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東証株価指数の安値に思う2

昨日、東証株価指数(TOPIX)が28年ぶりの安値に落ち込んだ。これに対するコメントの続きである。安値に落ち込んだのは上場企業の責任大だが、すべてを企業に押し付けるわけにいかない。

企業を鼓舞しなかった証券取引所と投資家の責任もある。今日は証券取引所について述べておきたい。

証券取引所の上場制度は、その審査基準に表現されているように、一般投資家に、投資するにふさわしい投資対象を提供することにある。この点で、市場(抽象的な意味での「しじょう」)は具体的な意味での市場(いちば)に転じる。証券取引所は老舗の八百屋である。

「この老舗の店に並んでいるから、値段はともかく(でも、とんでもない値段であるはずもなく)、品質は確かだろう」と信頼し、その店で品物を買い求める。八百屋の店先に並んでいるのは、店晒しになった品物ではなく、ましてや腐っているわけでもないと、客は信じている。後は品物の値段と相談である。

上場されている株式もそれと同じである。「食わせ物の株式は並んでいない」と、この意味で投資家は証券取引所を信頼している。

では、実際のところ、どうなのか。残念ながら、腐っているとまでは言わないものの、ホコリをかぶった上場企業が多すぎるのではないか。その最たる事例が、以前に書いた山水電気でありシルバー精工だ。両社は、かつてピカピカの企業だったこともある。しかし、経営破綻して上場廃止になる前の何年かはホコリをかぶり、しなびてしまっていた。そんな品物を老舗である証券取引所に並べておいてどうするのか。株式市場の信頼の失墜である。これでは投資家、とくに個人は寄りつかない。

山水電気やシルバー精工だけではない。この予備軍が何社かある。さらに、ホコリをかぶりかけた企業なら多数ある。たとえば、時価総額がたった数十億円の企業を、東証1部に指定したままにしておいてどうするのか。

TOPIXと日経平均株価との格差が拡大している。日経平均株価がそこそこ持ちこたえているのに、TOPIXが28年ぶりの安値に落ち込んだ理由の1つは、この東証のくそ律儀というか、考えようによれば一旦並べた品物は腐るまで捨てないというケチくさい経営方針にあるのかもしれない。

上場制度の、すなわち株式市場での品揃えの見直しを活発化させることが、日本企業を鼓舞し、企業の活性化を促すことになる。さもなければ、大学に入学した者にはよほどサボらないかぎり卒業証書を与えるという「教育の甘やかし」と同じことが、株式市場でも生じ、結局は企業という日本経済の資源を完全にスポイルしてしまうだろう。

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