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特集
東京サイドストーリー
2020年の五輪・パラリンピックの開催をひかえ、勢いが増すばかりの首都・東京。約1,400万人が暮らすこの都市には、まだまだ知らない物語がたくさん眠っています。渋谷、新宿、六本木に代表される大都会とは一味違った東京の横顔をBLOGOS編集部が取材。あなたの知らない「東京サイドストーリー」をお届けします。

渋谷と東京駅が“ザッツ東京”。テレ東「出没!アド街ック天国」Pが語る変わりゆく東京の姿

  • 2019年10月01日 13:50
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テレビ東京プロデューサー・小高亮さん:BLOGOS編集部

全国ネットのキー局で、数々の旅番組や街歩き番組を放送するテレビ東京。放送開始から24年が経つ「出没!アド街ック天国」(毎週土曜よる9時)は、毎回ひとつの地域・エリアをテーマとして取り上げ、ランキング形式で紹介する人気情報バラエティ番組だ。

これまで東京を中心に多くの地域を取材・訪問してきた同番組の担当者には、東京の移り変わりや現在の姿はどのように見えているのだろうか。5代目プロデューサーの小高亮さんに話を聞いた。

まだまだ知らない面白い街がある

—1995年に放送を開始した「出没!アド街ック天国」は、テレビ東京の中でも一二を争う長寿番組です。「アド街」をひと言で説明すると、どんな番組なんでしょうか。

毎回、テーマとして取り上げた「街」を勝手に宣伝するっていう番組コンセプトでやらせてもらっています。だから、司会の井ノ原快彦さんにも「宣伝部長」って肩書きがついてるんです。

多くの人は自分の住んでいる街以外のことはそれほど知らないと思うので、街の表面上の魅力だけではなく、街の裏に迫った話や歴史なども含め、色々なことが1時間の放送を見ればわかるような番組にできればと考えています。

—「アド街」では、東京を中心に毎回面白い街を紹介していますが、20年以上放送していると、過去の回とかぶったり、ネタ切れになったりする苦労はありませんか?

やっぱりランキング形式なので、紹介する内容が重なることはあります。ただ、同じ店を扱うのであれば、中身を変えるなど見せ方を工夫して、「毎回新しいことがあるな」って思ってもらえるようにしているつもりです。

街に関しては、ネタ切れはないと思いますね。24年続けてきて、まだ初めて出没する街がある。切り方、取り上げ方の理由をつければ、できることは多くあります。選択肢としては無限にあって、面白い街はたくさん眠っているんでしょうね。

—浅草や銀座といったメジャーなエリアが多く取り上げられている印象がありますが、一方でつい先日も京王相模原線の橋本のような場所がテーマになっていました。

やっぱり浅草、銀座あたりは取り上げた回数が多いですね。頻繁に取り上げるところは扱うエリアを狭めたり、切り口を変えたりしています。銀座であれば、通りや◯丁目、あるいは「老舗」でくくることもあります。

橋本については、京王線の終点なので名前を知っている人は結構いると思うんです。そういった、名前はインプットされているけど行ったことのない街の特集を見ると、ゼロから色々な発見ができるのが面白いなと。結局、自分の知ってる街は面白いんですけど、全く知らない街も魅力的で面白いんですよね。

橋本駅周辺:写真AC

「奥ゆかしさ」に東京らしさを感じる

—自分が知っている街でも、ランキングで紹介されるスポットを見ると、「そんな場所があったか」ということが多くあります。魅力的なスポットはどのように探し出していますか?

これについては、ディレクターが足で稼ぐしかない部分があると思っています。放送の3か月くらい前には街を決めて、がっつり1か月〜1か月半くらい現地に通って取材を進めます。

というのも、実際に街にいる人に話を聞かないと、その街の空気がわからないですよね。だから、しらみつぶしに色々な人に話を聞いて、街の空気を知るというのはどの現場ディレクターもやっています。地元の人に「また来たんだね」って声をかけられることもあるそうです。

—1か月の取材がランキングに生きてくるんですね。

紹介するランキングは、住んでいる人が違和感を持たないようにしようとしています。例えば、六本木がテーマだったとして、1位が「六本木ヒルズ」だったら納得してもらえるかもしれませんが、「テレビ東京」って言われてもね(笑)。

一番気をつけているのは、ただの観光情報にはしないことです。お店の紹介が続くとどうしてもカタログっぽくなって、街の熱が入ってきません。やっぱり街の人を取材して、しっかりと掘り下げるってことはやっていかないとな、と。

—これまでも番組では東京の様々な地域を取材していますが、小高さんが考える「東京らしさ」とはどんなものだと思いますか?

