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国民民主党・玉木雄一郎代表が指摘する自民党改憲案の問題点とは(講演全文)

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重要なのは組織名ではなく、自衛権の範囲をどうするか

「ただ、関係ない戦争に『お前行け」と言って、付き合わされるほどバカなことはないし、そんな税金の無駄遣いもない。

だから、9条2項を考える時に重要なのは、『自衛隊」という組織名を書くことではなく、5兆円の規模で存在する自衛隊が一体どこまで自衛権を行使できるのか、あるいはその条件は何なのか。自衛権の範囲を議論することが最も重要。

組織の名前は書いても書かなくてもどっちでもいい。

憲法上、組織名を書いてあるというのはほとんどない。自衛隊を書くのであれば、防衛省も書くという話になってくる。

むしろ大事なのは、自衛権の範囲を一体どこまで認めるのか、憲法上、再定義しなければいけないのではないか、というのが私の問題意識です。

先ほど述べたように、新しい檻の形を憲法上、明確に示す必要があるのではないか。もっというと、我が国が当たり前のように考えてきた平和主義とは一体何なのか。どういう時に我々は戦争を覚悟するのか。武力行使と武力行使によって伴う様々な被害を我々全体として受任するのか、ということを正面から議論しきることが、憲法の議論において不可欠だと思います。

それを誤魔化して、『組織名だけ書きました」とか「自衛隊の息子さん娘さんがいじめられて泣いています」とか、そうじゃなくて、我々はどういう時に戦争を覚悟するかなんです。

例えば、アフリカに来いと、アメリカとかに言われた時に、お付き合いして、それで自衛隊の方が亡くなることを覚悟することまで含めて、自衛隊の武力行使の範囲を広げるのか、それとも一定程度攻撃を受けた時だけに限定するのか。

あるいは、最近は、軍事技術の発展と共に、様々な反撃の形態が増えてきているので、例えばイージス艦はいくつかありますが、実際にミサイル防衛をやる時は、データ・リンクを張って、まるで一隻のように行動します。

ミサイルが飽和攻撃で飛んできた時に、コンピューター計算を瞬時にして、どのミサイルに対して、どの船のどの砲台が最も適切に最短で打てるのか、というのを同時に計算しています。

だから、船が複数あったとしても、例えば3隻でミサイル防衛した時に、データで繋がるので、まるで一隻の大きな船になっていて、たまたま日本の船が攻撃を受ければこれは個別的自衛権、でもたまたま同盟国のアメリカの船に着弾すれば形式的には集団的自衛権になる。

自国の船が攻撃されていないのに、反撃したら集団的自衛権ですから。

ただ、このデータ・リンクを貼って一体としてやっている場合に、たまたまファースト・ストライクがアメリカの船に当たった時には、これは日本に対する攻撃と見なしても良いと、広い意味での個別的自衛権の範囲として考えてもいいんじゃないかと。

軍事技術の発展によって、法的概念も多少の広がりと揺るぎと柔軟性が出てきているので、一体どこまでやるのかということをきちんと、憲法上であれ法律上であれ、考えていくことが必要だと、私は提起しています。」

平和的改憲論

「単に9条を一字一句変えないままでいくと、今みたいに何でもできてしまう。

むしろちゃんと、9条2項で明確な戦力として認めた上で、『ここまでですよ」と武力行使の範囲をきちんと議論していくことが憲法上、一番誠実な議論ではないかと思います。

もちろん最終的に9条2項を変えないという選択もありますが、それは結局無限の武力行使を許してしまうことになる。

実際、アメリカともいろんな話をしますが、2014年の解釈改憲をやる前は、アメリカから9条2項を変えてくれと様々な要請を受けていましたが、集団的自衛権を9条2項をそのままにして認めた以降は、何も言ってきません。

