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前澤氏、600億円借金を語る「返せないなら月には行かない」

借金報道には忸怩たる思いがあるという前澤氏

孫氏と肩を組みピースサインで撮影に応じる前澤友作氏(時事通信フォト)

 ネット通販大手のZOZOがヤフーに買収されることが発表され、それに伴い創業者の前澤友作氏が社長を退任した。高額なアート作品などを購入したことなどが「派手なお金の遣い方をしている」と受け止められ、時に世間の批判を浴びた前澤氏だが、その批判をどう受け止めているのか。プロインタビュアーの吉田豪氏の取材に答えた。

【写真】孫氏と肩を組みピースサインで撮影に応じる前澤友作氏

* * *
──高額なアート作品を買って、その値段を公言したことで逆風が吹き始めた。

前澤:そういうお金を遣うなら災害支援に回せとか、アフリカの子どもたち何人がそれで救えると思ってるの? とか、そういうふうになっていくわけですよね。

──そっちもちゃんとやってる人ではあるんですけどね。

前澤:そっちもやってるんですけどね。逆にそんな事は言わないわけですよ、こういうボランティアに参加したよとか、こういう寄付をしたよとか、いちいち言ってません。そっちも言ったほうがいいんですかね? 最近は千葉の被災地に何度かボランティアに行って瓦礫の撤去とか手伝いにいっているんですけど、やっぱり現場作業すると燃えるんですよね(笑)。別に誰に知られたいわけでも全くないのに、現場に行った事が報道されちゃうと、偽善ぶりやがってとか。ジェットは50億円だか70億円なのに、寄付はたったの1億円か、みたいな(笑)。

──ダハハハハ! けっこう払ってますよ!

前澤:本当にキリないですよ。

──しょうがないんですかね、現状の日本では。それも、なんとか変えたいみたいな思いはあるんですか?

前澤:うん、変わるといいなと思ってます。ちなみに僕の買い物というのは、べつに無駄なお金を使っているとか、ギャンブルとかでスッちゃったみたいな話じゃないんですよ。僕は実体のある素晴らしいものに興味を惹かれて買うタイプなので。

 その素晴らしいものって、その背景にそれを作る人たちがいて、そこに思いがあってとか、いろいろあるじゃないですか。アートなんて特にそうですけど。僕はただ娯楽で買ってるだけじゃなくて、そういうものを作ってる人たちや、情熱をかけている企業をリスペクトしていますから、それに対してちゃんとした対価を払いたい、応援させてもらいたい。っていうのがあるんですよね。

 そうやって応援する人がいないと、いいものがどんどんなくなっていっちゃうので。だから若いアーティストの作品も積極的に買うし、バスキアみたいに100億円を超えるようなものも買うし。ものを作っている人たちは買う人がいないと、どんどん減ってしまうので、それもある意味、応援するっていう、お金を使うということは、社会貢献するっていうことのひとつなんじゃないかなって思うんですけど。

──なかなかその文脈が伝わらないわけですよね。おそらくお金持ちが投資目的でいろいろ買ってるんだろう、ぐらいの。

前澤:そうだと思います。みなさんも街で何か買ったりするときに、あっちに行ったら10円、20円安いのを知ってるけど、このメーカーが好きだから、これを応援したいから買うんだっていうのと変わらないんだけどね、ホントは。

──現状、週刊誌の報道とか見ると、趣味で散財した結果、会社を売るに至りましたみたいな報道をされてますよね。

前澤:ありえませんよ。そうですね、そういうふうになっちゃってましたね(笑)。そこだけはホント腹が立ったので、自分で借金の額を言ったんですよ。ツイッターで「2000億じゃねえよ、600億なんだよ!」って。

──まあ、それでもデカいんですけど(笑)。

前澤:そうそうそう、そういう反応で(笑)。みなさんからしたら「いやいや、大丈夫?」て思ったかもしれませんが、借りた600億はべつにギャンブルでスッてるわけじゃありませんし、それもすごい資産価値があるもの、アートだったりするのなんですよね。もし会社に何かあっても、こっちには現物の資産があるので、それを売れば返せるように当然計画してやっていて。そんなことあたりまえじゃないですか。(笑)

 なので一部報道にあるように、借金返済のために急いで会社を売らざるをえなかったっていうのだけはホントにやめてほしいんですよね。会社は21年もやってきているわけですから、そんなわけないないじゃないですか。たった600億って書いたらまたそれも怒られますけど(笑)。

 600億の借金を返すために会社を売ったなんて思われたくない、ホント。借金を返すならまずアートを売りますよ、会社を売るんじゃなくて。ホントに駄目だったら月に行くのをあきらめて借金を返しますよ。だから借金を返すために会社を売ったっていうのだけは強く訂正したいんですよね。強く言えば言うほど、ホントはそうなんじゃないのかって言われちゃうから困っちゃいますが(笑)。

* * *
 前澤氏への取材は70分に及んだ。ここには収録されていない前澤氏の人物像を“深掘り”したインタビュー記事は、10月7日発売の『週刊ポスト』(10月25日・11月2日号)に掲載される。

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