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原子力ムラ 判決と不祥事から見える歪んだ構図

いったいどうなっているのか。東京電力旧経営陣への無罪判決と関西電力幹部社員の金品受領問題である。一方は被害者に背を向けて国と原子力政策を忖度(そんたく)し経営陣の責任を不問にする判決、他方はいまだに続く不透明な原子力マネーの還流による癒着構造と電力会社の隠ぺい体質を赤裸々にした。

東電の旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で強制起訴された裁判は9月19日、東京地裁で無罪判決が言い渡された。「国の『長期評価』は具体的な根拠を示しておらず、信頼性に疑いが残る」「安全対策が終わるまで原発を止める義務があったとは言えない」「事故前の法規制は、絶対的な安全確保を前提としていない」など、原告の訴えはことごとく否定された。起訴された経営陣に寄り添い、被害者には門前払いと開き直り判決だ。「原子力ムラ」に組み込まれた司法の一面を見せつけられたとも言える。

海外で原発事故が起きるたびに、「日本では起きない」と言い続けてきたその事故が起きたのであって、そう言い続けてきたことの責任、その姿勢が問われてきたのである。この責任を原告はじめ多くの国民が裁判に求めたのである。電力会社や国そして司法にもその自覚がないことこそ問題である。

その後驚くべき不祥事が発覚した。関西電力の幹部ら20人が福井県・高浜町の元助役から7年間にわたって総額3億2000万円相当の金品を受け取っていたのである。金品の原資は関電が受注企業に支払った工事費等から捻出された裏金だ。今後さらに不祥事の真相が暴かれていくことになる。

電気事業連合会の会長を務める関電社長は記者会見で、「個人の管理下で保管」などと言い逃れ、「不適切だが違法ではない」と開き直った。「法令順守」とは、法令に違反しない限り何をやっても許されるというものではない。法令に違反しないだけではなく、それが疑われるようなこともすべきでないということだ。「不適切だが違法ではない」という発言は、コンプライアンスの公然たる否定である。ここにも原発事故で問われた電力会社に対する責任の自覚と反省はない。

今回の判決と不祥事は、ゆがんだ「原子力ムラ」が相変わらず温存され、「3・11」を経ても何も変わっていないことを明らかにした。原発をめぐるゆがんだ構図、とりわけ関電金品受領問題については、臨時国会で厳しく追及していかなければならない。

(社会新報2019年10月7日号・主張より)

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