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豚コレラワクチン接種は遅すぎ

江藤拓農水相は、一昨日20日、豚コレラ対策として養豚場の豚へのワクチン接種を実施する方針を表明しました。同日開いた防疫対策本部の会合後の記者会見で、感染拡大の防止に向けワクチン接種が可能になるよう防疫指針を改定する意向を示しました。

接種時期は明示せず、「できるだけ短くしたい」と述べ、ワクチンが不足しないよう製薬会社に増産を要請する方針も表明した、と報じられています。農水省は、豚コレラが発生した県を中心に地域を限って接種する方向で検討していて、有識者の意見も聞き対象地域を絞って、その地域の都道府県知事がワクチンを使用するかどうかを最終判断する仕組みにするということです。

これまで、野生のイノシシにはワクチン接種をしていましたが、なぜ豚にしないのかと思っていました。豚にしなかったのは、ワクチン接種をすれば国際機関から「非清浄国」とみなされるため、慎重な立場だった、とのこと。

接種すれば、家畜伝染病対策の国際組織「国際獣疫事務局(OIE)」から「非清浄国」に格下げされ、米英仏独などの「清浄国」に輸出できなくなる恐れがあるそうです。江藤農水相が、非清浄国への転落も辞さない認識を示したことは、よかったと思いますが、遅すぎだという批判が出ています。

実際にワクチンが接種されるのは、審議会の専門家などの議論、そして国民の意見を聞くパブリックコメントなどの手続きを経て、早ければ年内に始められる、とのこと。豚コレラは、人に感染することはなく、感染した豚の肉を食べても人体に影響はないとされています。

昨年9月に、岐阜県の養豚場で国内で26年ぶりに確認されて以降、東海、中部、関東の計6県で、飼育豚の感染が確認されました。出荷先での感染も含めると、計9府県に広がっています。今月13日に埼玉県の養豚場で発生が確認され、東海地方での封じ込めの失敗が明らかになっていました。

私が住んでいる長野県でも、下伊那郡高森町の2ヶ所の養豚場で発生し、阿部知事が早期のワクチン接種を要請していました。実施を決めても、接種の実施には二つの課題があるとされています。一つは、ワクチン接種が徹底できるかです。ワクチンは、感染の可能性がある地域で飼われた豚に一斉に打たないと効果が小さいとされています。

ところが、農水省が今回踏み切るのは実施の判断を都道府県知事に委ねる「予防ワクチン」とする方針です。国が実施を決める「緊急ワクチン」の規定は、「豚コレラの感染が爆発的に拡大していない状況ではなく、この規定は使えない」と農水省では、しているからです。

もう一つは、ワクチンを接種した豚の流通をどうやって一定地域内にとどめるかです。農水省は、ワクチンを接種した豚は、その地域以外に流通させない方針ですが、域外のスーバーなどに並べられていないかを確認する仕組みはない、ということです。

阿部長野県知事も「流通制限は現実的には難しい」と訴えています。それにしても、接種を求める声は、養豚業者や自治体から早い段階で出ていました。国が備えをおろそかにしてきたので、対応が遅くなった、と指摘されています。消費者に不安が広がって、豚肉に買い控えがでる可能性もあります。

豚へのワクチン接種について、国や自治体が、安全性も含めて、正確な情報を周知してもらいたいと思います。

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