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アクエリアス部活動CMの感動と違和感 ブラック部活動と勝間香山論争



朝から全俺が泣いた。それは紛れもない事実だ。Twitterでバズっていた、アクエリアスのCMだ。部活動をする若者と家族を描いたCMだ。



しかもCMソングはthe Pillowsの代表曲「Funny Bunny」のカバーバージョンだ。ELLEGARDENなどにもカバーされたこの曲は、私も大好きで。人生のテーマ曲のようなものだ。この歌詞を読んで、泣くがいい、声をあげて泣くがいい。

the Pillowsは率直に一般にはあまり知られていないバンドだと思う。せいぜいバンド名を聞いたことがあるレベルだろう。私も何枚かアルバムを持っているが、日常的に思わず聴いてしまうのはこの曲くらいだ。いや、この曲も一般には知られているとは言い難く。ただ、カバーバージョンとはいえ、彼らの歌がみんなに届き、胸がいっぱいになった。それは彼らがまさにこの曲のように「風の強い日を選んで走ってきた」からだろう。

何度も見てしまった。感動した。ただ、違和感も共有しておきたい。それは「やっぱり部活動って大変なのだよね」ということ。努力は必ずしも報われない。スポーツをする若者も、家族も。支える家族だって、精神的にも肉体的にも、時間的にも、金銭的にも、大変だ。描かれていないが、部活動の顧問の先生も。





これはまさに、内田良先生が問題提起し、警鐘を乱打するブラック部活動問題そのものである。部活動は「青春」の象徴だ。しかし、実態は教員も生徒も疲弊している。

部活動は制度上グレーで、実態は強制的であるにも関わらず「自主的な活動」だとされ、「評価」の対象にもなっており、「居場所」でもあり「競争」の場でもある。教員の家庭では「部活未亡人」という言葉がある。週末は部活動でつぶれ、家にまったくいなくなるからだ。日本の教員が忙しいのは部活動のせいだ。しかも、顧問を担当する先生の半数がその種目の素人だ。搾取もいいところではないか。教員もスポ根だ。

CMで感動してしまうことは紛れもない事実である。ただ、感動してしまう背景には、そんな苦労を感じてしまうからではないか。

勝間さん、努力で幸せになれますか
勝間 和代
朝日新聞出版
2010-01-08




10年前の勝間和代と香山リカの論争も思い出してしまった。本当に努力で幸せになれるのだろうか?努力は幸せをもたらすことももちろんあるし、努力が楽しいタイプの人もいる。ただ、「必ず」「(少なくとも短期的に)報われる」とは限らない。

もっとも10年前はビジネス書もまだ売れていて。努力で幸せになれると思っていた人が一定数いたのだけど。社会が無理ゲー化していて、努力だけでは必ずしも幸せになれないことに気づいてしまった人も多いのではないか。

さらに、努力を強いるシステムにも問題があり。夢とか感動という言葉を振りかざし、従業員に努力を強要し、それに対する対価をしぶるブラック企業の経営者などには怒りしかないのだけれど。





とはいえ、個人としては努力をしてしまう方だし、まだまだ足りないと思ってしまう。育児に没頭している今も、以前のようにバリバリと仕事をしたいとモヤモヤしている。今日も朝早くから原稿を書いている。

というわけで、このCMに感動してしまう自分、少しだけモヤモヤしている自分は十分に矛盾しているのだけど。そういうわけで、今日も矛盾を抱えつつ私たちはみんな、生きていく。

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