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金正恩に足元見られたトランプ

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トランプ米大統領(右)と北朝鮮の金正恩委員長(左)(2019年6月30日 板門店)出典:facebook; The White House

朴斗鎮(コリア国際研究所所長)

【まとめ】

・北朝鮮はトランプ大統領をあざ笑うかのように新型SLBM発射。

・ボルトン前補佐官核拡散を警告。「いつか軍事力が選択肢に」。

・ウクライナ疑惑で大統領弾劾となれば、米朝協議決裂の可能性。

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トランプ政権の対北朝鮮外交が、1年後の大統領選挙を控える中で変化を見せている。これまでの圧力に軸足を置いたスタイルから成果を急ぐ妥協スタイルに変わりつつある。それは「リビアモデルにこだわったことで米朝協議が進まなくなった」としてジョン・ボルトン外交安保大統領補佐官を解任(9月10日)したことに現れた。リビアモデルとは、北朝鮮が非核化を行った後に米国が制裁緩和・体制保証など相応の措置を取るという方式だ。

ボルトン氏の退陣で、トランプ政権が米国に届く長距離弾道ミサイル以外のミサイル保有は容認するのではとの懸念や、北朝鮮非核化の原則であったCVID(検証可能不可逆的完全非核化)が事実上棚上げされるのではないかとの観測も出始めている。

事実ボルトン氏解任後、北朝鮮は歓迎を表明し、第3回米朝首脳会談の実務協議に前向きな反応を示し始めた。崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は10月1日、米朝が実務協議を10月5日に開くことで合意したとの談話を発表した。談話通り10月4日にストックホルムで予備会談がもたれ、5日に実務協議が行われた。

■ 金正恩、トランプにキツーイ一発

この談話直後の10月2日(午前7時11分)、北朝鮮は、外交成果とノーベル賞のために軍事オプションを放棄したトランプ大統領をあざ笑うかのように新型SLBM「北極星3号」1発を、元山(ウォンサン)港付近の海中から、ロフテッド軌道(高角発射方式)で発射した。高度910Km、距離は約450Kmで島根県島後沖の北、約350Kmの日本の排他的経済水域内に落下した。今回発射されたSLBMは、射程距離4000Kmともいわれている。

▲写真 2019年10月3日付の北朝鮮の労働新聞が掲載した新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星3」型の発射実験とされる連続写真。出典:労働新聞より

これに対してトランプは何ら抗議することなく「彼ら(北朝鮮)は対話をしたがっており、われわれは間もなく彼らと話す」と、相変わらず金正恩寄りの姿勢を示した。米国務省も2日この発射に対し、「挑発を控え、国連安全保障理事会の決議に基づく義務を順守するよう求める」とする声明を発表したが、国連制裁違反との強い非難はしなかった。

こうした動きに対して元北朝鮮駐英公使の太永浩氏は警告を発した。太氏は、「トランプ米大統領は北朝鮮と非常に危険なゲームをしている。金正恩政権は米国の軍事措置および追加制裁を避けて核兵器を開発し、統治の正当性を強化してきた」と批判した。

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