
■家電量販店チェーンのベストバイはサービスの拡大で脱量販店、脱チェーンストアを目指している。
ベストバイが25日に発表した5ヵ年計画では、65歳以上のシニア層をターゲットに500億ドル企業を目指すのだ。テレビやパソコン、スマートフォンを売っている家電量販店が3.5兆ドルのヘルスケア市場にテクノロジーで本格参戦する。
脱量販店、脱チェーンを率いるのは44歳の女性経営者。ベストバイでは6月、CFOのコリー・バリー氏がヒューバート・ジョリー氏にかわってCEOに就任した。ベストバイ5代目CEOは創業から53年で初の女性だ。グローバル企業の総収入ランキングトップ100企業となるフォーチュン100でも、バリー氏は最も若い女性経営者となる。
バリー氏は「ビルディング・ザ・ニュー・ブルー第2章(Building the New Blue: Chapter Two)」と題し、2025年までに売上高を500億ドルに拡大し、営業利益率を5%を達成させ、10億ドルのコスト削減を目指す。
ベストバイの売上高は2020年2月期で430億ドルを見込んでおり、5年で500億ドルの売上を上げるには年率3%で増加させなければならない。
ベストバイはベビーブーマーの高齢化、社会のシニア化を視野にヘルスケア市場に同社が得意とするITで殴り込みをかけるのだ。
アメリカでは65歳になる人は現在、1日約1万人。65歳以上のシニア層は2018年の5,200万人から2060年には2倍弱となる9,500万人と予想されている。同時にシニア層の3分の2となる人達は2つ以上の慢性疾患を抱えている。多くが外出を控え自宅で過ごしているということなのだ。