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【自動車】走った距離で税額アップ?「走行税導入」と誤解拡散

自動車の走行距離に応じた課税「走行税」の導入が「『平成31年度税制改正大綱』に明記されている」などの誤情報がネットで広まっている。財務省に事実関係を尋ねたところ、「明記した箇所はない」と返答があった。なぜこのような誤解が拡散されているのか。背景を調べた。

そもそも走行税とは? 2018年12月にメディアが報道

写真AC

走行税とは、排気量や車体重量などに応じた現行の税とは違い、走った距離によって課される税金だ。スイスやドイツ、ベルギーなどのヨーロッパ諸国やアメリカの一部の州で導入されている。

日本で走行税が注目されたのは2018年12月14日、政府・与党が発表した『平成31年度与党税制改正大綱』に

技術革新や保有から利用への変化等の自動車を取り巻く環境変化の動向、環境負荷の低減に対する要請の高まり等を踏まえつつ、国・地方を通じた財源を安定的に確保していくことを前提に、その課税のあり方について、中長期的な視点に立って検討を行う

との記載があったことがきっかけの1つだろう。

この記述に関して、NHKや新聞などの大手メディアが「電気自動車(EV)やカーシェアリングの普及を受け、自動車関連税制の抜本改革に着手する方針を示した」として「政府は今後、走行距離などに応じた課税を検討する見通し」などと報じた。

19年3月5日に開かれた検討会で環境省が使用した「平成31年度税制改正大綱に置ける車体課税等の見直しについて」という資料で、「欧州・米国における主な走行距離課税に関する動向」が掲載されるなど、メディア報道の通り、政府が走行距離に応じた課税の仕組みに着目していることは明らかだが、「平成31年度与党税制改正大綱(平成30 年12 月14 日)においては、いわゆる走行距離に応じた課税に関して明記した箇所はない」(財務省)。

ネットでは「1kmごとに5円」という具体的な数字も

しかし、twitterなどのSNS上ではあたかも走行税の導入が決まったかのような情報が散見される。なかには「1kmごとに5円の方針」、「税制改正大綱に『1000kmごとに5千円』 と記載」などと伝え、3万件以上RTされた投稿もある。

この「1kmごとに5円/1000kmごとに5千円」という数字は、走行税導入国のニュージーランドの課税制度を伝えたNHKのビジネス特集で紹介されたものだ。これを元にした情報がSNS上で広まる中で、「日本の政府が1000kmごとに5千円という税制を明記した」との誤解が広まった可能性が高い。

日本で走行税は導入されるのか

写真AC

今後の走行税導入に関して、財務省は「自動車関係諸税のあり方について、中長期的な視点に立って検討してまいりますが、その具体的内容について、現時点でお答えできる段階ではありません」としている。

一部では「早ければ今年の冬以降、走行税も含めた自動車税制の見直し議論が始まる可能性がある」(NHK)などの報道もある。走行税の導入には、走行距離測定の際のプライバシー問題や公共機関の少ない地域住民の税負担が重くなるなどの指摘もあがっており、今後の行方に注目すべきだ。

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