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証拠保全請求却下命令に対する準抗告申立て

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4 結論
 被告人には強制捜査の権限はない。証拠や情報を自ら探求する資源もない。証拠開示という制度は、被告人に有利なものも不利なものも含めて捜査機関が強制的な手段を用いて証拠収集する職権を与える見返りに、その成果である証拠を被告人に利用する機会を与えようというものである。

そうすることで刑事裁判における実質的な当事者対等すなわち武器対等を図り、公正な裁判を実現しようというのである。捜査機関に対して証拠収集のために強制的な権限を与える一方で被告人にはそれへのアクセスを認めず、しかも、収集した証拠を検察官が一方的に削除したり、関係者に返還したりする自由まで与えるのであれば、それは捜査機関に証拠隠滅の権利を認めたに等しい。
以上


[注]
1 大野勝利「捜査機関が収集し保管している証拠を証拠保全手続の対象とすることの可否」法曹会編『最高裁判所判例解説刑事篇(平成17年度)』(法曹会2008)、629、633頁もこの点を指摘している。

2  大野裁判官は、「特段の事情」の例として「例えば、捜査機関が手持ちの重要証拠を不要として破棄する意向を示している場合、あるいはこのような証拠を提出者に還付する予定であるが、提出者の下で破棄隠匿される危険性が高い場合」を上げている。大野・前注、634頁。

3 Nowak, ICCPR Commentary, 2nd ed., p321.

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