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日本株のインデックス運用はやめた方がよいという、これだけの理由

証券アナリストジャーナルの6月号の特集は何と「株式集中投資」です。日本株式のインデックス運用について、疑問を投げかける原稿が、野村総研の堀江氏や京都大学の川北氏といった方々から発表されています。堀江氏の主張は野村総研のこのページ(PDFファイル)にも、同様のことが書かれています。

インデックス運用とは、インデックスファンドやETFを使って誰でもできる市場平均を狙う運用方法です。投資初心者はまずこのインデックス運用を使って平均点を狙い、その上で銘柄やファンドの見極めができるようになってから、集中投資のようなアクティブ運用すべき、というのが私の意見です。

日本株については、この方法はワークしないということなのでしょうか?この2人の意見を自分なりに考えてみたいと思います。

堀江氏によれば、2002年から2011年までの10年間でTOPIX(東証株価指数)は約2割下落しているのに、個別企業を騰落率順に並べると、丁度中位の企業で約2%のプラスのリターンになっていると言います。

つまり、インデックス運用でTOPIXに投資したら2割のマイナスだったが、東証一部の銘柄を適当に選んだら半分以上の確率でプラスのリターンだったということです。これは、時価総額の大きな企業のパフォーマンスが相対的に悪かったことを意味しています。

川北氏はTOPIX構成銘柄のPBR(株価純資産倍率)が1を割れている理由を、企業の事業用資産の効率性が落ちているからではないかと推測しています。また、実証研究によれば、経済成長率が低下すると日本の企業の間の収益性のバラつきが大きくなることもあげられています。つまり、景気が悪くなると、ダメな会社は一層ダメになるということです。

この特集からは、日本株の全体ではなく、良い会社だけを選べ(あるいはダメな会社だけは除去せよ)という運用の提案が導き出されていると思います。つまり、インデックス運用をやめてアクティブ運用せよ、ということです。

しかし、具体的にどのような方法でやれば、超過収益を得られるのかについては、確固たる方法がある訳ではありません。問題があることがわかったとしても、その解決方法が明確には存在しないのです。

この特集からわかったことは、20年以上にわたる日本株の低迷は、日本の株式市場の中に利益率が資本コストを下回る「価値破壊的な企業」が株主によって排除されないメカニズムが存在することが原因である可能性があるということです。

同じ先進国の中でも株式のパフォーマンスが例外的に低い日本。その理由は、マクロ経済の問題ではなく、むしろ市場メカニズムが正常に働かないことにあるような気がしてきました。

今回の問題は簡単に結論が出せる話ではありません。しかし、日本株をどのような手法で運用していくべきなのか。私を含め、個人投資家の資産運用にとって、とても重要なテーマです。面識のある日本株のアクティブ運用マネージャーの意見も聞いてみようと思っています。

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