なぜかというと、何でもできるから。

つまり、9条2項は一定の制約を日本の自衛隊に課す機能を失っている。だからアメリカは言う必要がなくなった。

それはやっぱりおかしいと思うので、新たな檻を、軍事的公権力の行使をきちんと縛っていく新しい檻を議論していかないと、日本の平和主義は守れないんじゃないかと。

そういうことで、私は平和的改憲論を本会議でも提案させてもらって、9条の2項を虚心坦懐議論した方がいいんじゃないか。

新しい檻の形を国民のみなさんと考えていかなければいけないのではないかと、提案しています。

ですから、9条を変えないと平和で、変えたらとにかく軍拡だ、という単純な議論から抜け出て、本当に何が必要なのか、特に日本が守ってきた平和主義と制度的な乱用を縛る新しい檻の形は何なのか、若い人たちと議論を積み重ねていきたいと思っています。」

同性婚や食料安全保障について

「今日は9条を重点的に話しましたが、9条以外にも、例えば同性婚。

日本でも同性婚の法律を作ろうという議論があります。

憲法の中には婚姻の条件として、『両性の合意に基づく』と書いてあります。

両性というのは、異なるSEXということ。男女ということですが、厳密に読むと、『両性の合意』だから同性では結婚できないという風にも読める。

だけど、これは解釈上、日本国憲法は同性婚を否定したものではないと、固まっています。現行の憲法の中でも、同性婚は認められます。ただ、解釈改憲がだめだと言う人もいる。

『両性の合意』と言いながら、同性婚が認められるのも、解釈改憲なんです。

憲法の規範性をより明確にするのであれば、『両性』ではなくて、『両者の合意』と書けば、明文上も明確に同性婚が認められるようになる。

これは、リベラル側からの改憲論として十分あり得るんじゃないかと思います。

9条に関しては解釈改憲がだめで、(同性婚に関しては)急に解釈改憲でいいんじゃないか、というのはダブルスタンダードにもなる。

もう一つは、食料安全保障の規定を入れるべきだというのが、従来からの私の主張です。

今は、日本の食料自給率は38%ぐらいで、お金さえ出せば世界中から買えますが、2020年代、2030年代、2040年になると確実に、食料を巡る大戦争になります。

そうすると、一定程度、国内で日本人が日本国民に食べさせる食料は確保する、食料安全保障を考えないと、大変な時代になるんじゃないかと。

今も水産物なんかは、中国に買い負けしていて、十分な量を買えなくなってきていますから。

やっぱり食料安保は非常に重要だと思います。

2017年に、スイスは憲法に明確に食料安全保障を書きました。

いくつか理由を掲げていて、その一つが、日本も非常に参考になると思うんですが、人口が都市に集中しないようにするためにも、一次産業が大事で、食料安保が大事だと書いています。」

104条のa 住民への食料の供給を保証するために、連邦は以下を支える条件を整備しなければならない。

 a. 農業生産基盤、特に農地の保護

 b. 地域の条件に適合し、天然資源を効率的に使用する食料生産

 c. 市場の要件に対応する農業および食品部門

 d. 農業および食品部門の持続可能な開発に貢献する国際貿易

 e. 天然資源を保全する方法による食物の使用

出典:スイス連邦憲法

「国の形をどうするか。農業が滅んでも、他の国から買ってくればいいじゃないか、というのも一つの考え方。

ただ私はそうじゃなくて、日本はこれだけの広い国土があって、北海道から沖縄まで様々な自然と植生がありますから、農業、漁業など、一次産業をちゃんと維持していくという意味でも、食料安保を憲法に書いていくことも議論すべきだと提案しています。

いずれにしても、幅広く、国のあり方、形を、憲法を議論することによって、みんなと考えていくことが大事だと思いますので、我々国民民主党は、憲法の議論をしっかりしていこうと、これからも進めていきたいなと思っています。」

・日本若者協議会とは

「若者の意見を政策に反映させる団体」として各政党との政策協議、政策提言を行っている団体です。具体的には、「被選挙権の引き下げや供託金の引き下げ」「審議会での若者比率の上昇」「若者担当大臣/子ども・若者省の設置」等を提言してきました。2016年参院選や2017年衆院選、2019年参院選では、主要6政党の公約に載せることに成功しています。2018年5月に発足した超党派の「若者政策推進議員連盟」では事務局を担当。個人・団体会員の合計は約4,100名となっています(2019年8月時点)。

https://youthconference.jp/

※Yahoo!ニュースからの転載

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