記事

中小企業のための両立支援

厚労省が、中小企業における両立支援推進のためのアイディア集というのを公表している。

両立ってだけで分かるのかは疑問だが、子育て・介護と仕事との両立支援の意味である。

その報告書は、色々なアイディアがあって面白いが、冒頭に、片働き・共働きの推移や女性の働き方の意識の推移が載っている。男女共同参画白書からの引用だが、昭和55年から平成22年まで、専業主婦をもつ世帯は1114万世帯から797万世帯へと、ほぼ右肩下がりなのだが、他方で共働き世帯は614万世帯から1012万世帯と、ほぼ右肩上がりである。

これに、単身世帯の推移などがあるとさらに面白いかもしれないが、ともあれ綺麗な現状グラフだ。

働き方の意識についても、女性が子どもを持ってもずっと働き続ける方が良いと答えている人が、女性では一貫して右肩上がりとなり、子どもができたら仕事をやめ、大きくなったらまた仕事をするのがよいと応えている人(M字カープ支持)を平成14年から15年あたりで逆転している。

男性の意識も、女性が子どもを持ってもずっと働き続ける方が良いと答えている人がトップの割合になってはいるが、M字カープ支持の人もまだまだ多い。

かくして両立支援が大事だということになって、そのためのアイディア集を作ったというわけだ。

この施策の守備範囲外の話かもしれないが、どうも前提として、男は仕事、女性はどうする?というスタンスが当然のようになっている気がして、引っ掛かりを覚える。
先日のNHKの討論番組でも、やはり女性の働き方というスタンスで雇用の流動化が語られていた気がする。一応は、男性も女性も流動化した世界をえがいてはいたが、例などはすべて女性の話になっていた。

実際のところ、男性が子育てや介護で仕事をやめたり、一時やめたりということは考えにくいから仕方がないのかもしれないが、ワーク・ライフ・バランスとは男性にこそ必要なはずだ。
その現状に対しての変革努力は地方の首長がデモンストレーション的に育児休業してみせたぐらいでは足りない。

こうした目で報告書を見ると、それなりに男性と女性との役割分担を当然の前提にした記述にはなっておらず、男性の育児休業取得率50%以上(ただし1日とか数日の休業取得でも含む)を目指す企業の紹介とか、仕事内容としての男女の均等化が重要という指摘とか、配慮はされている。
にもかかわらず、企業の事例紹介では、ほとんどが女性の両立支援となっているところが気にならざるをえないが。

あわせて読みたい

「労働」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    「2021年になって未だに?」 NHKきっかけに日本のFAX文化が世界に 海外からは驚きの声

    BLOGOS しらべる部

    07月29日 17:14

  2. 2

    不気味に大人しい小池百合子知事、目線の先にあるものは…?ワクチンの集中要請と追加経済対策を急げ

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    07月30日 08:12

  3. 3

    もう、オリンピック・ムードに浸り続けるのは無理なんじゃないかな

    早川忠孝

    07月30日 08:37

  4. 4

    五輪で弁当4000食廃棄にショック 河野大臣も驚きのけぞる

    柚木道義

    07月30日 10:28

  5. 5

    都の感染者が3865人のからくり 検査数が増えれば陽性者数も増える

    諌山裕

    07月30日 13:07

  6. 6

    感染爆発の震源地 選手村のPCR検査は極めてズサンだった 

    田中龍作

    07月30日 09:14

  7. 7

    「ここまでのコロナ対策が失敗だったと認めた方がよいのではないか」杉尾秀哉議員

    立憲民主党

    07月29日 19:13

  8. 8

    コロナ感染急拡大で日本医師会が緊急声明、全国への宣言検討を

    ロイター

    07月29日 20:40

  9. 9

    列車内での飲酒について、JR北海道から回答「お客様に強制することは大変難しい」

    猪野 亨

    07月29日 10:28

  10. 10

    高校に通わなかった東大名物教授の独学勉強法 本や教科書は疑って読むクセ

    宇佐美典也

    07月29日 12:00

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。