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韓国大統領府が”日本語サイト”開設…佐々木俊尚氏「これでは”炎上ネタ”を投下するだけだ」


 18日、日本を貿易管理上の優遇対象国、いわゆる「ホワイト国」から除外した韓国政府。さらに同日、韓国大統領府(青瓦台)の公式サイトに、日本語で"日本の輸出規制による韓国政府の対応"と書かれたバナーが出現した。

 これをクリックした先の特設サイトには「演説と発言」「インフォグラフィックス」、そしてYouTuberの動画のようなサムネイルの「動画」の3つのカテゴリに分かれており、日本の輸出規制がいかに不当で、それに対し韓国がどう対処するのかが日本語で説明されている。


 例えば日本の輸出規制に対する「盗人猛々しい」発言で話題となった先月2日の文大統領の演説。AbemaTV『AbemaPrime』では「加害者である日本が盗人猛々しく、むしろ大口をたたく状況を決して座視しない」と訳して紹介したが、こちらは「非公式日本語翻訳」として「賊反荷杖(過ちを犯した者がむしろ何の過ちもない人を責めることをさすことば)」との注釈が入るなど、よりソフトな表現になっている。

 対日強硬姿勢を強める文政権に呼応するように、いくつかの自治体も特定の日本企業を"戦犯企業"と名指しし、不買を進める条例を制定する動きもあった。しかし韓国メディアは、ソウルなど主要8市や自治体の議会議長らが協議し、「不買条例の制定手続きを保留」と決定。韓国の世論調査会社「リアルメーター」の調査によると、文在寅大統領の支持率が過去最低の43.8%となっていた。


 そんな中で登場した今回のサイト。以前から韓国メディアの日本語サイトの記事に対して不信感を持っている大統領府が、日本国民に対して直接情報発信することで日本の世論を動かす狙いがあるとみられている。

 ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「インターネットを使った宣伝合戦というのは増えているが、そもそもウェブサイトを開設しただけで見てもらえるというのは、あまりに安易。日韓問題に興味のない日本人や、根拠なく韓国に反感を抱いていている日本人に対して、優しく情報を送り届け、理解してもらおうと努力することが大事だ。しかしコンテンツを見ると文章は固いし、説明も多い。インフォグラフィックスについてもPDFみたいなものを貼り付けているだけで、字が小さくて読みにくい。これではムキになって反論する人といった感じがするし、韓国が嫌いな人が見に行って"やっぱり韓国の発信はけしからん"と言うための"炎上ネタ"を投下しているだけに過ぎない」と厳しく指摘する。

 さらに「ロシアはトランプ大統領が当選した時に暗躍したと言われているし、クリミア併合でも宣伝合戦を仕掛けたが、そこで使われていたのがSNSだ。FacebookやTwitterにフェイクのアカウントを作ったり、インフルエンサーをうまく利用したりして情報を流しまくっていた。そうでもしなければ、世界中に何億もあるウェブサイトの中に一つ追加したからといって、人は見てくれない」とした。

 一方で、韓国では各新聞社が日本語版を制作し日本のサイトにも配信してきた。今回の日本語サイト立ち上げも含め、韓国側からの日本へのメッセージがあるのに比べ、日本側からの韓国への情報発信が足りていないという面はあるのだろうか。佐々木氏は「それはあるだろう。政府と政府、国民と国民の4者がいる中で、基本的に日韓関係は政府同士の問題だ。政府同士は外交ルートでやればいいが、国民に情報を送り届ける仕組みについては日韓ともうまくやれていないと思う」とした。


 外務省による「外交に関する世論調査」(2018年)では、年代が低ければ低いほど「韓国に対する親近感=親しみを感じる」とい回答した人の割合が高く、年代が高くなるにつれ低くなっていくという結果が出ていることも話題になっている。

 佐々木氏は「つい2週間くらい前に新大久保に行ったが、韓国のものが嫌いだという雰囲気はなく、若者で賑わっていた。歴史的な流れもあるが、高年齢層はメディアリテラシーがあまり高くないので、"嫌韓本"などに引きずられてしまうというところがある。つまり長い年月が経ち、リテラシーが高まっている今の20代、30代が社会の中心になる頃には、政府同士はともかく、国民同士で対立するということはなくなってくるのではと期待していえる。そう考えると、韓国は自説を強調するよりも、日本の若者向けに情報がソフトに伝えることを考えた方がいいと思う」とした。

 また、慶應義塾大学特任准教授の若新雄純氏は「一時的な国内の求心力を高めるために、日本人に理解されないこと、嫌われることも構わない、というつもりでやっているのかと思っていたので、丁寧に説明しようという気持ちがあったことに驚いた。ただ、これだけ不買運動もある中で、今になって"でも本当のところは…"と言うのは順番が逆だと思う。いわばスカートをめくっておいて"実は好きだ"みたいな不器用さだ」と話した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
 

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