記事

あのシャンプーハットが50年ぶりに加えた機能

1/2

子供が髪を洗う時に、目に水が入るのを防ぐ「シャンプーハット」。ピップは1969年の発売以来、一度も形状を変えてこなかったが、今年9月、初めて「穴を開ける」というリニューアルを断行した。水を防ぐための商品に、なぜ穴を開けてしまったのか。ピップの松浦由治社長に聞いた——。

シャンプーハットをかぶって撮影に応じる松浦由治社長 - 撮影=小野 さやか

変えてきたのは「キャラ」と「色」だけだった

9月24日、ピップが新しい「シャンプーハット」を発売した。シャンプーハットはピップが開発した商品だが、1969年の発売開始以来、形状に変更を加えるのは初めてだ。

リニューアルした「ピップ ステップ! シャンプーハット」。穴なし、小さい穴、大きい穴と、3つの段階がある。 - 画像提供=ピップ

この形状は「開発担当者が『トタン屋根を流れ落ちる雨』から思いついた」(ピップ広報部)という。発売から20年間は意匠で守られていたが、意匠が切れると各社が参入。「なぜか商標を取得していなかった」ということで、各社が同じ名称を使ったことから、結果的にシャンプーハットという商品名を誰もが知るようになった。

形状は発売当初から変わっていない。定期的にパッケージと本体にあしらうキャラクターと色を変えるだけで、50年の歴史を積み重ねてきた。「子供の顔に水がかからないようにする」というニーズには、それだけ根強いものがあるということだろう。

松浦由治社長は、「シャンプーハットはエレキバンよりも古く、ピップのブランドを代表する商品」と話す。

「シャンプーハットは現存する商品のなかでは最も歴史が古い。日本では今でも年間100万人弱の子供が生まれており、少子化といっても安定的な市場がある。リニューアルに取り組む価値があると思った」(松浦社長)

リニューアル前のシャンプーハット - 画像提供=ピップ

過去に販売されていたシャンプーハット。左はNHK「おかあさんといっしょ」内で放送されていた「にこにこぷん」、右は「ドラえもん」のパッケージ。(ピップ『社史』より) - 画像提供=ピップ

知っているけど使わない家庭が増えていた

しかし、ここ数年は、商品の存在を知っていながらあえて使わない家庭も増え始めている。ピップがシャンプーハットの商品認知率を調査したところ、2017年の認知率は75%、使用経験率は23%だった。抽出条件は異なるものの、2010年の認知率は90%、使用経験率は28%。スコアが徐々に減少していることがわかる。

※2010年は20~50代既婚、0~8歳の子供がいる男女9699人、2017年は20~40代既婚、7カ月~3歳の子供の母親2745人に調査。

これらのデータ収集に役立ったのが、マーケティングを商品開発に活用する取り組みだ。ピップの親会社であるフジモトHDでも、昨年から「消費者起点のマーケティングカンパニーを目指す」という方針を掲げている。

50年間リニューアルされなかったのは、完成度の高い商品だったからだという - 撮影=小野 さやか

あわせて読みたい

「企業」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    逮捕されても臆することなく、取材を続けよう〜田原総一朗インタビュー

    田原総一朗

    07月28日 08:07

  2. 2

    東京3000人は五輪強行開催によるモラル崩壊の証。もう誰も自粛しない

    かさこ

    07月28日 08:46

  3. 3

    コロナ対策は菅内閣にも直結 東京の新規感染者数が5000人超えなら菅内閣はもたない

    田原総一朗

    07月28日 14:43

  4. 4

    ロッキンは中止する必要があったのか?〜7 /8の議院運営委員会で西村大臣に質疑を行いました〜

    山田太郎

    07月28日 09:58

  5. 5

    「きれいごとだけでは稼げない」週刊文春が不倫報道をやめない本当の理由

    PRESIDENT Online

    07月28日 12:30

  6. 6

    酷暑下の札幌五輪マラソン 市民の冷ややかな声も少なくない

    NEWSポストセブン

    07月27日 09:36

  7. 7

    中国、ロシア製ワクチンと立憲民主と共産党 まあ少し可哀想ではあるけど、ブレインが悪いのとセンスがないというだけ

    中村ゆきつぐ

    07月27日 08:26

  8. 8

    上司も部下も知っておきたい 「1on1」を機能させるためのコツ

    ミナベトモミ

    07月28日 12:00

  9. 9

    立憲民主党・本多平直議員は「詰腹」を切らされたのか?近代政党のガバナンスにおける危機感

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    07月28日 09:53

  10. 10

    西村大臣の酒類販売事業者への要請撤回 首相官邸の独断に官僚からも疑問の声

    舛添要一

    07月28日 08:34

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。