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  • mkubo1
  • 2012年06月05日 23:19

ユーロ諸国とのせめぎあいで押され始めたドイツ

欧州では、ドイツは、四面楚歌になりつつあります。 今、ホットな話題は、ESMから銀行への直接の資本注入が出来るかどうかです。 これは、英語で“Banking Union”と言われている考え方です。

欧州では、各国に巨大な銀行が数行ありますが、その銀行は、その国に限らず、域内の各地で、営業(支店をもっている)を行っているものです。 例えば、フランスのBNPパリバは、フランス国内にとどまらず、イタリア、ベルギーなどで、営業活動をしています。 とすれば、BNPパリバは、フランスの銀行であるのですが、もっと言えば、欧州の銀行とも言えます。 となれば、フランス政府がBNPパリバの面倒を見るのでなく、ユーロが面倒を見るべきだということになります。 これがBanking Unionという考え方で、日本語では「銀行同盟」と言われています。 その中で、スペインのバンキアのように公的資金が必要な銀行に、ESMから政府を経由せずに、直接、公的資金を注入するという案が出ているのです。

ドイツ以外は、全員賛成なのです。 これは、ある意味、当然なのですよ。 上記のようの主要銀行に対しては、欧州レベルでの監督が必要であると言うのはドイツも認めています。 であれば、ESMから、安定化のための資金を出してもいいじゃないかとなるわけです。 ドイツにしてみれば、ESMは、金のなる木ではないので、政府支援以外の使用は避けたいわけです。 銀行への公的資金注入ともなれば、いったい、いくら必要かわかりません。 つまり、ドイツの負担が、ますます、増えるわけです。

一方、他の国は、緊縮財政ですし、きつきつの財政状況ですから、出来れば、銀行救済は、自国政府でやるよりも、欧州負担にした方がいいということになります。 ですから、Banking Unionという現実的な論理を展開し、結果として、欧州負担(=ドイツ負担)を目指すわけです。 理にかなっているので、ドイツもいつまでも、反対は出来ないであろうということですね。 この銀行同盟がきっかけとなり、共同債構想へ持ち込もうというのが、ドイツ以外の戦略なわけです。 もちろん、いっきに、共同債とはなりませんが、銀行同盟及びESMの追加的役割は近い将来実現するかも知れませんね。 ドイツの態度も、明らかに変化していますから。

ついでに言えば、ESMに銀行免許を持たせる(=レバレッジがかけられる)ことも、必要でしょうね。 ドイツが四面楚歌になると、歴史的には、あまり、良い結果となりません。 その辺は心配ですけどね。 今頃、G7 電話会議で、ガイトナーとバーナンキは、ショイブレやバイトマンを説得しているのではないでしょうか? もちろん、明日のECB理事会での利下げを確認していてもなんらおかしくありません。 まあ、過大な期待は禁物ですが、あまく見てもいけませんね。

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