東京って、人もそうだと思うんですけど、おしゃれな町や店でも「おしゃれでしょ?」って全面的に主張してこないような気がします。それは相手が感じてくれればいい、みたいな。そういう奥ゆかしさ、控えめなイメージを持っていますね。例えば関西とかだと、もう少しドーンと主張が前面に出てくるように思います。

繁華街の看板の感じを見ていてもそうですね。東京でも、新宿・渋谷は派手な看板が並んでいる感もありますけど、どこかド派手ではないように思うんです。歌舞伎町はちょっと別かもしれませんけど。

あと、下町とかで見かけることが多いですが、お店の前に植木鉢を並べて置いてあることってありますよね。あれは自分たちのために置いているというより、その前を通る人に向けているんじゃないかという気がしていて。通った人の気分が良ければいいんだ、みたいなおもてなしの精神があって、そういう「粋」が当たり前になっているんじゃないかなと思うことがあります。

変化し続ける渋谷は東京の縮図

—東京に詳しくない人に、わかりやすく東京らしい場所を紹介するとしたら、どこがいいと思いますか?

あまり東京に詳しくないのなら都会的な場所ですよね。ザッツ東京は渋谷か東京駅あたりですかね。

渋谷は今も再開発中ですけど、ずっと変化していて東京を体現している街だなと思います。移り変わりもあるし、いろんな人がいる。渋谷にいる人って、恐らく東京の人ばかりではないと思うんですけど、田舎の人も、もともと東京にいる人も集まっている。良くも悪くも東京の縮図のような気がしますね。

渋谷スクランブル交差点:unsplash

—渋谷が東京らしい街っていうのはすごく納得だったんですけど、東京駅周辺というのは少し意外でした。

東京駅は、周辺の洗練された感じが東京だなと思います。街並みも含めて整然としていて、少し歩けば皇居もあって、あの感じは「東京だな」って感じがします。

—ある程度、東京に慣れてきた人にオススメしたいエリアはありますか?

例えば、森下とか浅草橋の方は美味しいお店が多くて穴場だと思います。浅草橋は東京駅からも近いんですけど、みんな浅草の方に行っちゃうんです。同じような地名ですが、浅草橋には隠れた良いお店がたくさんあって魅力的だなと。

森下も同様ですね。門前仲町まで行ったら、森下まで行くと色々な穴場的な店があるよ、と。

浅草橋:写真AC

人は普段過ごす街に染まっていく

—先ほど、「変化するのが東京」だという話がありましたが、東京の移り変わりというのは日頃から感じていますか?

トータルで見るとそうですね。それこそ浅草橋や森下あたりはそんなに変わっていないと思いますけど、日暮里なんかでも駅前に高層マンションが建って、街並みがずいぶん変わったという話を聞きます。もちろん再開発が進むと便利になるけど、昔の良さみたいなのがなくなっていくのは寂しいですよね。

渋谷や新宿、六本木などの地域は、ビルがボンボン建って画一化していって正直あまり面白くはないかな、と。前も渋谷の桜ヶ丘を特集したんですけど、そこも再開発で全部お店を閉めちゃうという話でした。どこかに移転するんでしょうけど、その場所にあったお店がなくなってしまうのは残念だと思います。

六本木エリア:写真AC

—番組では、毎週テーマの地域にいる人を撮影した「◯◯コレクション」というコーナーがありますね。

これは番組の色のひとつですが、街にいる人を撮影すると街のカラーがなんとなく出てくるんですよね。銀座の人は銀座の人だなって感じがするし、秋葉原は秋葉原っぽい人がいる。

やっぱり、ある街に通ってる人の層はそれぞれ違います。通っているうちに街のカラーに染まって、その街に合う人種になっていくんだろうなと思いますね。例えば、どこに住んでいても普段新宿にいる人は新宿っぽい空気を持っているし、ある場所にいると染まっていくっていうことはあるのかな、と。

—これまで手がけた中で、印象に残っている回ってありますか?

足立区の五反野を取り上げた回ですかね。僕は名前すら知らない場所だったんですけど、足立区特有の下町っぽさとアウトローな感じがあって、東京にまだこんなところがあったのか、と思いました。その回はビートたけしさんがゲストで来てくれたこともあって、すごく印象に残っていますね。

—今後、「アド街」ではどんなものを見せていきたいですか?

街ってどんどん変化していくものだと思うんです。特に東京は、生き物みたいに絶えず変化しているので、そうした変化をうまく捉えて、今見るべき街、今知っておくべき街を情報として提供したいです。

出没!アド街ック天国
テレビ東京にて毎週土曜よる9時から放送

テレビ東京

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