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【クローガー】、食品スーパーにフードホール・コンセプト!グローサラントの次の展開?


■スーパーマーケットチェーン最大手のクローガーは25日、オハイオ州シンシナティのダウンタウンにフードホール・コンセプトを持つスーパーをオープンした。

ニューヨーク・マンハッタンなどのビジネス街で雨後のたけのこの勢いで増殖しているフードホールは広義としてショッピングセンター内にあるフードコートのことだ。

一般的にフードコートのテナントの多くがファストフードチェーンであるが、フードホールでは地元の素材や新鮮さにこだわったレストランや有名シェフがプロデュースするグルメ飲食店、人気フードトラックのベンダー等、コンセプトがはっきりした外食店がテナントになる。

また昔からある歴史的な古い建物を生かしたモダンなつくりにアップスケールする一方、提供される食事は手頃な値段で統一されている。

フードホールはヨーロッパから入ってきた言葉であり、様々なフードホールが成功しているため明確な定義はされていない。

アメリカでフードホールの流れを組む源流となっているのが、サンフランシスコ・ベイエリアのフェリービルディング、ロサンゼルス・ダウンタウンにあるグランド・セントラル・マーケットだ

。 クローガーはフードホールをもつスーパーを本社から1ブロック離れた、18階建てのアパートメント・ビルディング(100 E Court St Cincinnati, OH 45202)の1階と2階にオープンしたのだ。

延床面積52,000平方フィート(約1,460坪)の1階部分は忙しいビジネスマンを対象にしたグラブ&ゴー商品やミールキットやミールソリューション商品、建物の外からオーダーできるウォークアップ・ウィンドウを持つスターバックスなどをフューチャーしたスーパーマーケット。

2階部分がフードホールとなる「オン・ザ・ライン・イータリー(On the Rhine Eatery)」だ。オン・ザ・ライン・イータリーは5つのレストランとライブ演奏用のステージ、アウトドア・パティオ・スペースを含む200席以上のキャパを持つイーティングエリアだ。

5つのレストランにはクローガーがグローサラント・ブランドとして展開し地ビール等も提供する「アメリカン・レストラン・キッチン1883(American Restaurant Kitchen 1883)」、ラーメンや餃子など人気のアジア系フードの「ドープ・エイジアン・ストレートフェア(DOPE!Asian Street Fare)」、メキシカンの「ジャンゴ・ウエスタン・タコ(Diango Western Taco)」、スモークド・ポーク・サンドイッチなど地元で人気のレストラン「イーライスBBQ(Eli's BBQ)」、地元で有名なフードトラックでハンバーガーを提供する「クイーン・シティ・ウィップ(Queen City Whip)」だ。

シーティングエリアの中央は吹き抜けになっており、スーパーの売り場が見渡せるようになっている。准テラスとなるアウトドアスペースにはシーリングファンが付き、4台のTVモニターもありビジネスマンが利用しやすいようになっている。

フードホールにはライブ演奏用のステージもあることから週末は、同じビルのアパートメントやダウンタウンの住人向けの飲食スペースとなるのだ。

また将来的にはモバイルオーダーやデリバリーの展開も視野にいれているという。

いまのところフードホール・コンセプトの拡大はないもののスーパーマーケットチェーン最大手の新たな挑戦に競合スーパーも影響をうけることになりそうだ。

トップ画像:オハイオ州シンシナティのダウンタウンにオープンしたフードホール・コンセプトの「オン・ザ・ライン・イータリー(On the Rhine Eatery)」。1階がスーパー、2階が5つのレストランと200席以上のキャパを持つイーティングエリアのフードホールだ。


地元のTVニュースで紹介したフードホール・コンセプトのクローガー。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。グローサラントとはスーパーマーケットを意味するグローサリー(grocery)とレストラン(restaurant)を合わせた造語であり、レストランのような高品質のプリペアドミールを販売しながらも、スーパーマーケットの店内でも食事を提供する業態です。これは儲けを優先する以上にコミュニティの中心的な役割を果たす意味が大きいのです。

なぜスーパーが公民館のような役割を担うかといえば、売り場に人をこさせるためです。カーブサイド・ピックアップやデリバリーのネットスーパーで売り場まで行かなくても生鮮品を購入できます。売り場に来てもらうためにわざわざコミュニティとしての役割を担っているのです。食品スーパーがグローサラントからフードホールに拡大する目的も実はそこにあります。フードホールのイートインスペースはグローサラントと同様に、お弁当から近所のパン屋で購入したパン、スーパーで購入した飲み物まで何を持ち込んでもOK。ここがポイント。

グローサラントやフードホールを目先の儲けのために展開しようとすれば上手くいかなくなります。スーパーは地域社会とどのように深く関わるかで売上が変わるという視点が必要となります。

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