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ラグビー 日本の快進撃、世界ではまぐれと思われていない

もう「奇跡」とは呼ばせない(写真/時事通信フォト)

最後にもダメ押しの4トライ目を決めた(撮影/藤岡雅樹)

サモア戦でも勢いそのままに(撮影/藤岡雅樹)

福岡のトライも光りベスト8へ前進(撮影/藤岡雅樹)

 快進撃のラグビー日本代表。日本の世界ランキングは現在8位(10月2日現在)。順位を見れば、世界の強豪に肉薄しているといえる。

 しかしラグビーでは「世界ランキング」より重視される「ティア」というカテゴリー分けがある。強豪国は「ティア1」、中堅国は「ティア2」、発展国は「ティア3」という格付けだ。

 ティア1は10か国で、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンの南半球4か国と、ウェールズ、イングランド、アイルランド、スコットランド、フランス、イタリアのヨーロッパ6か国。日本はフィジー、ジョージアなど計13か国のティア2に属している。

 ティア2は、“W杯には出場できても、グループリーグを突破する力はない”と評価されている。事実、日本代表はこれまで何度もティア1の強豪国に苦汁を嘗めさせられてきた。

 最も屈辱的だったのが、オールブラックスとの対戦だろう。1987年、日本はニュージーランドに0-74、4-106と完敗(いずれもテストマッチ)。そして、1995年に南アフリカで開催された第3回W杯では17-145という歴史的大敗を喫した。

 英紙『インディペンデント』は、その試合が行なわれた都市の名前から〈ブルームフォンテーンの虐殺〉と報じた。抵抗する術さえ持たない子供をオールブラックスが蹂躙したかのように見えるほどの差があったからだ。当時を取材したスポーツ紙記者は、こう述懐している。

〈スタンドから中身が残っている缶ビール、紙コップが飛ぶ。「これがW杯? 金返せ」の意味だ。「国辱」と映った。観客が去り始め、「もう時間の無駄」とばかりにロスタイムはない。翌日から日本人は「145(失点)」などと、イジられた〉(『日刊スポーツ』2019年4月3日付)

 この時の「弱すぎる日本」のイメージは、世界のラグビーファンに深く刻まれている。そのため、前回W杯で日本が南アに逆転勝ちし大番狂わせを起こした際は“あり得ないことが起きた”という反応だった。

 南ア戦翌日の英BBCは〈誰もこんな結果を予想しなかった〉、英「ガーディアン」紙は〈二流国の日本がエリート国を破った〉と報じた。

 世界的ベストセラー『ハリー・ポッター』の作者である英国人J・K・ローリング氏は、驚きのあまりツイッターに「こんなストーリーは書けない」とつぶやいた。

 しかし、快勝したサモア戦はもちろん、その前の週に行われた格上のアイルランドからの勝利も、4年前と違って「まぐれ」とは思われていない。因縁の相手、ニュージーランドのメディアもこう報じている。

〈アイルランドは4年前の南アフリカと違って、日本を軽視していなかった〉〈(W杯開幕時に)世界ランク1位だった彼らは、それでも後半はゼロに抑えられた〉(「ニュージーランドヘラルド」紙)
〈日本はこの1年ほどの間に9点差でオールブラックスに勝ったアイルランドを破ったのだ。日本の攻撃はアイルランド選手に向かってあらゆる方向から吹き付ける突風のようだった〉(「スタッフ」紙)

※週刊ポスト2019年10月18・25日号

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