- 2019年10月08日 15:53
【参院本会議】長浜参院議員会長、安倍総理の所信表明に対し代表質問
2/3環境問題
地球環境問題についてお伺いします。先月、スウェーデンの16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが、国連本部で開催された気候行動サミットで演説し、「若者世代を裏切るような選択をするならば、絶対に許さない」と各国の指導者らに温暖化対策の実行を迫りました。次代を担う若者に、より良い環境を引き継いでいくことは現世代の責務であります。
グテーレス国連事務総長は、温暖化が進む現状を「気候非常事態」ととらえ、2050年までの温室効果ガスの実質排出ゼロなどを各国に求めており、サミットでは、65か国がその求めに応じたとのことです。
このように各国の対策が加速する一方、総理はこの会議に参加しませんでした。温暖化への危機感、温暖化対策の重要性を認識するのであれば、日程を最優先して、総理の認識を示すべきだったのではないですか。総理の気候変動問題に対する認識、及び気候行動サミットを欠席した理由・経緯について総理の説明を求めます。
次に、我が国の温室効果ガス削減のための対策についてお伺いします。
我が国は長期戦略の目標が大きく見劣りするだけではありません。ESG投資の流れもあり、国際的にダイベストメントが広がり、特に石炭火力の削減が強く求められているにもかかわらず、政府は、環境アセスメントなど既存の政策の寄せ集めで何とかしのごうという姿勢です。また、世界の潮流となっているカーボンプライシングについては、ヨーロッパ諸国はもちろんですが、中国も段階的な導入を開始しています。我が国は、何度も政府部内で同じような検討を繰り返すばかりで、いつになったら導入は実現するのでしょうか。低炭素化、それに続くカーボンニュートラルの実現のためには、イノベーションに過剰な期待をするのではなく、カーボンプライシングなどの具体的な対策の早期の導入が必要と考えますが、総理の認識を伺います。
次に、廃プラスチック問題についてお伺いします。6月に大阪で開催されたG20サミットでは、海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が合意されました。これについては、主要国が共同して海洋プラスチック問題の解決を目指す第一歩として評価する声がある一方で、30年先という目標設定では遅すぎること、プラスチックの使用削減について触れていないこと、法的拘束力のある国際的枠組みではないことなどから不十分との批判もあります。この合意内容で果たして十分な効果を上げることができるのでしょうか、総理の見解を伺います。
我が国の廃プラスチック処理は、欧州ではリサイクルに位置付けられていない焼却処理による熱回収の割合が高いことが指摘されています。これは循環型社会形成推進基本法に定める3Rの優先順位と異なっており、地球温暖化対策の観点からも問題といえます。また、これまで我が国は廃プラスチックの一部を輸出してきましたが、中国等の輸入規制、バーゼル条約における規制強化などにより、国内の廃プラスチック処理がひっ迫し、熱回収優先から脱却できないことも懸念されます。我が国は環境先進国として、過剰に使われているプラスチックの使用抑制や代替製品の利用を促進することでプラスチックに依存した社会からの脱却を目指すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
内政/経済/消費税/金融
次に、財政・金融に関してお伺いします。
アベノミクスの失敗により財政健全化も後退しております。非現実的な高い成長率を想定してもなお目標の達成は困難と見込まれており、また100兆円超の予算規模が既成事実化する中、政権が本気で財政健全化に取り組むのであるならば、堅実な具体策を提示するべきではないですか。総理の見解を求めます。
アメリカではFRBが2会合連続で政策金利の利下げを決定し、欧州ではECBが量的緩和の再開を表明しました。こうした中、日銀が金融政策方針を現状維持としたことへの評価について、政府の見解を伺います。
米中貿易摩擦の影響により海外経済は減速し、下振れリスクが高まっている中、安倍政権は消費増税を断行しました。今後、消費が大きく落ち込むことが危惧されます。日銀は、物価安定目標に向けたモメンタムが損なわれるおそれが高まる場合、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じるとしています。増税後の内需の状況次第では更なる追加緩和を行うべきであるとお考えでしょうか、総理の認識を伺います。
