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朝日新聞の「文化庁補助金不交付報道」は印象操作でしかない

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朝日新聞の9月27日付紙面

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示(時事通信フォト)

「表現の不自由展・その後」に展示された彫刻家キム・ソギョン氏、キム・ウンソン氏夫妻の「平和の少女像」(時事通信フォト)

愛知県が設置した検証委の中間報告を受け、記者会見する大村秀章知事(共同通信社)

作家・ジャーナリストの門田隆将氏

 高度に情報化された社会の到来で、メディアは存在意義の再定義を迫られている。作家・ジャーナリストの門田隆将氏が指摘する。

【写真】「時代の肖像―絶滅危惧種 Idiot JAPONICA 円墳―」と題された作品と少女像

 * * *
 なぜ朝日新聞は、ここまで読者に「事実を伝えないまま」世論誘導をしようとするのだろうか。そんな卑怯な手法はとっくに「通用しなくなっている」のに、朝日は未だにそれを続ける。

 多くの若者がこのことをネットで議論し合い、時に憤り、時には呆れ、笑い、そんなSNSの時代となっている。それでも朝日は自らの読者をターゲットに“歪んだ情報”を出し続けているのだ。

 私は9月27日付の同紙の朝刊を手に取り、しばらく茫然としていた。この日の朝日は1面トップで、また2面で、さらには社説のある14面で、あるいは31面の文化・文芸面、そして35面の社会面という「計5面」を動員して、あいちトリエンナーレに対して文化庁が7800万円の補助金を不交付にしたことへの非難記事を「これでもか」と掲げたのだ。

 それは質量ともに異様としかいいようがないものだった。その異様さは、朝日が「真実を隠して」記事を展開したことによる。

 いかに朝日が事実を報じていないか。それは、これらの記事の中に登場する「昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品」という表現に集約されている。

「燃える」という語感を読者はどう捉えるだろうか。きっと昭和天皇の肖像が“何か”があって「燃えている」のだろうと想像するに違いない。普通の感覚ならそうだ。

 まさに、そこに朝日の黒い意図がある。何かがあって「燃えている」のだったら怒る必要はないかもしれないからだ。だが、実際はどうだろうか。ネットではその作品を見ることができるから確認してみるといい。

 それは、「昭和天皇の肖像をバーナーで焼き、燃え残りを足で踏みつける」映像作品である。「日本国民統合の象徴」である天皇の肖像をバーナーで焼き、燃え残りを足で踏みつけるということは「日本人そのものを貶める」目的をもった作品であることがわかる。

 展示中止が発表された8月3日、私は実際にこの作品群を観ている。作者の日本に対する激しい憎悪————それを真っ正面から受けた私は、ただ作品を凝視するしかなかった。

 私はまわりの人々にも目をやった。皆、無言でこの作品を観ていた。いや、睨みつけていた、と表現した方が正しいかもしれない。

 天皇を憎悪し、侮辱する作品はこれだけではない。その映像作品の手前には、昭和天皇を髑髏(どくろ)が睨んでいる作品も展示されていたし、また通路を挟んだ向かいには、正装した昭和天皇の顏の部分を白く剥落させ、うしろに赤で大きく✕を描いた銅版画もあった。

 さらに歩を進めて広い空間に出ると、そこにはテントのような「かまくら形」の作品があった。外壁の天頂部に出征兵士に寄せ書きした日の丸を貼りつけ、まわりには憲法九条を守れという新聞記事や靖国神社参拝の批判記事、あるいは安倍政権非難の言葉などをベタベタと貼りつけ、底部には米国の星条旗を敷いた作品である。

 タイトルは「時代の肖像―絶滅危惧種 Idiot JAPONICA 円墳―」。Idiotは「愚かな」という意味であり、おそらく「絶滅危惧種」たる愚かな日本人の「墓」を表わしたものなのだろう。少女像が展示されていたのは、この作品の奥である。

◆事実をねじ曲げて寄せていく

 私は、少女像より何十倍、何百倍もの日本への憎悪をこれらの作品に感じた。しかし、マスコミは朝日に代表されるように、絶対にこの作品群を正確には報じない。なぜか。

 答えは簡単だ。もし、作品群の真実を報じたら、問題の「表現の不自由展・その後」に展示されているものがいかに「表現の自由」を逸脱しているかがバレてしまうからだ。

 表現の自由は、長い時間をかけて人類が獲得した崇高な自由のひとつである。これを侵してはならないのは勿論だが、同時にそれは「無制限」ではなく、運用にあたっては「節度」と「常識」が必要であることは言うまでもない。

 だが、新聞とテレビは、この作品群をひたすら「少女像」だけに矮小化させた。つまり、「一部の保守派が少女像に反発し、表現の自由を圧迫している」という図式で報じたいからだ。そのためには、非難が高まるような昭和天皇に関わる作品や、亡くなった兵たちの死を揶揄したり、馬鹿にしたものであってはならないのだ。

 自分たちが主張することに「事実をねじ曲げて寄せていく」ことを朝日社内では「角度をつける」という隠語で表わす。日本では、ほかのメディアでもこれが日常化しており、新聞とテレビしか情報源を持たない情報弱者、つまり“情弱”は、完全に彼らに踊らされているのである。

 それを前提に朝日の報道を見て欲しい。文化庁が補助金7800万円を全額不交付にした翌日、朝日は前述のように問題の作品群の「真実」に触れないまま、計5面も使って文化庁攻撃に出たのである。

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