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平成24年6月10日

情報戦と根回しに対抗


 総理が大飯原発再稼働を記者会見で表明しました。

 私は再稼働を必ずしも否定しませんが、今回の一連のプロセスはあまりに稚拙であると言わざるを得ません。
 ストレステストは法律の枠組に基かず、三大臣(官房長官、経産大臣、内閣府特命担当大臣)の昨年7月の取りまとめにより菅総理の思い付きの体裁を整えたものに過ぎません。また、中越地震の際問題となり、再稼働に当たっての安全性の判断基準とされているフィルター付ベント管や免震事務棟の設置などについても、「原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準(今年4月の四大臣会合)」では事業者による実施計画を求めるにとどまり、今回の再稼働では満たされていません。

 細野環境大臣は5日や8日の国会質疑で「何度も議論して決定したことだ」と答弁していますが、上記のような問題があり、過去の地震データも不十分にしか取り入れられていない今回の決定が、安全より需給対策を優先させたことは明らかです。政府は「需給バランスいかんを問わず安全性のみで再稼働は判断されなければいけない」と述べながら、それが通らないとなると「電力が足りなくなる」と言い訳をし、その後私たちが節電や代替調達を含めてきちんとデータを示せと追及すると「電力コストが上がる」と理由を変えました。

 政府の迷走に対する国民の信頼は地に落ちており、これを回復するためには、前回この欄で指摘したとおり、現在審議されている原子力規制委員会設置法案(自公提出議員立法)を成立させ、そこでの新たな基準をもって再稼働の判断をするのが望ましいと私は衆議院環境委員会で提出者として答弁しました。

 一方枝野経産大臣は「再稼働を停止していることがむしろ法律上の根拠を欠く」「私は再稼働には慎重な立場だが慎重と反対は違う」などと私の目の前で答弁していましたが、国民の理解がどれだけ得られるでしょうか。恒久的な再稼働として既成事実を作られないようにチェックしていかねばなりません。

 肝心の法案については驚くばかりです。私たちへの取材や条文の確認がないのに明らかに誤った報道(議員立法案にも核不拡散保障措置が抜けている、とか)がなされ、民主党との実務者協議で決まっていないことが「決まった」と報じられています。政府(特に環境省)の情報戦と根回しは恐るべきものがあります。
 ただ、私も質問に立った8日の参考人質疑で、有識者の方々は概ね私たちの案に好意的な陳述をして下さいました。特に政治家が介入する「菅リスク」については、菅総理による東電の撤退拒否を評価した民間事故調の北澤委員長も「そもそもきちんと科学的に責任をもって判断する機関があればそうした総理の発言は必要なかった」という趣旨の答弁をされ、政治家の介入を排除する私たちの案に納得されているのです。

 議論は大詰めを迎えましたが全力で頑張ります。

消費税論議に欠けているもの


 自民党で(私や塩崎議員が上記委員会準備のため出席できない時間帯に)ようやく党の税制調査会の平場の議論が開催されました。そこでは政府の増税案から景気条項の数字目標を落とす形で臨むという基本方針が示されたようです。

 景気の議論や、再増税を招く歳出拡大をどうするかの議論が生煮えのまま、1度きりの論議で今後の扱いを税調や党幹部に一任するとの決着がなされたようで、正直不安でなりません。確かに政局上極めて微妙な時期を迎えているのはわかりますが、是非税と社会保障一体改革に矮小化されない形での再度の平場の議論が早急に開催されるよう、シャドーキャビネットなどで主張していきます。説明もなく抱きつきを行えば維新の会など第三局を利するだけで、国益を損なうと考えます。

懸念する外交問題


 内閣改造で民間出身の森本防衛大臣が誕生しました。政策通であることは間違いないでしょうが、高度に政治性を有する防衛行政の責任者として適格かどうかはきちんと見極めねばいけません。民主党の人材不足を露呈したものと言えましょう。また、ご本人がテレビ番組で「鳩山総理に請われていたら受けなかった」とされていますが、その鳩山元総理がいまだに外交担当で飛び回っている民主党でよいのでしょうか。

 丹羽中国大使がフィナンシャル・タイムズのインタビューで「石原都知事が仮に尖閣諸島購入をやろうとすれば、日中関係は重大な危機に遭遇するだろう」と発言したことが、大きく波紋を呼んでいます。外務省は注意で終わらせるようですが、それでは今後の対中交渉で足元を見られかねないでしょう。更迭が必要だと考えます。

 シリアのアサド政権の国内弾圧も気がかりです。ゴラン高原には自衛隊のPKO活動も展開しています。日本は昨年8月に大統領に「道を譲るべき」との談話を出したほか、政権幹部の資産凍結などの措置を既に実施していますが、これで足りるのか検討するべきだと党の外交部会で外務省に要請しました。また、中国やロシアが人権侵害停止などの国連安保理決議に拒否権を行使したことは中東軍事利権を背景とするもので国際的に容認できるものではなく、引き続き国際社会全体の厳しい対応を求めるべきです。

大詰め近し


 通常国会が大詰めを近く迎える中で地元活動も行っています。まだ、明日11日には小泉青年局長たちと福島の警戒区域でのヒアリングも予定しています。引き続き全力で頑張ります。

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