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「首を切り落とそうとした」男が…半グレから再起させた“言葉”の力

半グレ集団の創設メンバーだった男性が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)の密着を受け、その贖罪の日々が描かれた『半グレをつくった男 ~償いの日々…そして結婚~』が、あす22日に放送される。

非道の限りを尽くした男が、一体どのようにして更生することができたのか。信じられないように人間が変わった姿を記録した、貴重な番組になっている。

半グレ集団とは、暴力団には所属せず、犯罪を繰り返す集団のこと。今回、番組が密着するのは、“最凶”の半グレ集団と呼ばれ、中国残留日本人の2世・3世を中心に結成された「怒羅権(ドラゴン)」の創設メンバーだった汪楠(ワン・ナン)さんだ。

47歳になった現在は、全国の受刑者に本を送る活動を始め、出所者の“第二の人生”を支援する活動を続けているが、本人の口から語られるその半生は、想像を絶する。

「あの建物の最上階に飲み屋があって、ヤクザの組員の人が俺の財布を盗んで、そのお詫びに一杯、一緒に飲もうと言われて、今度はその飲み代も払わせようとした。それで頭にきて相手を殴って、どんどん興奮して、最後に日本刀で腕切り落として、それでも怒りが収まらずに首を切り落とそうとして。やっぱり切れなかったんだよね。硬くて」

どこの街にもいそうなおじさんから、ママチャリを引きながら発せられるものとは思えない衝撃のエピソード。19歳で逮捕された時の話だというが、それを穏やかな顔で淡々と語るからこそ、誇張のないリアルさが伝わってくる。

出身の中国では上流階級の家庭に育ったものの、日本にやって来て受けたのは、理不尽ないじめと差別。「コミュニケーションができれば、いじめも受けないと思ってたんだけど、日本語を覚えたら差別発言の意味が分かるようになっただけでね…」という絶望的な言葉に、胸が締め付けられる。

こうして溜まっていった怒りが、半グレ集団の結成につながる。非道の限りを尽くした末に逮捕され、裁判の求刑にまで差別を感じた人間が、どのように更生していったのか。それは、1冊の本をめぐる裁判官の言葉と、拘置所や刑務所に塀の外から届く手紙の言葉だったという。

面と向かわない赤の他人からの手紙が、半グレだった人間を本当に変えることができるのか…にわかには信じられないが、番組では汪楠さんが日本に来て最初に入った学校の先生からの手紙の内容が紹介され、その力を感じさせられる。

さらに、汪楠さんの生い立ちと事件までの思いが、知人への手紙から世間に知られ、多くの人たちからも手紙が届くようになると、その言葉のパワーが束になって増幅し、再起への大きな後押しになったことが分かる。“言葉が人を救う”…ありふれたキャッチコピーのようだが、それがリアルに描かれる過程は、端くれながら文章を書くことを生業としている者として、とても勇気づけられる場面だった。

しかし今回の放送では、そんな汪楠さんの更生を試すかのような“事件”も発生してしまう。日本国籍を持たない汪楠さんは、就労することが許されず、受刑者支援の活動資金は常に足りない状況なのだが、ある日、面倒をみていた出所者が、活動資金を持ち逃げしてしまったのだ。その資金は、汪楠さんの婚約者が工面し、寄付してくれた大切な「50万円」。

その後、窮地に陥った汪楠さんの前に、持ち逃げした男が思いもよらぬ形で姿を現す。しかも、反省の態度を一切見せず、タバコを吸いながら明らかな言い訳に終始する始末。人々に助けられて更正したとは言え、「日本刀で腕切り落として、それでも怒りが収まらずに首を切り落とそうとして…」という言葉がよぎり、まさに固唾を呑んでしまう最大の緊迫シーンだ。

普通の人間でも怒鳴り散らしておかしくない状況だが、汪楠さんは耐えることができるのか。そして、どのような行動を取るのか。ぜひ放送で目撃してほしい。

(C)フジテレビ

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