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壱岐市、気候非常事態を宣言 国内自治体で初

長崎県壱岐市は25日、気候非常事態宣言(以下、CED)を発表した。CEDは気候変動による影響が甚大であることを認識、宣言するもの。世界中の国や自治体、学校、団体などに急速に広がっているが、国内で単独の自治体、団体などが宣言した前例はなく、壱岐市が初めて。同市は昨年、SDGs未来都市・同モデル事業に選定されている。今回の宣言では気候変動の非常事態を市民へ周知するほか、日本政府やほかの自治体との連携を広く呼び掛けることも盛り込まれた。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本啓一)

CEDを宣言した自治体は25日現在、世界で1042にのぼる。気候変動が喫緊の脅威であり、現在が「非常事態」であると認識するCEDの宣言は2016年にオーストラリア・デアビン市から始まり、今年に入ってから急速に拡大している。カナダ、イギリス、フランスなどの9カ国は国としてCEDを発し、気候変動対策を重要な政策課題と位置付けている。これまで国内ではグローバルな連盟に名を連ねてCEDに参加する団体はあったが、単独の行政機関や民間団体がCEDを宣言する例はなかった。

そんな中、長崎県壱岐市議会で25日、CEDを含む議案書が可決され、宣言が発表された。同市では一昨年の記録的な大雨に続いて、今年8月の「50年に一度」と言われる集中豪雨で家屋の倒壊や土砂災害など、甚大な被害があった。「異常気象を体感し、市として重要性を認識している」と話すのは壱岐市SDGs未来課の小川和伸課長。

宣言には気候非常事態の認識のみならず、2050年までに再生エネルギー(再エネ)100%を目指す取り組みの推進など、CO2削減に向けた意欲的な行動目標を盛り込んだ。SDGs未来都市としてだけでなく、離島だからこそ、再エネへの取り組みを強く推進するという考えがあるという。

「宣言を出したが、一自治体だけで気候変動の問題が解決できるわけではない」と小川和伸課長は各自治体や団体の連携の重要性を強調する。

20日、グローバル気候マーチ(GLOBAL CLIMATE STRIKE)」には都内で約2800人が参加した。気候変動への注目が国内でも高まる中、壱岐市の気候非常事態宣言は、政府やほかの自治体に認識が一気に波及する契機になるかもしれない。

壱岐市 気候非常事態宣言 全文

 2016年、日本を含む175の国と地域が、気候変動の脅威とそれに対処する緊急の必要性を認識し、温暖化に対して「産業革命前からの気温上昇を2℃より低い状態に保つとともに、1.5℃に抑える努力を追究する。」ことを目標とした「パリ協定」について署名しました。

 既に、産業革命前に比べて約1℃の気温上昇によって、世界各地で熱波、山火事、洪水、海面上昇、干ばつなどの極端な気候変動が頻繁に引き起こされ、多くの人々や自然が犠牲となっており、地球上で安心して安全な生活を送ることが困難な状況になりつつあります。

  日本各地でも、猛暑、台風、集中豪雨、洪水などの気象災害により痛ましい被害が発生し、本市においても、集中豪雨による災害や水不足などの異常事態が発生しています。また、藻場が減少し、本市の基幹産業である漁業も深刻な 影響を受けています。

 本市は、地球温暖化に起因する気候変動が人間社会や自然界にとって著しい脅威となっていることを認識し、ここに気候非常事態を宣言します。

 気温上昇を1.5℃に抑えるためには、2050年までにCO2排出量を実質的にゼロにする必要があります。

 この脱炭素化の実現に向けて、社会全体で次の活動に取り組みます。
 これらの活動は、SDGs未来都市として、SDGsの達成と新たな成長と発展につながります。

1 気候変動の非常事態に関する市民への周知啓発に努め、全市民が、家庭生活、社会生活、産業活動において、省エネルギーの推進と併せて、Reduce (リデュース・ごみの排出抑制)、Reuse(リユース・再利用)、Recycle(リサイクル・再資源化)を徹底するとともに、消費活動におけるRefuse(リフューズ・ごみの発生回避)にも積極的に取り組むように働きかけます。特に、海洋汚染の原因となるプラスチックごみについて、4Rの徹底に取り組 みます。

2 2050年までに、市内で利用するエネルギーを、化石燃料から、太陽光や風力などの地域資源に由来する再生可能エネルギーに完全移行できるよう、 民間企業などとの連携した取組をさらに加速させます。

3 森林の適正な管理により、温室効果ガスの排出抑制に取り組むとともに、森林、里山、河川、海の良好な自然循環を実現します。

4 日本政府や他の地方自治体に、「気候非常事態宣言」についての連携を広く呼びかけます。

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