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【モールの空洞化】、アマゾン・エフェクトでリーマンショックのピーク時と肩を並べた!


■全米77都市のショッピングセンターをモニターしている不動産調査会社レイス社によると、第3四半期(7月〜9月期)のモール空室率は前期から0.1ポイント上昇し9.4%となった。

9.4%のモール空室率は前年同期の9.1%から0.3ポイント上昇したことになる。モール空室率ではピークとなった2011年第3四半期(7月〜9月期)以来となり、8年ぶりの高さだ。

モール空室率はリーマンショック後、2011年第3四半期(7月〜9月期)に最高となる9.4%を記録、それ以降は緩慢な回復基調にあった。

これがアマゾン・エフェクトで店舗閉鎖が相次ぎ、2016年から反転し空室が増えている状況にある。
しかもモール空室率の上昇トレンドはまだ終わりそうにない。

調査会社のコアサイト・リサーチによると、10月4日までに発表されたアメリカ国内の閉鎖店舗数はトータルで8,579店舗に上った。今年は上半期だけでも、昨年1年間で閉鎖となった5,864店を超えるペースで店舗閉鎖が起き、1年で最も書き入れ時となる年末商戦を前にして閉鎖発表が相次いでいるのだ。

コアサイト・リサーチでは今年の店舗閉鎖数が2017年の8,139店を上回る、1.2万店との予想をしているのだ。

直近では既存店ベースの大幅減に見舞われたベッドバス&ビヨンドが2日、40店舗の閉鎖に20店舗の追加スクラップを発表した。

先月29日に連邦破産法11条の適用申請を行い倒産したフォーエバー21はアメリカ国内にある178店舗を閉鎖する計画だ。

9月11日にはゲーム専門店チェーンのゲームストップが180〜200店の閉鎖を発表した。

8月に破綻したバーニーズ・ニューヨークもシカゴやラスベガス、ロサンゼルス等にある15店舗の店舗を閉鎖する。

今年は大手チェーンストアによる大量閉店が後を絶たない。大手チェーンではペイレス・シューソースやジンボリー、シャロットルッセ、チャーミングチャリーなどが破産し、企業精算・廃業となっている。

モールの中核テナントだった多くのチェーン店で、3桁になる大量スクラップを余儀なくされているのだ。

これまでモールを支えてきた小売チェーンの相次ぐ閉鎖でモール集客力のさらなる低下を招いている。

クレディ・スイスが2017年に発表した予測によると、全米のモールでは最大25%が閉鎖するという。

 ただし全てのショッピングセンターが高い空室率で危機に瀕しているというわけではない。空室率が4.1%だったサンフランシスコなど、都市によっては空室率が低いところもある。

またネイバーフッドSCとコミュニティSCなどを含めた小型の商業施設となるストリップセンターは若干、改善の傾向を示している。ストリップセンターの空室率は第3四半期で前期から横ばいとなる10.1%だ。前年同期の10.2%と比べると0.1ポイントは下がっている。

 Eコマース市場の拡大が続いていることで多くの小売チェーンはモールなどショッピングセンターへの出店に慎重になっているのは明白だ。


ショッピングセンター空室率。第3四半期(7月〜9月期)のモール(グラフではRSC)空室率は9.4%となった。前期の9.3%から0.1ポイント増加し、前年同期の9.1%からは0.3ポイントの上昇となっている。モール空室率ではピークとなった2011年第3四半期(7月〜9月期)以来、8年ぶりだ。一方、ネイバーフッドSCとコミュニティSCなどを含めたストリップセンター(グラフではNSC)の空室率は前期から横ばいとなる10.1%だった。前年同期からは0.1ポイント改善している。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。TJマックスなどのオフプライスチェーンやダラーゼネラルやファイブビロウなどのダラーチェーン、化粧品販売のアルタ・ビューティ等、一部の元気なチェーンストアは出店に旺盛です。ただ、これも「地殻変動」により多店舗展開をいつまでも続けるわけには行かないと後藤は予想しています。

地殻変動とは買い物の仕方の変化です。若い層を中心に「お買い物はお店で」というこれまでの小売の常識が希薄化していることです。

ネットで買えるのであればネット注文が店に行くより時間の節約になるし、便利だという考えが浸透しつつあります。ちょっとした買い物に着替えたり、化粧したりしてまで、お店に行くのは面倒なことです。それだったらネットでまとめて注文ということもあるでしょう。スーパーマーケットで急拡大しているカーブサイド・ピックアップやデリバリーサービスなどのネットスーパーが増えれば増えるほど、これまでの買い物の仕方から離れやすくもなっています。

 ところで、増え続けるモールの空室に対処するには物販以外のサービスをテナントに入店する必要がありますが、これまで限度がありますから。

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