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自治体の外国人政策のこれから

行政書士 岡 高志 でございます。

行政書士として外国人雇用に関わっています。外国人は間違いなく増加してまして、受け入れ現場である自治体の外国人政策のこれからはどうなるのか考えています。長文になりますがご一読ください。

外国人労働のこれまで

今世紀にはいって人口減少が日本の課題として議論されてきましたが、以前から、産業面において労働力の減少は大きな課題であって、特定の業種の労働力の需給ギャップを外国人労働力によって穴埋めしてきた実情がある。農業、漁業、工場、建設現場の労働者は違法な手続き含めて外国人材で補ってきた。さまざまな在留資格を利用して、初期には韓国、中国、台湾、ブラジルの日系人が働いていた。

(出典)情報通信白書平成28年度版
(データソース)2015年までは総務省「国勢調査」(年齢不詳人口を除く)、 2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」(出生中位・死亡中位推計)

近年では、留学を主目的としつつ、コンビニエンスストアなどで働く東南アジア出身の労働者も多くみることができる。

日本の出生率引上げ等の人口政策の成果を見ることはないが、労働力の減少については、外国人労働力によって穴埋めしてきた実情である。

外国人労働力がどの程度存在してきたかについては、その違法性の課題や外国人労働者の定義が変化しているため過去をさかのぼるに十分な統計データはないが、近年は法務省の在留外国人統計が整備されており、技能実習や留学の在留資格の外国人が増加していることがわかる。

(出典)情報通信白書平成28年度版
(データソース)法務省「在留外国人統計」

具体的な都市の現状

全国的に人口減少が進む中、首都圏の自治体の多くでも中長期的に人口減少が予測される。いくつかの自治体の人口ビジョンをひも解くと、日本人人口の減少を外国人人口の増大で補っている。

港区のケース  2016年から2026年まで10年間の区民人口増加約52,000人(21%増加)に対して、外国人の人口増加は約13,000人(73%増加)

(出典)港区まち・ひと・しごと総合戦略平成27年度版

大田区のケース  2020年から2060年まで40年間の区民人口推移は横ばいであるのに対して、外国人の人口増加は約4万人の倍増。

(出典)大田区人口ビジョン(2016年3月)

外国人住民を大幅に増加させる人口ビジョンを示しつつも、具体的にどういった在留資格の外国人がどういった業種の労働者で増加するのか、具体的には全く説明されていない。そして外国人をどう受け入れるかの具体政策も示されていない。これが自治体の現状である。

自治体の外国人政策のこれから

人口減少で自治体の歳入面の支え手が減少することを危惧するのであれば、外国人労働力による人口補充しようとする戦略は合理的である。外国人労働力は雇用者であるから、社会保険負担は企業側である。もちろん所得に応じた納税主体となる。

一般的に外国人労働力は低賃金とみなされがちだが、日本の労働法を遵守しているから最低賃金は確保されている。遊びに日本に入国しているわけでないから、週休も1日程度で長い時間働くことも多い。つまり、日本人のパートタイム労働者よりは所得・納税額は大きいのである。

外国人住民が増加することで生じる、生活習慣の相違によるトラブルや治安の悪化は防止するべきである。その一助として、自治体が長年継続している多文化共生施策の充実に期待である。在留要件として、地域イベントへの貢献を求めることも重要である。地域イベントでの出身国の食文化のブース出展、労働者としての技能を生かしたイベント設営支援、自治体のゴミ分別への理解を兼ねたゴミ拾いボランティア等は容易に実行できる。

ただし、日本の賃金水準が世界的にみて圧倒的な優位性があった時代は終わっている。日本の最低賃金時給の平均値が1,000円に届かないなかで近隣のオーストラリアでは2,000円を超えている。人材供給源の東南アジアでは、日本よりオーストラリアが選好される傾向にある。日本の外国人労働力の受け入れ環境が外国人にとってよいものとなるよう整備しなければ、今後も確実に外国人労働力の量や質が確保できるか疑問がある。

また、現在の外国人労働者の在留資格は技能実習や留学など定住を前提とせず、母国へ帰国するものである。日本への理解のある外国人が母国で活躍してくれることで、さまざまなビジネスで日本製品の輸出へとつながることに期待できます。

日本人の受け入れ姿勢をあたたかい理解あるものにしていきましょう。

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