の説明を求めます。

 最後に長期政権の弊害について申し上げなければなりません。森友学園への国有地売却問題、加計学園の獣医学部新設問題、毎月勤労統計の不正疑惑、金融庁審議会の報告書受け取り拒否事案、イージス・アショアの配備候補地への説明不手際など、政権のゆるみ、おごりは枚挙にいとまがありません。そして官僚の忖度が行政の中立・公平性をゆがめていると言われるような事態になってしまっています。また、憲法、法律、規則にのっとって要求する言論の府である国会、予算委員会の開催要求を無視するなど、その強権的体質は看過できません。「長きをもってよしとせず」というより「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」というジョン・アクトンの言葉で本日の質問を閉じさせていただきます。

【参院本会議】総理所信に対する代表質問原稿案 長浜博行参院議員会長.pdf




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