- 2019年10月03日 11:30
【読書感想】NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業
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NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業
作者: ジーナ・キーティング,牧野洋
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2019/06/26
メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Kindle版もあります。
NETFLIX コンテンツ帝国の野望―GAFAを超える最強IT企業―
作者: ジーナ・キーティング
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2019/06/10
メディア: Kindle版
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内容(「BOOK」データベースより)
有料会員1億4000万人、コンテンツ投資額、年間1兆4000億円。政治ドラマ「ハウス・オブ・カード」から、アカデミー賞受賞作「ROMA/ローマ」、片づけバラエティ「KonMari」まで、オリジナル作品で驚異的なヒットを放ち続けるネットフリックス。彼らはなぜ動画配信の覇者となりえたのか。テクノロジーとビッグデータを信じ、過酷な競争文化で急成長を続けるテック企業。その知られざる創業秘話から、大胆な業態転換をへて頂点に上り詰めるまでの壮大な物語を初めて描きだす。
政治ドラマ『ハウス・オブ・カード』やアカデミー賞を受賞した『ROMA/ローマ』を生み出し、日本ではオリジナルドラマ『全裸監督』が話題になっているネットフリックス。
この本は、ネットフリックスの創業期を関係者に徹底的に取材して書かれたものです。
アメリカでは2012年に出版されており、郵送でのDVDレンタルで、既存の店舗型のチェーン店に挑戦し、ネット配信に舵を切っていくまでの時期まで。
オリジナル作品で映像業界の覇権を握っていくのは「その後」の話になります。
ちなみに「その後のネットフリックス」についても、日本語版での著者の特別寄稿でフォローはされています(簡単に、ですが)。
ネットフリックスの創業期にまつわるいくつかの謎はまだ解明できておらず、新たに外部の取材先を開拓する必要もあった。なぜなら、同社の広報チームは会社の方針にあくまでも忠実だったからだ。記者や投資家、消費者を相手にしているとき、会社にとって不都合な問題については徹底して情報統制を敷き、隠し通そうとするのだった。
ネットフリックスが公式に回答してくれなかった疑問点を三つだけ挙げておこう。第1に、共同創業者の一人であるマーク・ランドルフに何が起きたのか? なぜ彼への言及が一切ないのか? 第2に、『アポロ13』をめぐる創業物語の舞台は当初サンタクルーズ市内のブロックバスター店だったのに、2006年になってすでに閉店しているラホンダ市の家族経営の店に書き換えられたのはなぜか? 第3に、創業チームの一員であるミッチ・ロウがネットフリックスを辞めて、ビデオレンタル自販機「レッドボックス」の新事業を立ち上げた理由は何か? なぜネットフリックスの事業としてやれなかったのか?
最初、これらの疑問点は些細なことだと思っていた。私が経済メディアの最前列で取材してきた創業物語とそれほど重要なつながりがあるようにも見えなかった。ところが、ある謎が解けると新たな謎がまた出てきて、ウサギの穴に落ちた「不思議の国のアリス」よろしく、ネットフリックスについて知っていると思っていたものがすべてひっくり返されてしまった。
私が見つけたのは、会社の公式説明よりも格段に奥深く、微妙で、複雑な物語だ。本当のネットフリックス史は長くて曲がりくねった旅路である。そこにはいくつもの大失敗や大当たり、裏切り、苦難がある。分かりやすいサクセスストーリーではなかった。
日本に住んでいる僕からすると、ネットフリックスって、アップルとかグーグル、アマゾン、フェイスブックに比べて、なんだか突然、巨大な存在として現れたような印象があり、映像を配信しているだけの会社が、なんでこんなにもてはやされるのだろう?と思っていたのです。
ネットフリックスの創業物語を読んでいると、その二人の創業者、リード・ヘイスティングスとマーク・ランドルフの関係に、アップルのスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックを思い出しました。
会社のビジョンを打ち出し、会社に貢献してきた人でも、不要になったと判断すれば「切る」ことも辞さないヘイスティングスと、優れた技術者で、現場で他のスタッフとともに汗を流して問題を解決し、周囲からも愛されていたランドルフ。
そのふたりの「別れ」というか「距離を置いていく過程」は、「IT企業が大きくなっていくプロセスには、こういうことが起こるのが当然なのだろうか?」と考えずにはいられなくなります。
創業メンバーが「方向性の相違」で離れていくのは、企業だけの話ではないのでしょうけど。
日本からみると、突然あらわれた巨人のようにみえるネットフリックスなのですが、郵送で届けるオンラインDVDレンタル会社から、ネット配信企業、そして、現在の、さまざまなオリジナルコンテンツを生み出し、映像界を支配する存在になるまで、さまざまな苦難があったのです。
DVDの郵送レンタル、というビジネスが生まれたのも、それまでのビデオテープから、郵便で安く送れて壊れにくいDVDというメディアが普及したからですし、オンデマンド配信が可能になってのも、インターネットの高速化が急速に広がっていったからなんですよね。
30年前、まだ店舗でのレンタルビデオも目新しかった時代の僕は、家に居ながら新しい作品をレンタルして観ることができる時代が来るなんて、夢にも思いませんでした。
この本のなかでは、アメリカで最大のレンタルビデオ(DVD)チェーンである、ブロックバスター社とネットフリックスとの熾烈な戦いが描かれています。
ブロックバスターは全米に多くのチェーン店を持ち、顧客の数も持っているコンテンツ(映像ソフト)も、映画会社との関係も、生まれたばかりのネットフリックスとは、とてつもなく大きな差があったのです。



