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【参院本会議】長浜参院議員会長、安倍総理の所信表明に対し代表質問

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 参院本会議で8日、安倍総理の所信表明演説に対する代表質問が行われました。立憲・国民.新緑風会・社民を代表して質問に立った、参院議員会長の長浜博行議員は(1)災害対策(2)外交・安全保障(3)環境問題(4)経済・財政・金融政策(5)働き方改革(6)共生社会(7)ジェンダー平等(8)皇位継承・恩赦――等について取り上げ、安倍総理の見解をただしました。

 環境問題について長浜議員は、「次世代を担う若者に、より良い環境を引き継いでいくことは現世代の責務。温暖化への危機感、温暖化対策の重要性を認識するのであれば、日程を最優先して、総理の認識を示すべきだったのではないか」と述べ、安倍倍総理が気候行動サミットを欠席したことを問題視。安倍総理の気候変動問題に対する認識を問うとともに、日本は国際的な潮流から遅れているとして、カーボンプライシングの導入など具体的な対策を早期に講じるよう求めました。

 これに対し安倍総理は、「気候行動サミットは宮中行事のため出席が叶わなかったが、わが国はパリ協定に基づき本年6月に策定した長期戦略において今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現することを目指す旨公表している」「わが国は長期戦略に基づきイノベーションに光を当て環境と成長の好循環を加速し、気候変動対策を推進し、世界の脱炭素化をけん引していく」などと具体性のない答弁に終始しました。

 長浜議員の質問の全文は以下のとおりです。

2019年10月8日

総理所信に対する代表質問

立憲・国民.新緑風会・社民 長浜博行

 立憲・国民.新緑風会・社民の長浜博行です。会派を代表して、安倍総理の所信について質問いたします。

 今年も夏から秋にかけて度重なる台風や集中豪雨等により各地に大きな被害が生じました。質問に先立ち、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。被災地が一日も早く復興することができますよう、私どもとしても全力で支援に取り組んでいく所存であります。

災害対策

 まずは、千葉県を中心として広範囲に被害が生じた台風第15号について、千葉県民の一人として政府の初動対応の遅れについてお伺いします。

 台風第15号は、9月8日にかけて伊豆諸島付近を、9日朝にかけて関東地方を襲いましたが、千葉市で毎秒57.5メートルの最大瞬間風速を記録するなど場所によっては観測史上最大となりました。この暴風によって、各地で約2,000本もの電柱が倒れました。このため、千葉県内では、広域にわたる停電により、通信網が遮断され、地方自治体は軒並み混乱に陥り、被害状況の把握もままならない事態が続きました。さらに、停電の解消までに2週間以上を要する事態となり、多くの被災者が電気も水道も電話も使えない不自由きわまりない生活を余儀なくされました。

 その際の政府の初動対応について、菅官房長官が、初閣議後の記者会見で、台風第15号について一切触れていないことからも明らかですが、新内閣は、11日の組閣の対応に忙殺され、全て官僚任せで後手に回っていたと断ぜざるを得ません。全閣僚出席の閣僚懇談会についても、第1回目は13日であり、台風の通過から4、5日も経過しています。そこでお伺いします。閉会中に開会された衆参の災害対策特別委員会において、政府の判断として、非常災害対策本部や関係閣僚会議を設置・開催しなかったと答弁していますが、新旧大臣間における台風第15号に係る災害対策の引継ぎについて時間や余裕がなかったために、これらが設置・開催されなかったのではないですか。そのため、官僚任せの関係省庁災害警戒会議や関係省庁災害対策会議の開催を政府一体の対応としてことさら強調しているのではないですか。内閣改造と災害への対応とこの場面でどちらが国家にとって重要事であったと判断されているのか、総理の見解を伺います。

 また、政府、千葉県、各市町村と東京電力の間の連絡はどのように行われたのでしょうか。特に、東京電力の復旧見通しが2度も修正されることとなりましたが、政府としても、確認、チェックする必要があったと思います。今回の見通しの甘さについては、単に検証するだけでなく、国として電力事業者が迅速かつ正確に公表できるような態勢作りを早急に行っていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。政府の答弁を求めます。

 次に、台風第15号の復旧に係る今後の政府の対応についてお伺いします。今回は、一部損壊住宅への修理費に対して地方自治体が被災者に交付する補助金に対し、特例的に防災・安全交付金と特別交付税により財政支援すると伺っております。先日の本院の災害対策特別委員会において、武田大臣は一部損壊等に係る地方自治体への財政支援について、各種制度の柔軟な適用に努めると述べられましたが、そもそも現在の損害基準は現実の被災状況の分類として適切なのでしょうか。今後同様の災害が生ずることを想定して新たに基準を見直し恒久的な支援措置を制度化することもお考えでしょうか、総理の見解を伺います。加えて、送電線をはじめ老朽化したインフラへの対策、そして間伐も行われず溝腐病等におかされるなど手入れの行き届かない森林をどうするのか、先月末に各自治体に初めて配分された森林環境譲与税との関連を含めてご答弁願います。