一方、普通国債発行残高に占める日銀の保有割合が5割を占めるなど、日銀の資産買入れは限界に達しつつあります。また、銀行業界からは、マイナス金利の深掘りに対し、企業の投資活動に与える効果を疑問視する声が上がっています。日銀による追加緩和の余地、有効性について、総理の見解を伺います。
大規模な金融緩和により様々な副作用が現れております。貸出金利の低下により銀行の収益は圧迫され、特に、体力の弱い地方銀行は経営が苦しく、スルガ銀行等が不正融資に走る一因になったとの指摘があります。また、約6割の地方銀行が10年後の2028年度に最終赤字になるという日銀の試算もあります。地域金融の現状に対する総理の認識、健全な地域金融に向けた課題について、政府の見解を伺います。
2年連続で基準地価が上昇しております。超低金利による資金調達コストの低下等を背景に内外の投資マネーが国内投資を過熱しているとの見方があります。基準地価の上昇要因や地域間格差に関する総理の見解を伺います。
また、人気観光地等における外資による不動産取得の動きを警戒する指摘もあります。こうした海外マネーの流入に対する総理の所見を伺います。
さらに、銀行による不動産向け融資が過熱状態にあり、貸出残高もバブル期を超え最高水準となっています。これは実需によるものでしょうか。それとも投機によるものでしょうか。総理の認識を伺います。
働き方改革
次に、同一価値労働同一賃金の実現に向けた取組についてお伺いします。
昨年6月、働き方改革関連法が成立し、来年4月から正規・非正規といった雇用形態による不合理な待遇差を禁止する改正規定が適用されることとなります。しかしながら、企業の準備は必ずしも整っていると言えない状況にあり、制度の周知もまだ不十分な状況にあるのではないでしょうか。政府は、施行日を前に、どのような対策と周知を図っていくのでしょうか。その進捗状況及び把握状況について政府の説明を求めます。
パワーハラスメント対策については、先の通常国会において、企業に対して措置義務を課す改正労働施策総合推進法が成立しました。しかし、ハラスメント行為そのものの禁止規定がない点や、当事者・被害者の範囲が限定的である点で不十分な内容であると言わざるをえません。私どもは野党共同で、セクハラ行為自体を禁止する対案や社外からのパワハラも規制する対案を提出しましたが、与党の賛同を得ることができませんでした。しかし、本年6月には、ILO総会において「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する条約が採択され、日本政府も賛成票を投じました。今後は、条約の批准に向けた更なる国内法の整備に早急に取り組む必要がありますが、その検討状況について政府に説明を求めます。
また、今もハラスメントに苦しむ労働者の方々がいる現状を踏まえ、日本の企業の99%は中小企業ともいわれる中で、大企業・中小企業に関係なく早期に法律を施行する必要があるとの指摘もありますが、政府の見解を伺います。
次に、女性と就職氷河期世代に対する就労支援についてお伺いします。近年女性の就業者数は約3,000万人となり、今や女性の労働参画は我が国の成長を支える重要な柱であります。総理はしばしばアベノミクスの成果として就業者数が増えていることを強調されますが、女性についてその雇用形態を見ると就業者の55%がパート、アルバイトなど不安定な非正規雇用です。また、出産を契機に離職する割合は50%近くと依然として高い状況にあります。さらに、賃金など構造的な男女間格差が未だに存在する中、その是正に向けた政府の取組もまだまだ不十分です。働く意欲のある女性のキャリア形成やキャリア継続のため、従来の施策を検証した上でより実効性のある就労支援を図る必要があると考えますが、総理の見解を伺います。
就職氷河期世代に対しては、政府は「骨太の方針2019」において、非正規雇用者や長期無業者など100万人に対して3年間の集中的な支援を行い、正規雇用者を30万人増やすことを目指すとしております。しかしその内容は総花的で、各省の従来からの施策の延長線という感が否めません。30万人の正規雇用化の根拠とその実行可能性、その後のフォローアップなどどのように考えているのか総理の見解を伺います。



