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人間の成長、7つのステップ

色々な人が色々な形で述べてきたことですが、人間の成長はステップで考えることができて、それぞれ異なる意味を持ちます。もちろん、このステップが絶対というつもりもないし、例外も多数あるでしょう。まあとにかく、自分の考えを整理するために、ここにまとめておこうと思います。

とても大事なことは、以下に紹介するそれぞれのステップは「すばやく駆け上がればいい」というものではなさそうだというところです。それぞれのステップにおいて「これでいいのだろうか?」と悶々と悩むことを通して、次のステップで活躍するための武器を鍛えるという側面があるように思うからです。

1.やりたことが見えない段階

一説に、世界には3万種類の職業があると言われます。であれば人間が、自分の適職探しに悩むのは当然のことです。色々と悩んだ結果として選んだ職業も、それが本当に自分のやりたいことなのかと尋ねられれば、なかなか自信をもってYESと答えられないこの段階は、多くの人に共通して訪れると思います。

この段階では、地味な業務の積み重ねを通して、社会人としての土台を築きます。そうした活動を通して、世の中にはどのような仕事があるのかを「観察」することになるでしょう。そして多くの「隣の芝生」に目移りして、落ち着きを失ったりもします。ここではとにかく若くして活躍するライバルの話を見聞きしたぐらいで「焦らない」ことが重要だと思います。先は長いのですから。

2.できることをしながら、やりたいことを探す段階

与えられた仕事をこなしながら、周囲の信頼を積み上げていく段階です。周囲の信頼があると、与えられる仕事が多様になってきて「経験」として多くの仕事に触れることになります。多くの仕事に触れれば、徐々にではあっても、自分はどういう仕事が好きで、どういう仕事が嫌いなのかが見えてくるでしょう。この段階では、仕事の中で遭遇する「ちょっとした面白さ」を見逃さないことが大切だと思います。

へんに焦って、与えられた仕事も満足にこなせないうちから、他の仕事をやりたがったりしても、こうした環境は得られません。どのステップでも同じことですが、現在手掛けている仕事の品質にこだわれない人は、周囲から信頼されませんよね。なにをやるにせよ、周囲の人に助けてもらうことが必要だとすれば、これは致命的なことになります。

3.できることを、やりたいことに近づける段階

人間は、どうしたって「やったことのあること」しか上手にできません。だから、与えられる仕事というのは、必ず「今の自分にできること」です。そこからしか、自分の可能性は広がらないということを理解する必要があります。

とはいえ「今の自分にできること」は、資格を取得したり、スクールに通ったりして、少しずつではあっても自分で増やすことができます。そうすれば「今の自分にできること」にレバレッジをかけて「やったことがないこと」にチャレンジさせてもらえる機会も増えるはずです。

4.やりたいことをやる段階

前のステップがうまく回転しはじめると「自分にできること」と「やりたいこと」の重なりが増えてきます。雑務から解放されることはないものの(それは生涯を通してありえない)、朝、会社に向かうのが楽しみでしょうがない段階になります。

実感ですが、この段階に到達できる人は、意外と少ないように思います。個人的には、ステップ3と4の狭間でもがいている人の手伝いができたらと考えることが多いです。ここを分けるカギは「自らの成長を実感できること」だと思います。プロの棋士は、将棋の決着がついてから「差し手の振り返り」を行いますよね。ああしたことが、自らのキャリアを考える個人にも必要だと信じています。

5.やりたいことをやりながら、すべきことを探す段階

「やりたいことをやる」というのは、別に楽だったりするわけではなく、むしろかなりつらいことが多いような気がします。それでも全体としては充実感があって、明日も頑張れる状態がずっと続くような「希望」みたいなものと常に一緒にいられる段階です。

この段階に至っている人に共通するように思われるのが「自分さえよければ、それでいいのか?」といった疑問を持っているということです。それは「他者を気にかける余裕がある」というのとは違います。自分の命がいずれ終わることを強く認識し、なにかを残したいといった感覚に近いのではないでしょうか。

6.やりたいことを、すべきことに近づける段階

ボランティアなど、利他的な社会貢献活動に参加して、成果が出せる段階です。社会貢献活動は、まだ社会人経験が少ない若手でも実行することが可能ですが、その場合は「労働力」を無料で提供しながら、その対価としてお金ではなくて経験をもらうという関わりかたでしょう。

それに対して、それなりにキャリアが進んでいるこの段階での社会貢献活動への関わり方は「労働力」ではなくて「スキル」の提供になっていることが多く、短い時間の関わりでも、レバレッジが効くことがあるように思います。そうした経験を通して、自分の持っているスキルが、どのような社会的問題に対してポジティブな影響およぼすことができるのかを認識していきます。

7.すべきことをする段階

やりたいことをしながら、それがそのまま優れた社会貢献になっていて、かつ、その活動から、自分や家族が生きていくための対価が得られるような段階です。おそらくは、この段階に至ることがキャリアの(1つの)ゴールではないかと思います。

最後に、繰り返しになりますが、これらのステップは「すばやく駆け上がればいい」というものではありません。晩年まで、下位にあるステップで実力をためこみ、あるきっかをもって一気にステップを駆け上がっても、それは個人の人生として、誰に恥じるところもないものだと思います。大切なことは、こうしたキャリアのステップを意識しつつ、今の仕事に集中して、どのステップにおいても、周囲の信頼を裏切らないことでしょう。

できること、やりたいこと、すべきこと。この3つの重なりを求めて悩み苦しむことから逃げることだけは、してはいけないことのように思います。

(今日も、色々と仕事をします)

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