外交/安全保障

 以下、内政・外交等の個別の課題についてご質問してまいりますが、時間の制約上、昨日の衆院での枝野代議士との重複をなるべく避けて行います。

外交・安全保障問題に目を転じますと、安倍政権の重視する外交課題は八方塞がりの状態です。ロシアとの北方領土返還交渉や北朝鮮による日本人拉致問題はいずれも進展が見られず、日韓関係は最悪の状況に陥り、米国との貿易交渉では一方的な譲歩を行ったようにも見受けられます。

まず、中東情勢についてお伺いします。9月14日、サウジアラビアの石油施設が攻撃を受け、石油の生産が一時止まるという事態が発生しました。イギリス、ドイツ、フランスの各首脳はこれをイランの責任とする声明を発表していますが、声明について政府の認識を伺います。

 また、米国が提唱しているホルムズ海峡における有志連合構想(海洋安全保障イニシアティブ)について伺います。まず、政府として中東・ホルムズ海峡の現状についてどのような認識なのか、総理の答弁を求めます。

 また、現行法上、自衛隊は有志連合に参加できるのでしょうか。あるいは新たな法整備が必要となるのでしょうか。総理の答弁を求めます。

 次に、日露関係についてお伺いします。昨年11月、総理はロシアのプーチン大統領との会談において、1956年の日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることで合意いたしました。その後、総理も河野前外務大臣も、「北方領土は日本固有の領土である」との我が国の基本的立場を公の場で発言することを封印してしまいましたが、肝心の領土交渉での進展の道筋は全く見えておりません。総理は、プーチン大統領との個人的な関係を過度に重視し、ロシア側の出方を見誤ったのではないですか。領土交渉で何ら進展がないままに、北方領土に対する我が国の主張の基本ラインを大きく後退させてしまった総理の対ロシア外交は、稚拙のそしりを免れないと考えますが、総理の認識を伺います。

 次に、北朝鮮の核・ミサイル問題と今後の日朝交渉の方針についてお伺いいたします。この問題については、米朝プロセスを中心に北朝鮮の非核化を実現するための交渉が進められています。この間、北朝鮮は、短距離弾道ミサイル等を日本海に向け繰り返し発射しており、このような挑発行為は我が国にとって直接的な脅威であり、かつ、地域の安全保障環境を不安定にするものとして看過できません。しかも、10月2日には、北朝鮮が発射した弾道ミサイルが、日本海の我が国排他的経済水域(EEZ)内に落下しました。その際、自衛隊のイージス艦は日本海に一隻も展開していなかったとの報道がありますが、我が国政府として、北朝鮮の弾道ミサイルの発射探知、追尾などは万全であったと言い切れるかどうか、総理の明確な答弁を求めます。

 また昨日、水産庁は会見で、漁業取締船「おおくに」が大和堆において北朝鮮の漁船と衝突したと説明しています。最近の大和堆周辺水域における漁業取締方針と、今回の衝突事案に関する事実関係の詳細について、政府に伺います。

 さらに、日朝間における最大の懸案事項である拉致問題は、全く進展を見せていません。総理は「金正恩委員長と条件を付けずに向き合わなければならない」との考えを表明していますが、金正恩委員長は米国、韓国、中国、ロシアの各国と首脳会談を開催しており、日本だけが取り残されているのが現実です。安倍外交はこれまでどのような成果を得たのでしょうか。そして、今後、どのように対北朝鮮外交を進めるつもりなのでしょうか、拉致被害者問題も含めて総理の見解を伺います。

 アフリカ外交についてお伺いします。8月末に横浜で第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開催されました。1993年にスタートしたこの会議は諸外国に先駆けてアフリカの成長を目ざしたものですが、現在までの成果をどのように評価されていますか。アフリカに対する直接投資残高及び年間輸出額でも日本は10位以内に入ってないのではないですか。お答えください。

 また、我が国として、国連加盟国の約4分の1を占めるアフリカ諸国との関係を今後どのように構築していこうとされていますか。総理はアフリカ各国に対する日本からの民間投資を拡充させたいと発言されていますが、ODAとの連携も含め、どのような戦略をお持ちか、そして中国の対アフリカ外交・戦略をどのように認識しているかも合わせて総理の所見を伺います。

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