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【米非介入主義とクインシー研究所の設立】

アメリカはイランに対して攻撃するのか?非介入主義のトランプ大統領はしないのではないかという空気が漂うなか、ことし11月にもワシントンで設立されるシンクタンクQuincy Instituteが注目されています。

ともに億万長者で▼めっちゃ“左”のジョージ・ソロス氏と▼めっちゃ“右”のチャールズ・コーク氏が資金支援しています。左右をそれぞれ代表する資本家が資金を拠出してシンクタンクを作ることは、トランプ大統領によって伝統的な外交がいかに揺さぶられているかを象徴していると受け止められています。
トランプ政権独自と見られるアメリカの“非介入主義”は、政権を問わずどうも今後も続きそうです。クインシー研修所は先週まで聞いたことなかったのですが、確かにいろんな形で報道されています。

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クインシー研究所は、正確にはQuincy Institute for Responsible Statescraftで、1825年から1829まで第6代アメリカ大統領を務めたJohn Quincy Adamsの”(America) goes not abroad in search of monsters to destroy(アメリカが外国に行くのは、退治すべきモンスターを探すためではない)“という非介入の外交から来ているとホームページにあります。

https://quincyinst.org/

共同創業者のStephen Wertheimは9月14日のNew York Timesに寄稿しました。これまでアメリカがいかに無用に外国の戦争に巻き込まれたかを指摘。トランプ大統領が一般教書演説で「偉大なる国家は、終わらない戦争を戦わない(Great nations do not fight endless wars)」と述べたとした上で、「終わらない戦争を終わらせる意味」を問います。

アメリカの指導者が拒絶するだろうと前置きした上で、「アメリカの軍事の優位を終わらせ、複数の国家が共存し平和である世界を認めること(end America’s commitment to armed supremacy and embrace a world of pluralism and peace)」がアフガニスタンなどでの「終わらない戦争」を終わらせるカギだと主張。

1946年以降にアメリカが行った他国への介入のうち約80%は1991年以降に起こっていて、1991年以降、ほぼ毎年イラクを爆撃し、2011年の911以降、軍事に6兆ドルを費やしたと言います。

これを踏まえてStephen Wertheimは、達成できない支配を求めるよりもアメリカ国民の安全と福祉を求めながら他国の尊厳を認めることこそが責任ある国政術だと解説しています。

1821年に当時のジョン・クインシー・アダムス大統領が「アメリカが外国に行くのは退治すべきモンスターを探すためではない」と言ってから約200年たって、トランプ時代に終わらない戦争が日常となっているが、これを根絶すればアメリカは世界で責任ある位地を占めて平和を回復できると締めくくっています。

で、クインシー研究所って何?

ということで、Stephen Wertheim(共同創業者)が8月30日にWashington Postに趣旨を寄稿しています。

研究所の設立目的は「外交努力と軍事の抑制(diplomatic engagement and military restraint)」だということです。共にグローバル化を推奨する“左”のGeorge Sorosと“右”のCharles Koch財団が資金を出していることに疑問が広がっていることについて「平和こそがアメリカ外交政策の通常であるべきで、戦争はあくまでも例外だ」として、研究所は平和を追求する財団だと強調しています。

New York TimesのThe Koch Foundation Is Trying to Reshape Foreign Policy. With Liberal Allies(保守思想のコーク財団が外交政策を再構築しようとしている。それもリベラルな仲間と)は9月10日の掲載。

保守層のコーク財団が46万ドルを拠出して、クインシー研究所を設立すると伝えています。左右の資本家が資金を拠出してシンクタンクを作ることについて「トランプ大統領がいかに伝統的な敵と仲間を変えたかを象徴している」と分析。

なぜ今か?

「2019年は歴史の中で特有の時期となりそうだ。古い秩序が崩れ始めているが、新しい秩序はできていない」として、“右”と“左”が一緒になってアメリカ非介入の外交政策を研究するシンクタンク誕生の必然性を説いています。

ちょっと遡りますが、7月のWashington Postでは、クインシー研究所の特徴をコンパクトにまとめています。▼資金の出し手、▼創設者の2点です。

資金を出すジョージ・ソロス氏とチャールズ・コーク氏は、左右の思想の違いから困惑する人もいるだろうけど、実は外交政策については似ているということです。

創設者はプログレッシブな左のStephen Wertheim, Trita Parsi, Suzanne DiMaggioのほか、リアリストな右のAndrew Bacevichです。

このため左右の両方から支持する声と反発する声が上がっているそうです。

プログレシップな右のウォートハイム氏の主張はすでにご紹介しましたが、リアリストの右のバセビッチ氏も9月16日にNew York Timesに寄稿しています。

Iran Might Be America’s Enemy, but Saudi Arabia is No Friend(イランは確かにアメリカの敵国かもしれないが、サウジアラビアは決して友好国なんかでない)というタイトルです。
敵の敵は味方ではないことは1980年代イランと対峙したイラクをアメリカが支持した失敗を見れば明らかで、サウジアラビアがいくらアメリカの武器を購入し、皇太子がいくらトランプ大統領をちやほやもてはやしても、イランの敵国だからと言ってアメリカがサウジアラビアの肩を持ってイランを攻撃するのが過ちだと主張しています。


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