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change.orgによるあいちトリエンナーレ補助金不交付反対のキャンペーン

Change.orgのキャンペーンには、共感するものでもちょっと危うさを感じて、めったに賛同しないのだが、この問題については文化庁の対応がひどすぎるので、危うさはやはりあるが、そんなことにこだわるよりとにかく意思表示をと思ったので賛同。

しかし、このキャンペーンが検閲反対と銘打っているのは、やはりいただけない。

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この写真は、かつての社会主義国クロアチア(旧ユーゴ)のリゾート都市ブラチスラヴァの街角にある、軍による監視を模ったオブジェである。

やはり社会主義国は、その問題に対する感度が違う感じがある。

あいちトリエンナーレの問題に関しても、雰囲気的に流れるのではなくて、ちょっとは言葉を選んで置くべきだ。

文化庁がやらかす補助金不交付問題を「検閲」として非難するのは、一般的に使いやすく問題を分かりやすく表す言葉かもしれないが、最高裁の用語法とは異なるので、つまらない反論で終りとなりやすい。「これは検閲ではありません」と。

最高裁は「「検閲」とは、行政権が主体となつて、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指す」という。これは最大判昭和59年12月12日民集38巻12号1308頁で、税関検査が検閲に当たらないとした事件の一般論で、以後、累次の判例が積み重ねられている。


それに、あいトレの補助金不交付は、本音はともかく、慰安婦像を展示したからではなく実現可能性が乏しいことになる事情を申請時に明らかにしなかったことにあるというのが不交付の理由だ。

山田太郎議員のブログに掲載されていた文化庁の報道発表資料は、もう少し細かいが。

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法的に不交付を争うなら、やはり申請と審査に通常要求される水準に照らして不備がなかったことを主張するというテクニカルな話が第一だろう。
テクニカルに見えても、これは、事後的にネトウヨが騒いで脅迫して混乱や中断を招いたとしても、そんなことでは公金使用が左右されないと示すことになる。

この点に関して、山田太郎議員は、以下のように指摘されている。

既に補助事業としての採択(「内示」相当)をしているにもかかわらず、「危険予知が出来ていなかった」ことだけを理由に補助金不交付の決定をした
開催前に補助金交付決定がなされるべきであったと思われるが、補助金交付申請の標準で審査にかかる30日を超えて、事業開始までに交付決定がされていなかった

こうした問題点ももちろんである。

それから平先生の以下のツイートも参考になる。

今回の問題は、ネットで反感を買って中止に追い込まれるような表現行為について、それ自体不当なことだが、それに国や地方公共団体が加担して事後的にもダメージを与えることで、ますます表現行為の自由さが失われていくこと。

その危険は慰安婦像だけでなく、性的表現でも環境保護の主張でも同じ。 

従って表現の自由を危うくする行為ではあっても、検閲だというのはちょっと違う。 

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