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中国の配車アプリ「DiDi」が日本上陸1周年、現状と今後の展開は?

中国生まれの配車アプリ「DiDi」が日本に上陸してから1年が過ぎた。地域にもよるが、グーグルマップで目的地を入力して経路を検索すると、「DiDi」でタクシーを呼ぶという選択肢が表示されるので、目にする機会も増えてきたはずだ。日本に浸透し始めた様子のDiDiだが、今後の展開は。

中国でライドシェア事業を手掛ける滴滴出行(Didi Chuxing)とソフトバンクは2018年6月、「DiDi」の日本展開に向けてDiDiモビリティジャパンを設立。同年9月に大阪でサービスを開始した。ちなみに、日本版DiDiは好きな場所で「タクシー」を呼べる配車アプリであり、本国でのように、一般の人が運転するクルマに乗せてもらう「ライドシェア」のような使い方はできない。

サービス開始1周年記念キャンペーンの発表会に登壇したDiDiモビリティジャパン取締役副社長の菅野圭吾さんによると、同社は日本で「配車アプリナンバーワン」を目指しているという。現状、その目標については道半ばであるものの、大阪、兵庫、福岡、広島の4都市ではトップの座を獲得したそうだ。

アプリの累計ダウンロード数は増え続けており、これまでに契約したタクシー事業者の数は310社に達するとのこと。同社では「2019年度中に13都市」でサービスを開始するという方針を掲げていたが、これを前倒しで達成できる見通しとなったため、「2019年中に20都市」という新たな目標を打ち出した。

DiDiモビリティジャパンは今回、スマホ決済アプリを展開するPayPayと手を組み、タクシー料金を半額に割り引くキャンペーンを実施すると発表。半額クーポンを取得し、タクシー代をPayPayで支払うことでキャンペーンが適用となる。割引き額の上限は2,000円。DiDiモビリティジャパンでは割引きの原資として2億円を準備しているとのことだ。菅野副社長によると、日本ではDiDiを利用する「若者」と「女性」が増えているそうだが、こういった新規ユーザーの流入にはキャンペーンが効いているようだ。

タクシー配車アプリ市場にはライバルが多い。試しに東京都千代田区でGoogleマップを立ち上げ、目的地を入れて経路を調べてみると、タクシー配車アプリとしては「DiDi」のほか、「Uber」と「JapanTaxi」という候補が表示された。

そういった厳しい市場の中で、DiDiモビリティジャパンはサービス品質の向上に向け、地図のゼンリンと手を組んだ。具体的には、タクシードライバー用のDiDiアプリ内で今後、ゼンリンのナビが使えるようになる。

日本で数十年にわたりカーナビ用の地図を作ってきたゼンリンには、独自のノウハウがある。例えば、目的地まで最短ルートで向かおうとした場合、Googleマップだと細くて通りづらい道に誘導されることもあるが、ゼンリンのナビはクルマでも通りやすい幹線道路を優先的に提案するそう。ユーザーの乗車地点に向かう際には乗車してもらいやすい方向、つまり、ユーザーに対してクルマの左側を向けて到着できるようなルートを設定するという。

DiDiモビリティジャパンは現在、「事前確定運賃」への対応や「需要予測ヒートマップ」の導入などに向けた準備を進めているという。ユーザーにもドライバーにも使いやすいアプリを目指し、機能の拡張を図っているのだ。同社ではプロダクトの改善に最も力を入れているそうで、アプリの開発力とそのスピードに強みがあると菅野副社長は自信を示していた。

タクシー配車アプリは充実してきた印象だが、今後、いわゆるライドシェアが日本で利用できるようになる日は来るのだろうか。その点について菅野社長に聞いてみると、DiDIはタクシー配車プラットフォームサービスにフォーカスして日本市場に参入しているので、ライドシェアについては取り組むつもりもないとのことだった。

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