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【原発事故と進次郎大臣】汚染土壌や汚染水「縁あってこそ解決出来る」? 具体策無く「全力」「しっかり」。改めて振り返る福島県知事表敬時の「理屈じゃ無い」ふんわり発言

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【「今度、環境省でノドグロを食べる」】

 会見で、進次郎大臣が最も雄弁だったのは、自身と福島県との「縁」に関するくだりだった。

 「福島に対する想いは、環境大臣であっても衆議院議員であっても個人であっても、これは変わりません。子どもの頃から、私はスキー旅行は福島でしたし、箕輪スキー場に毎年家族で来てました。だから横須賀、私の地元は雪が滅多に降らないので、私にとって人生の中で、雪の景色は福島なんです。だから、立場が変わったからといって、福島に対する向き合い方、想い、これが変わるものではありません。ただもちろん、責任は変わります。その重さは。なので今回、間違いなく、今まで向き合う中で最大の責任の重さの立場に就いている事は間違いありませんので、その事をしっかり自覚をして、緊張感を持って取り組んでいきたいし、だけど今までの育んだ福島の皆さんとの縁というのは変わらず大切にしたいですね」

 「だから今日もここに来る前に、途中で、福島市内に私が前から毎年会っている農家さんがいるのでね、電話して『いま県庁に向かっているんですよ』と。そしたら『おー今から行くよ』と。実は向かってくれたんだけど、あまりに(自分の)到着が早すぎて、会えなかったんですよ。だから、今日の唯一の心残りは、その方に、本来県庁の下で会えるはずだったのが会えてないという事ですね。だからさっき、ご自宅に電話して、記者会見やると待たせちゃうから『どうぞ待たないでお帰りください』って言いましたけど。でもそうやって『行くから』って言える方がいる。うーん。ありがたいですね」

 「原田前大臣の発言によって傷付いた方、そういった県民の皆さんに対しては私としても大変申し訳なく思います。そして、昨日も記者会見でお話しした通りですが、所管外とはいえ、そう断った上で発言をされた事も前大臣の発言ですので、新しく大臣になった私が、所管外とはいえ、そこで傷付いた方々にしっかり向き合う事も私はやらなきゃいけないと思いました。ですので今朝、岸会長ともお会いをしました。そして大臣との引き継ぎ、これを終えた後に小名浜に行きまして、本当は野崎さんと会いたかったんですけど、電話したら、ちょうど野崎さん東京に向かってたんです。だけど野崎さんいなくても構わないから、とにかくこの発言によってお怒りになった方、また大変苦しい想いをされた方に私はまず会って自分なりの気持ちをお伝えしたいと思ったので、『野崎さんいなくても大丈夫です。私行ってきますから』という事だけ言って組合の方に行ってきました」

 「組合長さんいらっしゃって、組合長さんにお会いをして、その気持ちをお伝えして、そしてお部屋に通していただいたので、そのお部屋の中でいろいろお話をして、いま試験操業やってますから、その試験操業でどんなお魚獲れますか?そういったお話を聴いたらですね、私も意外だったんですけど、ノドグロが獲れるというんです。『福島でノドグロが獲れるんですか?』そんな話をしたところ大変いろんな話を聴いたんで、私からは『じゃあ今度、環境省で、そのノドグロを一緒に食べませんか?』そうお話しさせていただいて、今度それやろう。そんな話になりました。ですので、この前大臣の発言によって今まで積み上げてきた信頼が揺らいだところがあったとするならば、それを全力で立て直して信頼を積み上げていくという事は、私も全力でやっていきたいと思います」


(上)内堀知事との会談後、記者会見を開いた小泉進次郎環境大臣。記者からは課題解決の具体的な方策についての質問が相次いだが、抽象的な答えを繰り返すばかりだった。
(下)進次郎大臣を一目見ようと、福島県庁には多くの〝ギャラリー〟が集まった。県職員もスマホを向けるほどだった

【「『信無くば立たず』胸に刻む」】

 会見の冒頭あいさつからして、「全力」や「しっかり」の繰り返しだった。

 「先ほど県庁の、そういった中間貯蔵とか廃棄物、除染を担当している生活環境部長の大島さん(大島幸一部長)ともお話をさせていただきましたけれども、大島さんはいないかな、実感のこもっている話を聴けましたね。今まで生活環境部というと公園とか前向きなお仕事をやっていたけれども、あの震災・原発事故以降、除染とか中間貯蔵とか、そういった課題に忙殺され、なかなか前向きな仕事に力を割く事が出来ていないような、そういった日々だったと思います。少しずつ課題がクリアされていくごとに前向きな課題にも取り組みつつあると思いますが、まだまだこれから。そういう部分もあるので、私の想いとしては、この県庁の担当の皆さんが、前向きな仕事に専念出来る環境を1日も早く実現をしたいと。それがまさに国の役所である環境省が全力でやっていかなければいけない事だと思いますので、しっかり取り組んでいきたいと思います」

 「議長ともお会いしましたけど、吉田栄光さん。そして内堀知事。そして電話をした自治体の皆さん。本当に皆さん前から知ってる方なので、今回、何か初めての立場での仕事なのに、非常に何かこう、良い意味で自然体の初日を迎える事が出来たのは福島の皆さんとの縁のおかげだなと。今後、様々な課題を解決していかなければいけない中で、やはり政治というのは、最後は『人』ですから。この、人との縁。福島の皆さんとの縁。これがあってこそ解決出来る。そういった課題ばかりだと思いますので、それを活かして、課題解決に全力で取り組んで行きたいと思います」

 「知事が私に言った、県民の皆さんの『苦渋』の想い。そして、これからの課題解決における『信頼』。これが大切だという2つの言葉をしっかりと抱えながら、環境大臣としての仕事に全力を尽くしていきたいと思います。改めて福島の皆さん、よろしくお願いします。以上です」

 「福島県の皆さんに(国が)信頼されないのは当然だと思います」と言う進次郎大臣。信用回復のために「しっかりと」取り組むのだという。

 「(国を)信頼してたら、絶対安全だと言っていたのに安全じゃ無かったわけですから、安全神話にとらわれて。そしたら信頼は失墜して、ゼロからのスタートは当然だと思います。ですので、私はそれがスタートだと。ゼロから積み上げる。そしてもしも、いろんな事でまたそれが崩れるような事があったとしたら、また積み上げる。もちろん、一度失った信頼は積み上げるのは簡単な事ではありませんが、環境大臣として、知事が言ったように信頼。『信無くば立たず』。その言葉をしっかりと胸に刻んで一つ一つの課題に取り組んでいきたいと思います」

(了)

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